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    はねた

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    「イバシンエン」じろさんと阿久津母子の足跡をたずねて京都に行ったレポです。

    #aoas
    #阿久津渚

    阿久津母子の足跡をたずねる聖地巡礼in京都 はじめに。
     こちらはaoas阿久津母子の京都での足跡を辿るツアーをしたよというレポです。
     32巻現在時点での阿久津くんちの家庭の事情についてわりとつまびらかにしておりますので未読だしネタバレはいやよという方はどうぞお引き返しくださいな。
     よろしいですか。
     では本編に。
     
    【これまでのあらすじ】
     たぶんいまをさること2年まえくらいに大学の同期じろさんからaoasという漫画をおすすめされたわたし。
     もともとサッカー好きということもあり6巻まで購入したところ途中で地元に本屋がなくなり詰みました。
     そうして今年の正月休み、なんか長い漫画読みたいなあということで保留していたaoasを電書で一気に購入。
     月島コーチのお顔のかわいさと謎のキャリアについてあれこれと考えているうちに気づけば半年壁打ちをしていました。
     ところでそれはそれとして、大学の同期らしくじろさんとは会いたいねー女子会ーランチーなんてことは折にふれ言うており、このたびでは5月にどうよというお話になりました。
     さて、我々の落ちあいやすいところといえば青春を過ごした地・京都。
     じろさんのaoasにおける推しカプはあくあし。
     すなわち阿久津渚くんと青井葦人くん。
     そして阿久津くんのご出身は京都。
     阿久津くんのお母さんは京都在住。
     ということでどちらが言いだしたものか、いつのまにやら「大学の同期と女子会ランチ❤︎」は「阿久津母子の足跡を辿るツアーin京都」に変貌を遂げておりました。
     そしてaoas本編をご参照の方はご存知かとおもわれますが、そしてご存知ないかたには先にもお伝えしたとおりまあまあネタバレなのでお気をつけいただきたいのですが、阿久津くんは幼少期からのわりときつめなネグレクトの果てに福田監督にサッカーの才能を見出されトーキョーの強豪クラブエスペリオンFCユースに入り、かたや阿久津母といえば長年の放蕩の果てに病を得て京都のなんとか十字病院に流れ着いております。
     aoas京都ツアー、つまり聖地に相当するのは病院とカフェとごみに溢れたマンション(複数)と場末の酒場とヤンキーの落書きだらけの高架下、あと斎場。
     aoasといえば作者の方のご出身たる愛媛、舞台となる東京、ライバル校のある青森など、背景の写実性が高く、よって聖地巡礼も楽しめると評判の作品。
     なのできっと京都の聖地にもきっといろいろモデルがあるはず。
     主人公アシトくんの宿命の存在(みたいなこと居酒屋で監督とコーチが酒飲みながら気軽に言うてた)阿久津くんのうまれた場所だし……だしね……にしても京都に課されたハードル重くない……? ほぼネグレクトの現場なんですけど……?
     という若干の不安を抱きつつ、では聖地巡礼のための下調べを、となった瞬間じろさんから「阿久津くんと加瀬さん(エスベリオンのえらいひと・阿久津くんの父親代わりとかなんとか)が新幹線のなかで食べたお弁当」特定のLINEが。
     早いわ
     さすがじろ先輩、はまって半年のビギナーとは読みこみが違う。あと学生時代から仕事爆速フッ軽女子だったなあということも懐かしくおもいだしました。
     懐かしいなあ、すごいなあ、たぶんこれじろさんががんばるコーナーだな、よーしがんばれじろさんわたしががんばってもたぶん追いつけない追いつけない、がんばれじろさん応援してる
     とわたしがさっさと白旗をうちわ代わりにあおいで寝転んでいるあいだにもじろさんは続けて「福田さんと阿久津母が出会ったカフェ」「阿久津母が入院した○○十字病院」を検索されておりました。
     えらい。
     わたしはなんもしてない。
     ところで阿久津母のご住所、みなさん覚えていらっしゃいますでしょうか。
     東京の阿久津くんとこに突然とどいた阿久津母からの手紙。
     阿久津母子にいろいろわだかまり以上のことがあるとわかっていながらセンシティブなお年頃の少年に「届いてたぞ」の付箋つきで母親からの手紙ぽんと渡すのいやもうちょっとあるやろいや壬生さん(広報)は知らんかもしれんけどだれか、加瀬さんとかだれか、とかまあそれはそれとして、そう、先に言っておくと阿久津母子に対するクラブユースの大人たちの対応についてわたしちょっとモンペなんですけどそれはそれとして。
