ささいなことで喧嘩(日常のちょっとしたことを正に注意されたとか)
「兄貴はなんでいつも俺の言うことは聞いてくれないんだよ」
「お前ができていないからだろ」
「そうだとしても・・・」
そこから大喧嘩
「お前なんてもう知らねぇ。さっさと帰れよ」
そして、そのまま口も聞かずに、夜行に帰る正。
「良守、大変だ!正守が事故にあったって」
数日後、家に帰るなり、父に言われてびっくりする良。
子供を守ろうととっさに動いた正。ケガは大したことないが一時的に記憶がなくなったらしい。
しばらくは実家で過ごすことになった正。
記憶がなくなったことで、正に思い出さそうといろいろと話をしたりアルバムを見せたり。
でも、実は正の記憶がなくなっていたのは一時的なだけで、実家に帰ってしばらくしたら実は戻っていた。
それでも、いつも素直に良の言うことを聞いてやれなかったらと戻っていないフリをして接する正。
これまでとは違う正に戸惑う良だったが、いつも自分の話を聞いてくれない正が話を聞いてくれる。
嬉しくなっていつもは言わないお願いとかしても、正はニコニコしながら聞いてくれる。仲のいい兄弟として過ごす毎日。
でも、良はだんだんとそんな正と接するのが辛くなってくる。なんだかんだ言っても、いつもの小言を言う正がいい。仲のいい兄弟にはなれたけど、それ以上に恋人であった記憶もなくしてしまったことが辛い。それでも、記憶を失った(と見せかけている)正にはそんなことは言えず・・・。
しばらくしてケガも治り動けるようになったので夜行にそろそろ戻ることになる正。
良はさみしくなり、正にお願いをする。
「いつも色々いうこと聞いてくれたけど、最後のお願い。無理なのはわかってるけど、元の兄貴に戻ってほしい」
「でも、前の俺は言うこと全然聞いてくれなかったんでしょ?そんなんでいいの?」
「聞いてくれなくても、喧嘩してでも、本当は前の兄貴のほうがよかった」
「そうなのか」
少し寂しそうにする正に、兄貴は悪くないのに俺のわがままのせいで困らせてしまったとしょぼんとする良。
「じゃあ、俺にキスしてよ。よく王子様がキスすると目覚めるとかあるじゃん?そしたら記憶戻るかもしれないし」
記憶を失ってからは、恋人としてのふるまいはしてこなかった良だけにびっくりする。
「え?」
「あぁ、冗談だよ。ごめん」
笑いながらごまかす正。それでも、記憶を失っていると信じている良は、正にキスをする。本当にするとは思っていなかった正だけど、普段良からはなかなか言ってもしてくれないので心の中でにんまり。
でもずっと我慢していただけに、唇が離れそうになった瞬間、正は逆に良を捕まえて深く長いキスをする。
今度は驚く良。唇を離れると息も絶え絶えになっている。
「な、な、なにしやがる!?」
「あ、記憶戻ったかも」
「ほんと?」
キスをされたことも忘れて記憶が戻ったことを喜ぶ良。単純な良にほくそ笑む正。
そのあとR-18的展開に・・・
翌朝、これまでのことを正直に話したら、良からめちゃくちゃ怒られてしばらく口を聞いてくれなくなる正良。