Glowテッドはウェドに駆け寄り、急いで身体を抱き起こした。口元に耳を近づける。呼吸はない。わずかに開いたままの瞼から覗く青い瞳は、光を失って虚空を見つめている。
「嘘だ…やだ!やだよ‼︎ウェド!目を覚まして…!」
テッドは力任せに開いた魔道書に手をかざし、早口に詠唱を始める。自身のエーテルの全てに替えても、目の前に横たわる男を救いたかった。しかし淡い翠色の光はウェドに注がれることなく、すぐに自身の中へ還ってしまう。
「なんで…!どうして⁉リザレク…!リザレク‼何で発動しないんだよ!ねえ、起きて…起きてよウェド…やだよ、死んじゃやだよ、ウェド‼」
力一杯身体を揺さぶる。反応はない。長い前髪が、生気を失った顔の前にサラサラと落ちていく。
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