今まで通りで。夕飯を食べ終えた春馬と叶汰は、窓の外を歩く異様な姿をした人々を横目に、この世界のことを理解する為に情報を整理していた。叶汰は学校で見つけた記録帳の内容を読み、この世界には奇妙な病気が何十年も前から流行し始めたが、治療法が1つも見つかっていないということを知った。春馬はSNSでニュースをただ眺めていた。
「〜!疲れた!もう調べない読まない何もしない帰りたい眠い寝たい!!!」
集中力が切れた春馬が子供のように早口で駄々をこねる。だが叶汰はそれを無視をして記録帳を読み続ける。
「叶汰ぁ、もう帰ろうよ!歴史の勉強してる気分でヤダ!」(※春馬は社会科(特に歴史系)が苦手)
「お前が調べたいって言ったんだろ。」
記録帳を見ていた顔を上げると、返事をしてくれたことに喜んでいる春馬がニコニコと笑っている。それを見て溜息をつき、叶汰はさっきまで読んでいた記録帳を春馬に手渡す。
「じゃ、交代しよ。ややこしそうなのは俺が調べるからお前は読むだけでいいよ。」
「ちがう!俺は帰りたいの!」
「お前なぁ!?」
ちょっとした口喧嘩をしていると、横を偶然通った女の子が声を掛けてきた。
「春馬さん、また叶汰さんにワガママ言ってるんですか?」
声がした方を見ると、そこには眼鏡をかけた白いうさぎのような可愛らしい少女が立っていた。
「え?誰?」
春馬がアホ面で問うと、うさぎの少女の後ろに隠れていたエルフのような幼い女の子が緑色の瞳に涙を含ませながら出てきた。
「はるまくん、むーあお姉ちゃんのこと忘れちゃった…?アタシの事もわからない…?」
「泣かなくて大丈夫ですよフィナ、どうせまた春馬さんのつまらない冗談です。」
“フィナ”と呼ばれた女の子を撫でながら、うさぎの少女“ムーア”はこちらを向きながら春馬を睨みつけた(気がした)。
「えーと…ところで何か用ですか…?」
人見知り発動して黙り込んでいた叶汰が口をやっと開いた。
「あぁそうでした。ちょうどいい所であなた達を見つけたんですよね。」
喋りながらムーアは春馬と叶汰が使っていたテーブルの上の物を片付け始める。まだ使うんだけどなぁと思いつつ、ムーアの手により綺麗にまとめられた私物を受け取る。
「院長から呼び出しです。せっかく会ったんですから一緒に行きましょう。」
脳の整理が追いついていない2人を他所に、ムーアたちは店から出ていってしまった。“ムーア”と“フィナ”は誰なのかも、今どういう状況なのかも、何も分からないままとりあえずついて行こうと後を追う。
店を出てからムーア達と歩いていると、学校で会った拓海とシュアンと合流した。この2人も呼び出されていたようだ。
「なんで自由行動の時間に呼び出すんだあのクソカラス…どーせ、うさぎがなんかやらかしたんだろ。」
イライラした様子の拓海が何故かムーアに喧嘩を売る。
「は?なんでわたしになんの?大体いつもやらかしてるのアンタでしょ?人のせいにしか出来ないとか頭悪くて可哀想…w」
「んだとテメェ噛み殺してやるわ。」
「やれるもんならやってみろ脳筋狼!」
しばらく2人が怒鳴り合い煽り合っているのを聞かされながら歩き続けていると、目的地らしき施設に到着した。
「…たくみ…喧嘩やめる……。」
シュアンがムーアと拓海の喧嘩を止め、拓海の手を引っ張りながら早足で歩く。それに続いて春馬たちも進む。
「……今更だけどついてきて大丈夫だったのかな…。」
叶汰が小声で呟いたが、春馬は返事をしない。2人とも緊張した様子のまま施設に入り、自分たちを呼び出した人の待つ部屋の扉をノックした。
