「突然だが良守、一生のお願いがあるんだが」
「嫌だ!!!」
「まだ何も言ってないのに否定するな」
「どうせろくでもねえだろ…」
「そう睨まないで欲しい。兄さんの一生のお願いだぞ?きいてもバチは当たらんだろ」
「えーききたくねえ…じゃあヒントは?」
「ヒント???クイズにするなら一思いに今言うから聞け」
「待って」
「待たない」
「めんどくせえ案件ですか」
「いや案件ではないけど」
「それは部下にもお願いできること?」
「できない、良守にしか頼まない」
「結界師であることは関係ある?」
「関係な…だからクイズはしないって」
「クソ!そんだけじゃわかんねえー!」
「もう一思いに言うから聞けって、これそんな引き伸ばすような事じゃないんだからさ」
「馬鹿か時間稼いでんだよ、逃げるための」
「逃がすか。結」
「チッ!」
「はい、捕まえた」
「出せゴラァ」
「逃げたかったら自力で出な?」
「むかつく〜!ぜってぇ言うことなんかきいてやらねーもんね!」
「可愛…」
「あ?皮?なに?」
「いや…なあ、たのむ。この文字をゆっくり読んでくれないか」
「?熱中症」
「もっとゆっくり」
「ねっちゅうしよー」
「もっと、間隔をあけて」
「ねっ、ちゅーしょう!」
「もっと、もっと誘うように」
「ねっ、ちゅー、しよう?」
「あぁー可愛い…ありがとう」
「えっ。なにそれ」
「うん。必死な感じがよかった。兄ちゃん大満足、助かったぞ」
「…ちゅーしねえのかよ」
「えっ、」
「こんなの、結界越しにキスか結界を解いて猛烈にキスするかの二択じゃねえの?なに満足してんだよバカか」
「えっ…じゃあ、猛烈にさせてください」
「嫌です」
「どういうこと、えっ…なに?」
「がははは」
「笑ってんな…」
「兄貴が俺の顔色なんて伺ってんじゃねえ」
「あー、あー?」
「俺、どうせ逃げらんねえし?」
「は?奪ってどうぞってこと?むちゃくちゃに押し倒してキスして犯していいってこと?」
「そこまでは言ってない、けど…ふん!」
「わー、なに。なんだ、この可愛い生き物…」
「すんの。しないの。はやくして」
「どうしようかなー」
「どうしようかな、じゃねえ!」
「俺、もしかして今最高にダサい顔してる?」
「えっろい顔してる」
「ねえ。ちゅーしよ?」
「嫌だ!!!」
「もういいって」
「わぷ!!」