     ご住所がね、皇陵市・松柴・陽成ってなってたじゃないですか。
     皇陵→桃山御陵前
     松柴→竹田(松竹梅つながり)
     陽成→深草(天皇家つながり)
     伏見区の実在の地名もじってんのかなあってぼんやり思ってたわけで。
     で、阿久津母が入院した病院は聖十字病院なので、桃山御陵前や深草とおなじ京阪沿線で近距離の東福寺に赤十字病院あるし、そういえば若い頃四条あたりでぶいぶいいわしてなんやかんやあってこのへんに落ち着いた知り合いおったなというきわめて個人的かつざっくりとした印象から阿久津母のおうちは伏見区だな……ときめつけておりました。
     しかしじろさんが調べたところによると東福寺の日赤は漫画に描かれた病院と外観がちょっとちがう。
     そう、じろさんが調べたところによると。わたし? なんもしてない。
     京都には赤十字病院がふたつあり、ひとつは東福寺の第一、もうひとつは御所そばの第二。
     どっちかというと第二のほうが似ている気はするが決定打はないのでとりあえず両方いくことに。
     お次は福田さんが阿久津母に渚くんを僕にくださいと言ったカフェ。
     言ってない。そうですか。ところでわたしはふくだての民です。
     阿久津母の性格からしてわざわざ息子のために東京にいくことはないと推察されるので、とすればこちらもご地元。
     ヴィンテージチェアに採光のよさそうな全面窓、壁際に並ぶおそらく美術系の雑誌かレコード、センスのよさそうな壁掛けの額、店員さんもどこかクラシカルなスタイル。
     結論からいうと何の心あたりもない。
     京都で学生時代をすごし、京都のカフェや喫茶店をまったく知らんわけでもない我われ、しかしどうにもこのレイアウトに見覚えがない。
     京都のカフェに詳しそうなおともだちにも応援を頼みましたがやはりわからない。自分ではなにもしないがひとさまの手を借りることには何の躊躇もないわたし。みなさまいつもありがとうございます。わたしの半分はみなさまのやさしさでできています。
     みな「ビブリオティックハローが無限にヒットする……ちがうのに……」とうなされはじめる。ビブリオティックハローは素敵なブックカフェ。青エク京都編で坊がお茶飲んでたところですね。ある意味聖地だしなんなら当時青エクのおともだち何人もお連れした懐かしい場所だけどゴメンいまはちょっと違う。
     あとはホテルのラウンジかなとか壁際のレイアウトとテーブルはべつの店なのでは?という意見もありつつどうにもこうにも。
     いちばん近いのはイノダの三条本店かな…となりましたが決定打ではなく。
     そしてじろさんがせっせと聖地探訪のための検索をされ、aoasをご存知ないおともだちにもご助力を願い(そして隙あらばaoasおもしろいよとプレゼンをする何とか商法みたいになっていたのはいまおもいかえしてもちょっとアレだった、すまなかった反省しています悪気はなかったんです最近aoasのプレゼンが生活の一部になっているだけで、おともだちは31巻表紙福田さんとはなちゃんが気になるとのことなのでaoasのみなさん包囲網よろしくお願いします)みなさんがあちらこちらと京都のカフェ等々を調べられているなか、わたしは一攫千金大金星をねらってGoogleマップの京都あたりでざっくりと「阿久津」と入れ、みごと四条に「BAR阿久津」があるという情報をゲットしました。
     いってみたいなBAR阿久津。
     ネットには何の情報もあがっていないBAR阿久津。
     たぶんみなさんうすうすお気づきでしょうが、わたしはだいたいいつも、ともだちみんながちゃんと頑張ってる、なんなら別のクラスのやさしいともだちが助けてくれてる勉強会でひとり紙飛行機つくって飛ばして遊んでる男子小学生みたいなふるまいをしている。
     そして今回はさらに、なんということでしょう、はじめ公開したこの聖地巡礼レポでは自分で検索してじろさんに報告したのにもかかわらずBAR阿久津の存在をさっばり忘れており、じろさんから「BAR阿久津は?」と聞かれてはじめておもいだしたという寸法。
     いつだってうっかりとぼんやりが大渋滞。
     痛恨のミスだとしばらくうなだれていたらじろさんから「実際行ってないし私しか知らないのに」というすこぶるまっとうなフォローをいただき我に返りました。
     ほんまやな。
     行ってへんな。
     行ってない聖地巡礼のネタをとりこぼしてショック受けてるの、たしかにちょっとどうかとはおもいますがつまり要するにそのネタをとりこぼしたことが本編の内容を左右するくらい本編に…益がない…ということでもあるんですけど…という感じの下準備。
