「ただいま〜」
「!!あにき、おかえり」とたとた走ってくる
「(双葉の髪がぴょんぴょんしてる…お腹すいてるのかな)ただいま。今日は土産があるぞ」
「新しい金平糖か!?」
「わー、目を輝かせてくれてるところ申し訳ないがコレな」
「なんだせんべいか」
(あからさまにガッカリしちゃった)
「んしょ!」袋ベリベリ
(でも食べるんだ…食いしん坊め)
「もぐもぐ。うん!しょっぱいやつもたまには良いよな!」
「(凄い勢いで食べてる…)うまいか?」
「うんめえ!」
「そうか、よかった。じゃあゆっくり食べろよ。俺はそろそろ仕事に…」
「え!!!!」
「え?」
「あにき、もう行っちゃうのか…」
「…もしかして寂しいの?」
「ばっ!ちげえし!」
「ふーん?あっそう。じゃあ俺、夜にはまた戻って来るからそれまでお留守番よろしく」
「………」
「なに?」
「……てけ」
「ん?」
「俺も連れてけ!!!」
「どうして?寂しくないんだろ?」
「〜!寂しかねえけど…ッつまんねえの!この大きさじゃ出来ること殆どねえし、寝て食ってばっかじゃつまんねえ!!!」(地団駄を踏む)
「(可愛い駄々っ子だ)よし、わかった。おいで」
「?兄貴の手に乗ったらいいのか」
「よいしょっと。はい、じゃあ一緒に夜行戻りますか」
「え、でも…俺邪魔じゃない?」
「いいよ別に。あと残ってる仕事、書類だけだから。良守も手伝ってよ」
「いいのか?」
「判子押すくらいならできるだろ?」
「うん!!!」
「よし。じゃあ行こうか。大量にあるから手伝ってくれると助かる」
「まかせとけ!」
夜行 執務室
「んしょ。おいしょ!」
(ちいちゃい体で一生懸命判子を押す良守…可愛いな)
「頭領。手が止まっています、このペースだと夕餉までに終わりませんよ」
「ん、はいはい。次はこれかぁ…」
「おーい!あにき!紙無くなったぞ!はやく新しいの寄越せ!」
「ちょっと待ってろ。すぐサインするから…はい、どうぞ」
「うんっしょ!」
(あーーー、可愛い。ずっとこの仕事だけして生きていきたい人生しんどい)
刃(小声)「…頭領。良守くんが可愛いのは分かりますが、日頃溜め込んできた書類をこのペースでこなしていたら何日あっても間に合いませんよ」
正(小声)「大丈夫、わかってる。このままいったらあと10部くらいで良守つかれて寝ちゃうと思うからさ、それまでやらせてあげてよ。良守が寝たら俺がちゃんとフォローしますから」
刃(小声)「わかりました。そうですね、頭領ならこの量なんてことないでしょうし」
正「買いかぶりすぎ。刃鳥が居なきゃ俺はダメだよ」
刃「なにをご冗談を。頭領の器量と記憶力の良さがあれば一人でも全く問題ないでしょう?」
正(小声)「あれ、もしかして怒ってる?繁忙期に良守連れてきたから怒ってる?」
刃「怒ってません。新しいお茶いれてきます」
良「?刃鳥さん、大丈夫かな…怒ってるのか」
正「そんな顔するな。大丈夫、良守に怒ってるわけじゃないよ」
良「兄貴がまた余計なこと言ったのか」
正「睨むなって。お前はどっちの味方なのさ」
良「ふん。判子飽きた!俺もう寝る…兄貴前にシルバニ○ファミリーの家買ってたよなぁ」
正「うん、ここにあるぞ。入るか?」
良「ん。ベッド借りるわ…ふぁああ」
正「おやすみ」
パシャシャシャパシャパシャ(スマホ連写)
良(ま、眩しくて寝れねぇ…邪魔しちゃ悪いと思ったのにコイツいつまで写真撮ってんだ)
正(布団にくるまってて可愛い…壁向いてないでこっちに寝返り打たないかな)
刃「頭領。いつまでそうしているつもりですか」
正「あれ刃鳥いつの間に戻って…」
刃「いつ?頭領がニヤケ面で女児玩具ハウスを連写し息を荒らげていたあたりでしょうか」
正「え、俺そんなふうに見えてた?違うから、良守を撮ってただけだから」
刃「さしたる差はございません。いいから早く仕事を片付けてしまいましょう。先程より5倍速で手を動かしてくださいね」
正「はい。すみません。真面目にやります」
刃「良守くんのためにも、頑張ってください」
正「うぐ…それを言われると頑張るしかないな。あ、そっちの書類も渡してくれる?俺やっとくから」
刃「結構です。頭領はそちらを優先してください」
正「はい、すみません。黙ってやります…」
良(兄貴怒られてる…?プクク)
刃(…良守くん、私が用意したドールハウス使ってくれたのね。よかった。あとで頭領から良守くんの写真譲ってもらおうかしら。可愛い…)
END