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    wakako_sks

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    以前にぷらいべったーに投下した五夏

    #五夏
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    たとえるならウユニ塩湖。鏡面のように凪いだ海に白いテーブルクロスの掛かったテーブルセットが浮いていて、夏油はそこに腰掛けているのだった。どういう原理なのかはわからないが、そこではそれが自然なことだと理解している。
    周囲には何もなく、空と溶け合う水平線は夕焼けの赤に染まっている。少し上を見上げれば雲が折り重なり、淡く青に溶けてそこから藍。見事なグラデーションが描かれている。
    顔を正面に向けると、そこには五条のふぬけた笑顔があった。
    「何食べたい?」
    問われて、夏油はそうだ、ここはレストランなのだったと思い出す。
    「ラーメン半チャーハンセットと唐揚げ」
    「お前いつもそればっかだよな」
    半ば呆れた表情の五条がつぶやく。何食ってもいいのに。
    「俺はね、ステーキ丼とデザートにパフェ」
    五条がそう言った瞬間、影のようなものがあらわれ瞬く間にテーブルクロスの上に給仕がされていく。気づけばテーブルの上には馴染みの中華食堂のラーメンセットと、その三軒隣にあるステーキ屋のランチセットが並んでいた。
    「食べようぜ」
    いただきます、と手を合わせ箸を持つ。唐揚げを齧る。いつもに比べて味が薄いような気がして胡椒を探すと、年季の入った胡椒入れが夏油のちょうど手の届く場所に現れた。
    「見ろよ傑、あれ」
    向かいに座った五条が夏油の背後を指さす。
    「ほら、世界が終わってく」
    言われたとおり振り返ると、さっきまで淡い紺色をしていた(おそらく)東の空が端からめくれていく。まるでタイルがめくれていくように空が剥がれて、その向こうは何も見えない。色も形を持ったもののない空間が徐々にその範囲を広げていく。帳が空からではなく、地面からくるような、そんな感覚が一番近い。
    「見え方は人によって違うんだって」
    「君にはどう見えてるんだ?」
    「キラキラしたのが砂が巻き上げられていくみたいに見えてるな」
    その時やっと、夏油はなぜこの異様な世界が、世界の終わりがおそろしくない理由に行きあたった。五条悟がいるからだ
    「さ、食おうぜ傑。早くしないと世界が終わっちゃう」
    「ああ、食べよう」
    めくれあがる世界の終わりに急かされるように、二人は食べ急いだ。

    「傑、寝てんのか?」
    ぐらぐらと世界の揺れる感覚に、いよいよ終わりかと思って目を開ける。
    「あれ……ラーメンは」
    目を開けた先に広がっていたのは見慣れた高専の教室だった。目の前の椅子に後ろ向きにーーつまりは前を向いて座る夏油と向かいあって座るのは、さっきまでパフェを食べていた五条だ。そこで漸く夏油は現状を把握した。
    「寝てた……」
    「だろうな」
    「悟があんなことを言うからだ……」
    五条が眉を上げ、心当たりがないというような顔をする。

    「もしも世界が終わる日がきたら?傑と飯が食いたい」
    再び瞑った瞼の裏に、陳腐な問いかけに答えた五条の無邪気な笑顔が浮かんだ。
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    wakako_sks

    REHABILIむつきよ出来てないお話すでに夕暮れが近い。東の窓は桔梗色をしていて、開け放たれた南向きの窓からは斜めに橙がかった光が差し込んでいた。くっきりと窓の形に切り取られた橙色は、同じ着物の色をまるで黄金のように輝かせている。
    暑くないのかな。
    加州清光は強い西日の下で眠る男の妙にあどけない寝顔を見ながら思った。
    この本丸は――正確には拡張された二の丸にあたるが――二階建てで、一階には厨や風呂といった水回りがあり、二階にはいくつにも仕切られた部屋があった。以前、まだ本丸の規模がそこまで大きくなかった頃は刀剣男士たちがそこで寝起きしていた。今は空き部屋になっているが、こうして加州のように時々気の向いたものがうろうろとしていたりする。
    とはいえ今加州がここにいる理由はちょっと情けない。自室に口にするのも憚られるような虫が出たため、殺虫剤を焚いているので一時避難してきているのだった。
    すると先客がいた。があがあと大きないびきをかいて寝こけていたのは同じ刀剣男士のひとりである陸奥守吉行だった。別の部屋に移動してもよかったのだが、ひとりになるのはなんとなく心許なくて同じ部屋に留まることにしたのだ。
    加州は日の入ってこない部屋の 993

    wakako_sks

    REHABILI以前にぷらいべったーに投下した五夏たとえるならウユニ塩湖。鏡面のように凪いだ海に白いテーブルクロスの掛かったテーブルセットが浮いていて、夏油はそこに腰掛けているのだった。どういう原理なのかはわからないが、そこではそれが自然なことだと理解している。
    周囲には何もなく、空と溶け合う水平線は夕焼けの赤に染まっている。少し上を見上げれば雲が折り重なり、淡く青に溶けてそこから藍。見事なグラデーションが描かれている。
    顔を正面に向けると、そこには五条のふぬけた笑顔があった。
    「何食べたい?」
    問われて、夏油はそうだ、ここはレストランなのだったと思い出す。
    「ラーメン半チャーハンセットと唐揚げ」
    「お前いつもそればっかだよな」
    半ば呆れた表情の五条がつぶやく。何食ってもいいのに。
    「俺はね、ステーキ丼とデザートにパフェ」
    五条がそう言った瞬間、影のようなものがあらわれ瞬く間にテーブルクロスの上に給仕がされていく。気づけばテーブルの上には馴染みの中華食堂のラーメンセットと、その三軒隣にあるステーキ屋のランチセットが並んでいた。
    「食べようぜ」
    いただきます、と手を合わせ箸を持つ。唐揚げを齧る。いつもに比べて味が薄いような気がして胡椒を 1193

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