     ところでみなさんどうですか、このくだくだしい文章読むのつかれてきてませんか。わたしは正直ちょっとつかれてきてます。
     でも続ける、なぜならまだわたしたち京都に行ってないから……。まだ下準備の段階だから……。
     

     ということであれこれ下準備をしたうえで京都にいきました。
     お天気にも恵まれ、お出かけにはぴったりの日。
     きょうはいい日、まだなにごともない。などと赤毛のアンごっこをしつつ集合場所の京都駅へ。
     そのまえにいせたんよってこー、いまわたしが京都のお菓子で一番推しの亀屋よしながのみつまめを買ってこー、とポルタからいせたんに向かおうとしたらあまりにもひさしぶりすぎてポルタからいせたんにあがるエスカレーターあるとこに辿りつけずにのっけからすごい敗北感を味わいました。
     ポルタからいせたんにあがる道を忘れるくらいポルタいってなかった。
     京都に土地勘のあるかたには伝わるでしょうか、このふがいなさ。びっくりした。聖地レポに何の関係もないのに特筆するべき衝撃よ。
     あとわたしがいま京都でおすすめのお菓子は菓子屋乃なさんの「アントニオとララ」です。これはこの文章でいちばんというかたぶん唯一有益な情報です。「みつまめ」及び「あんみつ」と「アントニオとララ」、ぜひ覚えて帰ってください。おいしいよ。
     で、まあとりあえず伊勢丹で買い物をし駅改札でじろさんと合流。
     ヤアヤアおひさしぶりと挨拶をかわしつつ、ではまず京都駅のミッション「阿久津くんと加瀬さんが京都に向かう新幹線のなかで食べたお弁当」を買いにいきましょうということで京都駅新幹線ホームに。
     その名も「東海道新幹線弁当」。東海道新幹線の構内に売っているとのこと。在来線の売店にはありませんでしたのでお気をつけて。
     お弁当買うためにわざわざ入場券買って新幹線構内にはいるわれわれ。ちなみにふたりとも入場券を買うのが初めてだったので「入場券って券売機で買うの?」「何時間いられるの?」とすべてが不安だらけでした。
     結果から言うと入場券は券売機で買えるし2時間有効でした。aoasのおかけでまたひとつ学びを得ました。ありがとう。賢くなった。
     そもそもふだんから新幹線乗るといったらだいたい京都駅からなので、そして新幹線の駅売店もわりと馴染みがあるので、そこにaoas聖フード(ていうんか)があるのすごいな、こんどから新幹線乗るときこのお弁当買うわーと身近な聖地(じゃないけど)の喜びににこにこする我々。
     じゃあつぎはまず東福寺の第一日赤にいこうということで京都駅からJR奈良線で東福寺へ。
     ところで入場券で電車乗って降りる駅で乗り越し精算もできるんですね。これも学び。
     そうして電車に揺られることひと駅、JR東福寺下車わりとすぐのところにある第一日赤の前に立つ我々。
     第一日赤といえば森見登美彦の京都もの(どれだったか忘れた)で京阪電車の車窓から見る日赤が要塞のようと描写された程度に角度によってはいかつい外観。ただ広いので角度によっては漫画の描写のようなところもあるかもと、とりあえずぐるっと周囲を。
     その日は休診だったようで、従業員の方々が出てくるところに出くわしては、すんませんな……というきもちになりつつ外周をまわる。
     ところで第一日赤のまわりは最寄駅の名から察せられるとおり名だたる寺社仏閣ばかり。
     東福寺はもとより泉涌寺やおなまえをあげればきりがないくらいの、さらにはちょっといったら伏見稲荷、とうらぶとあじさいで有名な藤森神社、とにかく名所旧跡がいっぱい。
     そのなかひたすら第一日赤の外周を辿る我々。
     第一日赤、個人的にはむかしの職場の田中さん(仮)が整形外科で人工股関節いれたとこ、くらいの身近さ。もはやただの田中さん時間差見舞いコースでしかない。田中さんいま元気なのでべつに見舞いはいらない。
     結果として「阿久津母の入院していた病院はたぶんここではない」という学びを得ました。
     とりあえず昼になったしごはん食べよか、お弁当買ったし晴れてるしまさに「ピクニックに行かねーか?」(青井アシトくんの名言)だよ我々のいまやることはピクニックだよそのための弁当だよと公園をさがすことしばし。ところで原作の、あの唐突な「ピクニックに行かねーか?」と同期のみなさんのまあまあなスルーぶりはなんだったんでしょうか。楽しいといえばピクニックというイメージがあるアシトくん、なにそれのりこさんの教育方針? みんなでよくピクニックいったの? かわいくない?