「おかえり!入って入って〜」
扉の向こうから男性の声が聞こえたのを確認し、シュアンが扉をあけるとそこにはペストマスクを付けたスーツ姿の男性と、水色と緑の髪をした眠そうな少女が居た。
「せっかくの自由時間にすまないね〜」
ペストマスクの男性が謝りながら人数分の飲み物とお菓子を用意してくれた。座るように言われ全員席に着くと、早速ペストマスクの男性が喋り始めようとしたとき、叶汰が遮って突然口を開く。
「ごめんなさい、僕たちやっぱり帰らないと…!」
春馬をひっぱり、部屋から出ようと扉に向かう叶汰に向かって、眠そうにしていた少女が問いかける。
「どこに帰っちゃうの〜?元のおうち〜?」
それに続いてムーアも不思議そうに言葉を続ける。
「そうですよ、みんなこの施設に一緒に住んでるじゃないですか。あ、さっきの店に忘れ物ですか?」
“一緒に住んでる”と聞いて困惑していると、ペストマスクの男性が話を切り出した。
「今日は今の叶汰君と春馬君について話そうと思って皆のことを集めたんだ。」
彼がそう言うと、その場の全員が静まる。静かになったのを確認すると、落ち着いた様子で話を続ける。
「簡単に言うと、ボク達がいちばん知ってる“元の2人”が帰ってきたんだ。ただ…この世界にいた時の記憶が無いっぽい。…で、春馬君と叶汰君にも分かるように説明するとね、君たちは元々この世界に居てボク達と一緒に仕事をしたんけど、その時にちょっとだいぶトラブって別の世界に行っちゃって…うーん難しいけどなんか記憶失くしたけどおかえりってこと!」(※は?)
ざっくりとした説明だったが理解ができた様子の春馬が目を輝かせながら椅子から立ち上がった。
「じゃあ俺2回も異世界行き来したってこと!?すげー!!俺すげー!ねぇ叶汰!俺すげー!」
先程まで一言も発さなかったのに異世界を行き来してた事実が嬉しさで元気を取り戻し、いつもの春馬に戻った。
「こら春馬うるさいぞ。」
元気になった春馬を見て安心した様子の叶汰がクスッと笑う。その様子を見て安心したペストの男性が先程より元気に喋り始めた。
「フフ、理解が早くて助かるよ〜!てことで!改めてみんな自己紹介しっか!あ!ボクはリム。表では孤児院の院長、裏…?というより本業?はなんかの指揮官してるぞ、よろしくねぇ!はい次誰か自己紹介〜♪」(※なんかとは?)
元気よくキラキラと目を輝かせながらエルフの女の子が立ち上がる。
「はい!アタシの名前はエリフィナ・エイブリー!フィナって呼んでね!いつからこの施設にいるかはわかんないけど、ずーっといるよ!はるまくんとかなたくん!仲良くしよーね!はいっ次むーあお姉ちゃん!」
指名されて慌ててる様子のムーアが席を立って自己紹介を始める。
「えぇっと、ムーア・ロペスです。薬剤の研究をしてます。治療とかもある程度なら出来るので怪我した時は言ってください。…はい狼。」
舌打ちをしながら拓海は座ったままだるそうにしている。
「オレの事わかってたから言わなくてよくね?…はぁ、巫 拓海。特に言うことはない。で、前に紹介したけどこいつはシュアン。やれば出来るすげー奴。」
配られていたお菓子を頬張りながらシュアンが頷く。少し間を開けて拓海がぼーっとしている眠そうな少女を起こし、自己紹介くらい自分でしろ、と促す。
「りこの番だったかぁ〜えへへぇ〜、あのねぇ〜りこちゃんだよ〜。え〜っとね、私は〜…えっとね〜白雪りこちゃんなんだよね〜。こんなぼくとも仲良くしようね〜。」
