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    sakura39_noel

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    sakura39_noel

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    ぼくのちゅーしんぐら(未完成)

    もう12回くらい書き直してる。
    多分また書き直す。
    もうなにもわからない。

    忠臣蔵的なやつ。出てくる人
    浅野(浅)
    大石(蔵)
    堀部(掘)
    片岡(片)
    大高(高)
    原(原)
    寺坂(寺)
    綱吉(綱)
    柳沢(柳)
    吉良(吉)
    ヒガシ(東)
    家綱(家)



    (浦島太郎のメロディー)
    伴奏あってもなくても
    蔵「♪あっこうの塩は〜い〜い〜ぞ〜」
    堀「♪何でも使える万能の〜」
    高「♪調味料なのさ、いい塩さ〜」
    原「♪でもかけすぎると〜よくないな〜」
    浅野、出てくる
    浅「さあ、今日も一日、頑張ろう!」
    片「はい!殿!!」

    蔵「今日は〜」
    「「は〜な〜み〜!」」
    がやがや
    浅「…まったくお前たちは…その前に、仕事を終わらせねばならぬぞ?」
    蔵「わ、わかってますよぉ〜」
    ぱたぱたする

    照明明るく
    どんちゃんどんちゃん

    蔵「どうだ、寺坂。
    お前が赤穂に来てしばらく経つが…」
    寺「毎日楽しいです!家出同然で逃げ込んだ俺をうけ入れてくださったこと、本当に感謝しております!
    …いつも笑って、明るく楽しく皆さんと騒げるのこの日々が、とても愛おしいのです。」
    浅「そうだな…
    私も皆が大好きだ!
    また、みんなでここに来たい。
    今日のように花見をして、楽しく呑みたいな!」
    原「そうですね〜」
    蔵「毎日でもいいですよ!」
    高「内蔵助さんは花より団子…いや、花より酒じゃないっすか!」
    蔵「いいだろ〜、酒は百薬の長、ってんだから〜」
    堀「それはいいですけど、毎日のように遊び歩いて首が回らないって、奥さん怒ってましたよ?この間だって…」
    蔵「お、おい!お前、ちょっそれはマジでだめやって!」
    浅「こらこら、お前たちは…」
    蔵「殿だって、呑みたいですよね〜
    酒の飲み方だって勉強!こーいうのは若いうちに学んだ方がいいですから!」
    高「…あ、内蔵助さんが全部だしてくれるんすか!?」
    堀「まじすか、!
    ごちになりまーす!」
    「「なりま〜す!」」
    蔵・浅以外がペコッとする
    蔵「えっ、ちょ、ちょっとまて!
    調子に乗るなよお前ら〜!」
    浅「ははは!」

    場転はライティング

    綱「浅野内匠頭長矩を、勅使饗応役(ちょくしきょうおうやく)に任ずる!」
    浅「はは!ありがたき幸せにございまする!」
    綱「此度の儀は、朝廷と幕府が行う大事なもの。
    この国の行く末を決める儀式になる故、決して失敗することはできぬ。
    期待しておるぞ。」
    綱吉、去る

    ここで明るく
    浅「うーん…大役を仰せつかったはいいが、どうすればいいのか…」
    片「…偉い人に聞くのはどうでしょう?」
    浅「偉い、人…」
    堀「内閣総理大臣?」
    高「アメリカ大統領!」
    寺「校長先生!」
    蔵「おいおいおい!
    時代をずらすなバカぁ!
    最後の偉いのか偉くないのかよくわかんないし…」
    原「あ、吉良様なんかどうでしょう!
    こーいうの、慣れてそうな方ですし!」
    寺坂、ちょっとソワソワする
    浅「そうしよう!、…では、土産とか、そんな感じのものも…
    何を喜ばれるだろうか…」
    堀「上手い酒?」
    高「美味しい塩?」
    原「新作プチプラコスメ!」
    蔵「…いや、最後には金がすべてを解決する…、!」
    堀「ばか!」内蔵助をしばく
    寺「あ、ヘッドロココとかぁ、阿修羅バスターのキン消しとか…うまい棒百年分、とか!?」
    「「いや、それはないだろ!!!」」
    蔵「ぜんっぶいらねぇ!!!!!」
    寺「えー」
    浅「ちょっと欲しいんだが、…」
    片「駄目ですよ、殿!
    それでは賄賂、よろしくありません!」
    浅「そ、そうだな…
    …大切なのは、まごころ…そうだ!」