     とかそれはそれで気になるんですけどそれはおいといて。
     さて、ご記憶でしょうか、先にこのあたりの地形についてご説明しましたことを。
     名所旧跡寺社仏閣のひしめく地、つまり広々とした場所はやまほどあるが飲食に適したところはない。
     泉涌寺でピクニックなんてYESおおうちくらのすけ超え! を狙うガッツはもちろんなく、「なんか……いい感じの住宅地の児童公園とか……?」とあたりをさすらうわたしたち。よその住宅地の児童公園で妙齢の女ふたりがピクニックしてるのもまあまあアレでなくもないが東福寺! 泉涌寺! 悲田院! 及びいずれもわりとポピュラーに日本史の教科書に登場するお歴々オールスターズ! の整然とした敷地内でピクニックするかあるいはという選択肢になったらそれはどう考えてもそのへんの児童公園に軍配があがる。
     ということで街中の地図やGoogleマップを頼りにぶらぶらと歩くことしばし。
     行く手に川が見えてきた瞬間、じろさんが言いました。
    「賀茂川や、賀茂川で食べよう」
     なぜ京都で学生時代を過ごした人間は賀茂川ではなにをしてもいいとおもっているのか
     賀茂川はすべてを受け入れてくれるからな…ということで我らが偉大なる母の川、賀茂川でピクニックをしてきました。ちなみにどこからどこまでが賀茂川でどこからどこまでが鴨川なのかよくわからないまま生きているのでこのへんやったらまだ賀茂川やろとかと勝手にきめこんで書いてますがが違ったらごめんなさい。
     さわやかに晴れた昼下がり、賀茂川のほとりでお弁当を食べながらaoasの大先輩であるところのじろさんに界隈の趨勢について伺いました。
     まだまだ初心者のわたくし、初見の感想が「ふくだては60人くらいすきなひとがいて300件くらいは確実にぴくしぶにあると思っていた」だったと言ったところじろさんから「たぶんaoas全体でも60人も書いてるひとおらんよ」のお答えをいただきました。
     あんなに……各種多様な若者が切磋琢磨するイケメン漫画なのに……? 笛とかテニプリとかHQとかと一緒でしょ……? と言ったら「それはそう、なぜかわからない」というお返しをいたたきましたがそもそもはまってるひとたちが会議したところで答えが出る話ではなかった。知ってた。「みんな読んでおもしろいって言うんだけどもえにまではいたらないんだよねー」というじろさんの悲痛なため息、まだファン歴半年ながらわかる……てなりながら聞いてた。
     aoas界隈、ほんとひとり1カプ、一村一品運動って感じですもんね……みんな違ってみんないい……オタク歴まあまあ長いけどわりとはじめての感覚……最大手っぽいあくあしもじろさんいわくアニメ化まえはわりとソロだったということで謎は深まるばかり。
     あと笛!の話が出たところでついでにまえからうっすら思っていたことを懺悔しますと笛!当時じろさんは郭将、わたしは渋ツバでした。じろさんはいまあくあし、わたしはいまほたつき。主人公に最初つっかかる系ツンデレ×主人公、まじめなしっかり者でちょっと苦労性×お顔がかわいい小理屈ボーイ。性癖が変わらないな……てたまにおもいかえす。ちなみにこんなこと考えてるのはじろさんには言ってない。言ってないままワールドワイドウェブにひとの性癖を流す暴虐。じろさんにはくれぐれもご内密に願います。ちなみにわたしはHQではうかたけと牛縁です。
     じろさんからもともと連載長期にもかかわらずaoas界隈はこじんまりしており、おそらく人口増加が見込まれるアニメのまえに界隈のひとびとが集まりあらかじめpixiv用のタグを制定したという話などお伺いし、それはもうほんとにマンションの自治会レベルの危機管理だな……?と思いました。ほんといったいどういうジャンルなのか、半年経ってもいまだにわからない。
     なぜかお話しているあいだじろさんのまわりにずっともんしろちょうが飛んでいるというとってもメルヘンなピクニックもひと段落、さてではつぎに第二日赤に行こかとグレートリバーに別れを告げ、京阪電車東福寺駅へと向かいます。