一人称がごちゃごちゃしながらも名前しか教えてくれなかったが、これで自己紹介を終え解散することになり、各自自分たちの部屋に帰ることになった。
「リムさん?だっけ?俺と叶汰って部屋どこっすか?」
自分の部屋がどこかわからないということに春馬は気づいた。リムがニコニコしながら(顔見えないけど)施設内のマップを渡してくれた。
「この建物複雑だから覚えるまではちゃんとそれ持っとくんだぞ〜?」
リムはそう言い残し上着を脱ぎながら去っていった。
マップに記された部屋に向かおうと春馬は叶汰に声をかけようとするが、叶汰の様子がおかしい。
「叶汰、なんかあった?」
下を向いた顔を覗くと叶汰はすぐに顔を隠した。
「いや…そういえば母さんからメール来てただろ?だから帰った方がいいか確認する為にメッセージ送ろうと思って開いたんだけど…母さんとの会話履歴が一切ないんだ。」
夕飯を食べに行く前に、叶汰の携帯には確かに母親から夕食はどこで食べるかの確認のメールが来ていたはずだった。
「一応母さんに電話してみる。俺もマップ貰ったし春馬先に帰りな、おやすみ。」
「おっけー!また明日な!」
時刻は22時を過ぎていた。春馬も叶汰も、色々な事が起こりすぎて体も心も疲れていたのですぐに眠れるだろう。
広く複雑な施設の中を1人で歩き回り、迷子になりかけながら春馬は部屋になんとかたどりついた。やっと休めると思いながら扉を開けると、
「いや!?!?!?!」
「うわ!?!?!?!」
部屋を間違えたようで、ムーアの部屋に来てしまった。しかも着替え中だった。
「いつまで開けてるんですか閉めてください馬鹿!」
「ごめんなさいごめんなさい!」
謝りながら慌てて扉を閉めて、落ち着いてもう一度マップをよく確認するとムーアの隣の部屋だったようだ。
「次からは気をつけます!!!」
扉の前からそう宣言し、今度こそ自室である場に行った。
自室には、元の世界で一人暮らししていたときとほぼ同じようなものばかりが置いてあり、自然と落ち着くことが出来た。学校の制服から部屋着に着替え、ベッドに横たわると、叶汰からメッセージが届いた。
{母さんと電話できた。だけど確認のメール送った覚えないって。多分今いる世界じゃなくて前の世界で来た最後のメールだったのかも。
あと、母さんと妹達もこの施設にいて、世話とかもちゃんとしてくれてるらしい。安心した。
叶汰はいつも母と妹想いだ。幼い頃、父親が母にDVをしていた。それを理由に両親は離婚し、ちゃんと育てられなくて申し訳ないと言う母を慰めながら妹たちの世話や家事を全て1人でこなしていた。“父親みたいな人間にだけはなりたくない”中学生の頃の叶汰の口癖だった。1人で母と妹たちの世話をするのはやはり大変だっただろう。もう今日からはゆっくり休んで欲しい、そう思いながら春馬はいつの間にか眠っていた。
ー縺翫°縺医j縲∫ァ√螟ァ蛻↑譏・鬥ャ
「…ぃ!おい!春馬!」
目が覚めると、叶汰が居た。時刻は午前6時、普段の春馬なら爆睡してる時間だ。
「ゔゔ…まだ早いよ……叶汰も…寝よ……。」
「嫌だね、早く起きないと朝飯なくなるぞって。」
叶汰に無理やり引っ張られながら髪を整え、朝食をとりに食堂へ向かう。食堂に入るとリムの経営する孤児院の子供たちや、眠たそうに目を擦りながらリムに挨拶をするシュアン、寝ているりこをおんぶして連れてきた拓海、走り回るエリフィナに引っ張られるムーア、そして叶汰の家族がいた。
「「お兄ちゃん!!」」
叶汰の妹の茶絵(たえ)と愛里香(えりか)が嬉しそうに叶汰に駆け寄ってきた。
