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    hikagenko

    @hikagenko

    HN:
    ひかげ

    サークル名:
    Hello,world!

    ジャンル:
    ド!、ズモなど

    イベント参加予定:
    25/05/04 超5次ドリ2025

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    hikagenko

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    ・ド!
    ・風間圭吾×黒石勇人(全年齢)
    ・24ページ(表紙込み) /A5コピー本/100円

    #ド!
    do!
    #圭勇
    #サンプル
    sample

    【サンプル】Wake up my music選択肢が増えた黒石勇人の話

    冷たい風が体を包み、黒石はフッと息を吐きました。その息は白くなることこそありませんでしたが、寝巻に上着を羽織っただけの格好は、防寒をしているとは言い難いものでした。しかし黒石は気にしたそぶりを見せず、家からずんずんと離れていきます。
    数時間前、風間に促されてベッドに入った黒石ですが、一向に眠気が訪れずベッドから抜け出しました。その後、リビングのソファで五線譜と向き合ってみましたが、結局外に出ることにしました。眠れない夜というのは風間にはあまり馴染みがないようでしたが、黒石にとってはよくあるものでした。
    木々の揺れる音、風の音、草の揺れる音、色んな音を聞きながら、黒石は適当に村の中を歩いていました。電気の通っていないこの村は、住人達が寝静まった月のない夜は真っ暗になります。今日はほっそりとした月が出ているため、村はふんわりと照らされていました。眠れない夜、いろんな音のする暗い村の中を歩いたり、村の外を歩いたりすることは、黒石にとって悪くない時間でした。
    黒石が村の中心に生えている大木を通り過ぎた頃、かすかに誰かの歌声が聞こえてきました。黒石は一度足を止め、それからその声の方向へ歩き出しました。うっすらと聞こえるその曲は、この村でよく歌われる童謡のようでした。少し古めかしい言葉の並ぶ歌詞と、懐かしさを感じさせる旋律が特徴的な曲です。
    歌声の主は、すぐに見つかりました。村の中心の大木から南へ数軒行ったところにある片桐の家の前で、小さな椅子に腰かけた片桐と沢村が楽しそうに歌っていました。夜中であるからか声はひそめられていましたが、二人の声が混ざり合い、優しく、強く響いていました。
    黒石はまた足を止めました。二人の歌を、もっと聞いていたかったのです。ですが、沢村が黒石に気付いたようでパッと顔を上げ、小さな体で大きく手を振りました。
    「ゆーくん」
    沢村の声に顔を上げた片桐も、ふわりと笑いました。
    「こんばんは、黒石さん」
    「…おう」
    「あのねあのね、ゆーくん。今日はお星さまがキラッキラなんだよ」

    (以下略)
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    hypnorittun

    INFO・α×αの地獄のオメガバースです。
    ・幻太郎と自我の強い厄介モブ女ががっつり絡みますので、幻モブ♀が苦手な方はご注意ください。(幻からの恋愛感情はありません)
    ・全年齢レベルですが性行為を匂わせる描写が多々あります。
    ・ハピエンです。
    Strive Against the Fate(無配サンプル) 脈絡なくはじまった関係は、終わりもまた前触れなく訪れるのだろう。瞼をひらけば高く陽が昇っているように、睦み合う夜は知らず過ぎ去っていくのかもしれない。すこし日に焼けた厚い胸がしずかに上下するのを見つめるたび、そんなことを考える。
     ずいぶん無茶をさせられたせいか下肢には痺れるような怠さが残っていて、半分起こした身体をふたたび布団に沈めた。もう半日ほど何も食べておらず空腹はとっくに限界を迎えている。けれど、このやわらかなぬくもりから這い出る気には到底なれず、肩まで布団をかけなおした。隣を見遣ればいかにも幸せそうな寝顔が目に入る。
     夜が更けるまでじっとりと熱く肌を重ねて、幾度も絶頂を迎えて、最後に俺のなかで果てたあと、帝統は溶け落ちるようにこてんと眠ってしまった。ピロートークに興じる間もなく寝息が聞こえて、つい笑ってしまったっけ。真っ暗な夜においていかれたような寂しさと、尽き果てるほど夢中で求められた充足感のなかで眠りに落ちたあの心地よさ。身体の芯まで沁み入るような満ち足りた時間に、いつまでも浸っていたくなるのは贅沢だろうか。
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