     途中車がびゅんびゅん通る道をわたらなければならなくなり、どうする……?と道端に立ちつくすことしばし。
     うしろから地元の方らしきマダムがおひとりやってきたのできっと最適ルートをご存知に違いない、と待っていたら
    「ここ渡れるの? あなたたちがいるから大丈夫かとおもって」
     マダム、地元の方ではなかったし元気いっぱいでまあまあぐいぐい来られるしこれはまさかの急展開!? 阿久津母子の足跡を辿るツアーに3人めの仲間が! てなったらここまで読まれてきたかたみんなびっくりされるかと思いますがまあいちばんびっくりしてたのはもちろん我々です。このニッチなオタクツアーにいきなりゆきずりのひと増えるとかある? 
     結局なんとか道を渡って駅に着くまで歩道をじろさん、わたし、マダムの順に一列になって世間話してた。これ「ところでaoasってご存じですかね…?」て聞く流れ? て3回くらい考えた。聞いてたら三人寄れば文殊の知恵ですべての聖地への道が我らのまえに開けてたかもしれなかった。東福寺の塔頭には文殊菩薩がご本尊のところもあるらしいのでもしかするとマダムは御使だったかもしれない。そうかもしれない。とかなんとか話をふった手前オチをつけられずにいますが気がついたらマダムはうしろからいなくなってました。たぶん知らんあいだに電車乗ってた。さよなら、阿久津母子の足跡を辿るツアー幻の3人目の同行者……やっぱりaoasでお好きなカプくらい聞けばよかったね……聞いて答え返ってきたらびっくりするけどね……
     ということで京阪電車東福寺駅から神宮丸太町駅まで。
     丸太町駅を下りてひたすらまっすぐ歩いて20分くらいで第二日赤に到着します。ちなみにこの道中の半分以上、右手にわりと延々と京都御所が続いています。みんな知ってる? 蛤御門。護王神社。応仁の乱がはじまった地。
     歴史的に名高い場所すべてを総スルーして我々が辿りついたところこそ第二赤十字病院。
     そしてふたたび外周をまわるわたしたち。
     近くに学校があるせいか気づいたらうしろに中学生男子らしい子が歩いていて不埒な話はできぬと無言になるわたしたち。しょうじきなところそこそこ不審。
     そして角度を変え見方を変えわたしたちが辿りついた答えは
    「むしろ隣のよくわからん建物のほうが外観近くない?」
     お察しかと存じますが第一も第二も漫画の背景とはどうも違うし我々はなんかもうなんでもいいからぴたりとはまる建物があればそれでよくなっていた。
     じろさんは「きっと愛媛にあるんちゃうかな……愛媛の病院よ……」とひっそりとつぶやかれていました。愛媛聖地ツアーでじゃかじゃか聖地にいきあたった経験があるひとなだけあって愛媛への信頼がすごい。わたしも首脳陣がごはん食べてた居酒屋にいきたい。将棋さっぱりわからんけどもったいぶって飛車角落ちとか言いたい。
     そして最大のメッカたる病院の特定にやぶれた我々は、福田さんと阿久津母が会った喫茶店を探すべく三条イノダコーヒーに向かうことに。
     みんなだいすき碁盤の目、第二日赤から三条イノダはまっすぐ下って左いったらすぐでした。簡単だね。徒歩20分くらいかかるけどね。
     三条はオシャレ通りなのであちこちひやかしつつイノダへ。 
     さて、京都はじつはパンとコーヒーの街なので、有名喫茶店やカフェがたんとあります。
     なかでもイノダコーヒーは超有名店。そして三条店と本店といえばイノダ系列のなかでもとりわけメディアにとりあげられるスーパー大人気店舗。
     わかってた。
     わかってたね、土日のイノダが超激混みだって。
     たくさんのひとびとがずらりとお待ちになっているところを目にした我々、はっきりとはためにわかるくらいたたらを踏み躊躇する。
     並ぶの……? この列に……? 店内風景が会談現場とニアリーなだけでたぶん違うことが薄々と察せられるイノダに……?