「お兄ちゃん!昨日、たえね!お母さんの肩たたきしたの!えらい?すごい?」
茶絵が自慢げにしていると横から愛里香が負けじと自慢をし始める。
「お兄ちゃん!えりかもね、お風呂でお母さんの髪の毛洗うお手伝いしたんだよ!たえよりもすごいでしょー!」
叶汰は、「たえのほうがすごい!」「えりかのほうがふごい!」と喧嘩をする妹たちの頭を撫でる。
「どっちも凄いよ、だから自分の方がすごい!じゃなくてお互いの事褒め合いっこしてみよ?そしたら相手も自分も嬉しいし、お兄ちゃんも母さんも嬉しいよ。」
叶汰に言われた通りに褒め合いをする2人を、春馬はただ黙って見ていた。
(……羨ましい…。)
叶汰にとって普通だった“家族と仲良くできる時間”。春馬の手には届かない、“羨ましい時間”だった。家族が居ないとか捨てられたとかでは無いが、春馬は家族___姉からいじめを受けていた。3人姉弟だった。長女は優しかったが、結局は次女の味方。母親も父親も次女に甘く、家族は誰一人春馬の味方になってくれなかった。昔から、味方は叶汰だけだった。
(そういえば…姉さんはどんな声だっけ…?)
声も顔も忘れるくらい家族に会っていなかった。そんなことを思い返してぼーっとしていると、叶汰の母が春馬に声をかけた。
「春馬くん、まだ眠たいのかしら?ふふ、ぼーっとしてたら危ないわよ?」
優しく微笑みながら春馬と叶汰と妹たちを通路からそっと退けさせる。
「へへ…いつもはこの時間寝ちゃってて…。」
考え事をしていたのを誤魔化すようにふにゃっと笑う。叶汰の母がにこっと返した後、ハッとしたように問う。
「そういえば叶汰、あなた今日任務とかあるの?」
「任務?何も聞いてないよ。」
「その事なんだけどねぇ〜!!!」
「「うわぁぁぁあ!?!?!」」
春馬と叶汰の後ろから突然、なんの気配もなしにいつの間にいたのかリムの姿があった。
「すまんすまん、癖になってるんだ、音殺して歩くの。」
どこかで聞いたことのあるセリフをドヤ顔(顔は見えない)で言うリムに叶汰の母は笑いかけた。
「相変わらずお元気ですね。」
「これくらい元気無いとやってられませんからねぇ!」
そう言うとくるりと春馬と叶汰の方を向き、本題に入る。
「今日は休みなさい!!!!!!!働きたいなら奇病についての勉強だけしてくれればいいよ!!!!!!!ボクはアイスを食べてくる!!」
いちいち声がでかい。それに慣れているのか叶汰の母と妹たちは大声になんとも思っていないようだった。
「わ、わかりました…?じゃあ今日は勉強しような、な?春馬。」
拒否権ないぞ?という圧をかけてくるような笑顔で春馬の肩をガッシリと掴んでいた。
「ワカリマシタ。」
あれから5時間ほど休憩なしで、2人は勉強に励んでいた。
「………。」
喉から異様な音を鳴らしながら春馬は口を開きっぱなしで奇病の種類を覚えている。
「春馬」
「」
「その音出すのやめろよ。」
「」
「おい。」
「」
「春馬ァ!人の話くらい聞け!!」
ほぼ放心状態だった春馬が、叶汰の怒鳴り声で戻ってきた。(※おかえり)
「ごめん疲れちゃって、もっかい言ってくんね?」
「いやその音出すのやめろって言っただけ…。」
なんだそんだけか、と少々悪い態度で春馬は完全に勉強のやる気を無くして机に顔を突っ伏した。
「もう覚えたのかー?」
「うん〜……。」
はぁ…とため息をついて奇病についての資料を叶汰は読み上げる。
「『特定の菌を持った動物に噛まれることによって感染する病』…その病の名前は?」
「…“獣化病”」
よし次、と問題を出し続ける叶汰。
「『発症原因は未だ不明の、目が不定期に発光し、光の強さによっては失明してしまう病』は?」
「…“虹彩発光症”」
ちゃんと覚えていることに関心した叶汰は更に問題を出す。
「『ウイルスをもった花の花粉を少量でも吸うと発症してしまう病』、2種類あるけどどっちも答えて。」
「……“花咲病”と“花吐病”」
出題はまだ終わらない。
「『耳がエルフのようになるだけで特に害のない病。見た目が実年齢より若く見えるようになる』これは?」
「…なんだっけ…“エルフ病”だかエルフ症だかでしょ。」
「エルフ“病”が正解だね。」
次で最後だよーっと最後の問題を出す。
「『発症原因不明、身体が人形になっていく病』の名前は?」
「…“身体ドール化症”」
全問出し終え、叶汰は資料を仕舞う。
「ちゃんと覚えてるな、思ったよりしっかりやってて偉い偉い。」
まるで春馬を子供だと思っているかのような褒め方だ。それが気に入らなかった春馬は突っ伏していた顔を上げて、またそっぽを向いた。
「俺もう高校生だし。子供扱いするなし。」
(褒められてるのはめちゃくちゃ嬉しいけど…。)
いつもなら素直に喜ぶのに意外な反応をした春馬が面白くて、叶汰はつい笑ってしまった。
「何笑ってんだよぉ!」
「ごめんごめん、いつもと反応違ったからほんとに疲れてんだなって思ってww」
「くそぉ!あんま馬鹿にすんなよ??」
こうしていつものように2人で笑い合い、この日の勉強は終了することにした。
「ねー叶汰。」
ひとしきり笑ったあと、春馬が話を切り出す。
「叶汰って、猫好き?」
「え?まぁ好きだけど…。」
じゃあ決まり!と突然財布をカバンに突っ込んで叶汰の腕を引っ張った。
「まってどこ行くの!?」
「ふふーん、猫カフェ♡」
しばらくしてから、春馬お気に入りの猫カフェに到着した。別の世界にも全く同じ場所に全く同じ店員、全く同じ猫たちが居て春馬はとても安心していた。
「あ、お客様お久しぶりですね。」
いつも接客してくれる紺色の髪の男性店員が春馬に話しかけてきた。
「お兄さん!お久しぶりですー!」
春馬が店員と仲良く話している間、叶汰はもうすっかり猫たちに夢中になっていた。長い時間の勉強の後、猫たちに癒されたり、猫カフェからの帰りにまた外食に行ったりと、今までと変わりのない平和な1日をおくった。
夜になり、各自部屋に帰った。部屋の中は見慣れた自分の部屋なのに、窓の外はまだ見慣れない角度の星空がひろがっている。昨日今日とで色々動き回りすぎたなと思いつつ、春馬は楽しかった思い出を忘れないように記録帳にこっそりと日記を付けた。
「…やっぱ一番の味方が一緒にいてくれたら、どこに行っても楽しいな…。」
そんな独り言をぼやきながら眠りについた。
ー遘√諢帙☆繧句ョカ譌
あの人の声だ。そういえば昨日の夜もまたこの夢見たんだっけ?
ー遘√r隕壹∴縺ヲ縺ェ縺シ
もう声というより雑音に近い。何を言っているか全く分からなくなった。
ー………。
あれ?いつもはもっと喋るのに。
ー……。
完全に何も聞こえなくなった。真っ白で何の音も無い空間になったこの場所。いつも煩わしいと思うあの声が聞こえないことによって不気味さを増している。
ー……。
もう聞こえるようになることは無いのだろうか?と思ったその時。
ーはるま!
聞いた事はあるが、誰の声なのか思い出せない。いつも聞くあの女性の声と同じ人だろうか?
ーあのね!
この先、何を言われたのか、全く記憶が無い…。