     結果から言うと並びませんでした。
     京都で学生時代を過ごした人間あるある、土日の京都に過剰にびびる。
     それからじろさんが事前に調べてちょっと店内が似てる気がするというホテルのカフェバーをのぞいたり、道すがら文化博物館や紙屋さんや紅茶屋さんでお買いものをしたり、さすが三条小洒落てるわねーと心の栄養をたくわえつつオシャレが集まる複合施設、新風館へ。
     ひさびさにいったらさらにオシャレ度があがっていてびっくりした。
     そしてなんだかすてきなブックカフェに入り「京都の本棚があるカフェ」にいくという概念を達成しました。
     オシャレなカフェでひたすらaoasの話をする我々。
     晴れ渡る青空の下あちこちと歩きまわりたぶんこのころすでに余裕で一万歩を超えていた、のでまあつまりわりとぐったりしていた。
     のでだらだらしつつ、そろそろ夜ごはん予約したとこに向かおうかーと立ちあがる。ついでにお店の近くにある紙屋さんものぞこかということでではいくかと五条へ。
     道程を整理しますと京都駅から電車でJR東福寺、賀茂川でピクニックして京阪電車で東福寺から神宮丸太町、第二日赤から徒歩で三条を経由し最終目的地が五条の居酒屋。もちろん直線距離ではなくあちこち寄り道し放題。
     京都で学生時代を過ごした人間あるある、バスにはのらない。かなうかぎり徒歩で済ませようとするしそしてまたそんな人々に碁盤の目は頼もしい味方となる。迷ったときは京都タワーを探せばいま自分がどこにいるかわかる。京都タワーは我らのみちしるべ。
     ということで五条にあるお店へ。
     ちなみにこちらのお店を探してくれたのもじろさんです。わたしですか、わたしはぐるなびで予約ボタンを押しました。
     こちらのごはんすごい美味しかったのでまたいきたい。京都くるひと教えてね、一緒にいこ……じろさんまた一緒いこ……
     まあそれはさておき。
     お店のはからいでゆったりめの半個室に通していただき、おいしいごはんに舌鼓を打ちつつではさてと満を持してaoasトークを。
     いままでピクニックしながら歩きながらお茶しながらさんざんしていたはずなのにまだ尽きぬ、すごいですねaoasの力って。
     新参者で界隈のことがさっぱりわからないわたくし、じろ先輩のお話を謹聴の構え。
    「アニメ化まえのaoas界隈はひともいまよりすくなく、それぞれがそれぞれに自カプをあたため、ときどき互いのカプを送りあうなど物々交換をして生活していた。界隈にはあくあしやふくだてや朝友などがいた」
     前置きが『学習漫画日本の歴史』「縄文から弥生へ〜ひとびとの暮らし〜」のモノローグみたいになってるのは気のせいでしょうか
    「あまりひとのいない界隈だけに仲も良く、みんなの力を集めて佐竹×伊達アンソロ、闇鍋アンソロ、ファン感謝祭アンソロのみっつのアンソロができた。ちなみにファン感謝祭アンソロの参加者はみな実際のファン感がどんなものか知らないので想像でかいていた」

     なんて?

     さっきの『学習漫画日本の歴史』にあがってたムラの特産物にさただてなかったでしょととまどうわたしvs.aoasでいちばんアンソロになるカプってさただてですよねというわかりみをひしひしと感じるわたし
     いろいろと界隈のお話をうかがい、わかるようでやはりわからんな……なんて深いaoas界隈……という思いを深くしていたところ、さてでは愛媛聖地ツアーをしたときのお話をということでじろさんがおもむろにカバンのなかから一冊の冊子を出してきました。
    「これは愛媛で聖地巡礼をしたときの写真と原作の場面を比較して場所ごとにまとめたものなんやけど」

     なんて?
     
     おそらくエスペリオン女関係呪殺ノートを出されたときの冨樫もかくやという顔をしているわたしの前に、たいへん見やすい自作のガイドブック(カラー・10頁超)を出してくるじろさん。
     見開きごとに公園、駅前、焼肉屋などの見出しがついており、実際の写真をふんだんに使い、原作ページ数も明記されている。公園にいたっては見取り図まで記載されている。
     ともだちとの呑気なダラダラオタクトークにいきなりガチで見やすくわかりやすいプレゼン資料出てきたことある? わたしはある。 
     これ仕事ができるとかフッ軽とかいう次元越えてきたな……? とイマジナリー冨樫を背後に召喚しているわたしの前にさらにスマホに保存された写真などを駆使してハキハキと説明してくれるじろさん。
     愛媛いったことないのに愛媛いったような気持ちになった。
     すごかったのでぜひみなさん機会があればじろさんの聖地巡礼レポを聞いてください。
     すごかった。
     口頭諮問のすごさはもちろんのこと、じろさんのツイッターなどでもレポが読めるのですごさを実感してください。
     首脳陣のごはん食べてた居酒屋にはぜひ行きたい。もちろん行き方とかいろいろ教えていただきました。助かる。
     あとはわたしが月島コーチのキャリアについて語ったりとか(ジュニア・ユースときてトップにはあがらずたぶん私大進学しおそらく卒業後J1の選手になったのに数年、たぶん2年くらいで引退してたぶん切れ目なくエスペコーチになってるのってなに? ライセンスいつとったの? 引退するほどのことがあったのにサッカーやってるし屈託なくにこにこしてるしでも常識的に考えてジュニアからサッカーやってる生え抜きがJ1の選手になって2年がとこで辞めるのってどういうことなの? という謎が謎すぎてつきしまコーチから離れられない。あとお顔がかわいい。ボールひとつ増やしまーすのコマと黒田くんお怪我回のコマ何回見てもびっくりするくらいお顔がかわいい。なぜそのポテンシャルが一介のユースコーチに与えられているのか謎で仕方ない)サッカー観戦でフィールドにいる22人中20人に興味ないくらいGKが好きだという話をしていた(ら、友達から半年ぶりくらいにいきなり実在の推しGKの画像送られてきて監視カメラついてる? なんならわたしトゥルーマン・ショーの主人公かなんか? サトラレ?と思ってびびった)。
     などなど、ひたすらaoasトークに花を咲かせつつ、美味しいご飯をもぐもぐ食べつつ、時間はあっというまに過ぎてゆきました。
     そうしてお店を出て、五条から京都駅へと歩いて帰ることに。
     そう、我々はまた京都の街を歩き続けたのでした。
     おさらいしますと、京都駅から電車でJR東福寺、賀茂川でピクニックして京阪電車で東福寺から神宮丸太町、第二日赤から徒歩で三条を経由し最終目的地が五条の居酒屋。もちろん直線距離ではなくあちこち寄り道し放題、の締めが五条から京都駅。そこで解散。
     帰ってから確認したところ歩数計は28,620歩を記録していました。
     すごいな。
     そしてここまでお読みくださった方々の多くがお気づきでしょうが、今回の阿久津母子の足跡を辿るツアーで特定できたのは最初の東海道新幹線弁当だけ。
     すごいね。これ阿久津母子の足跡っていうか加瀬さんが食べてたごはんだね。
     まあとにもかくにも、ほんと学生時代そのまんまにともだちとぶらぶら歩いてオタク話して、お茶してごはんしてとっても楽しかったです。ピクニックもできたし。
     じろさんとaoasのおかげで素敵な1日を過ごすことができました。ありがとうございます。
     そしてこんなやたらめったら長いわりにまったく有益性のない(みつまめをよろしくお願いします)文章をご覧くださった皆様には感謝申し上げます。
     もし京都のどこそこに阿久津さんちに関係ありそうなとこあったよーという情報などありましたらどうぞご教示くださいな。ぜひうかがいます。
     ということで今回はこれにてお開き。
     ありがとうございました!
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