    場転
    吉良邸

    吉「あら、浅野さん。珍しいわねぇ…貴方達、あかほ…あご?…あんこ?藩は私(わたくし)のこと、嫌いでしょう?」
    浅「あ、赤穂です…嫌いというか…その…
    いえ、そのようなことは…!決してありませぬ!
    こほん…上様に東山天皇をもてなす大役を仰せつかったのですが、私では、もうどうにもならず…
    どうか、吉良殿にいい助言を頂きたいのです。」
    吉「それで、私のところへ…」
    浅「ええ。そしてこれは、心ばかりの…」
    吉「あら、関心じゃない!」
    浅「…まごころです」
    吉「………え?
    …なに、これ?」
    浅「(アドリブ)です」
    吉良、一瞬横にずれる
    吉「いらな!え、すっごくいらない。どーしよ、まじでいらない。」
    もとの場所に戻る
    吉「う〜ん…あ、こういうのはどうかしら?」
    吉良、浅野になにか耳打ちする
    浅「そ、それは素晴らしいですね!
    早く、赤穂の皆と練習せねば!」

    東山、袖から現れる
    吉「…と、いうことですから…」
    東「わかったわかった!
    まぁ、浅野はどうでもいいし…
    吉良っちの頼みなら、何だってきいてあげるよ☆
    朕ってば、やっさし〜!
    (声色を変えて)…で、きいてあげたら、見返りに何をくれるんだい?」
    吉「(重い感じで)…お望みのままに、ですわ」

    場転
    江戸城
    綱「久しいな、吉良よ。…どうじゃ?
    最近…」
    吉「…え、えぇ…はい…
    まずまずですわ…」
    綱「そ、そうか…
    …き、今日は、天気がよいのう!」
    吉「…曇って、おりますが…」
    殿「っ、地獄!!
    なんですかこの地獄みたいな時間は…!」
    綱「浅野よ…
    …楽しみにしておるぞ。」
    殿「あ、続けるんですね…(なおる)
    は!この浅野内匠頭長矩、全身全霊…死力を尽くしてかならずや此度の儀を成功させてみせます!!」

    東「おひさ〜☆綱吉ちゃ〜ん!
    今日も元気に憐れんじゃってる〜?」
    綱「これは、東山天皇。お久しぶりですな。
    ………ええ、もちろんですとも。今日も今日とて、お犬様は尊いですからな!」
    東「いや〜、相変わらずで安心したわ〜!
    んで、」
    綱「浅野!」
    浅「は、は!」

    🔴バンド登場

    浅野、踊りだす
    東「…なに、やってんの?」
    浅「げ、元禄の舞、にございます!
    元禄の世の繁栄を祝して…」
    東「…ふざけてんの?
    朕をナメてんの?」
    浅「は、?い、いえ!ふざけてなど…」
    東「…はぁ…、テンションガン萎えだわァ…!どーするぅ、吉良っち〜」
    吉「浅野内匠頭殿は、朝廷と幕府を結ぶこの大切な儀において大失態を演じられましたわ!
    相応しい罰が必要かと!」
    綱「罰…
    …浅野。此度のこと、覚悟しておっての狼藉だな?」
    浅「だ、断じてそのようなことは!
    お許しください、上様!」
    綱「煩い。…柳沢、追い出せ」
    柳「は、」
    柳沢、浅野を引きずっていく
    浅野、必死に訴えるも舞台から履ける
    浅「っ、お許しを!弁明させてくだい!!
    上様!私に弁解の機会を…、!」

    東「ははは!もー、
    (声色を変えて)…どーしよっか、綱吉ちゃん。」
    綱「此度の儀は、朝廷と幕府の重要なもの。
    それをこのように愚弄し貶めた愚行、赦せるものではありませぬ。」
    東「だ〜よ〜ね〜?」
    綱「…ですが、浅野は勤勉で実直な男。
    此度の件は、なにか手違いがあったのやもしれませぬ。
    此度の任をあれに任せたのは余です。…どうか、お目溢しを。」
    東「…綱吉ちゃんがそこまで言うなら、まぁ……今回は綱吉ちゃんに免じて許してあげてもいいかな〜朕ってば、や〜さ〜し〜い〜☆
    まぁぶっちゃけ?心っ底どうっでもいいし☆」
    綱「東山殿…」
    頭を抱える

    場転
    松の大廊下
    ●ここで歌(浅野)
    吉良、出てくる

    浅「…吉良殿!話が違うではありませんか!」
    吉「あら、まぁ…!私はそんなこと、ひとことも言っていなくてよ?
    上様から大役を仰せつかって恥をかいたからと言って、私のせいにされるなんて…!今回お目溢し頂けたことだって奇跡のようなことなのに!
    これだから、田舎のくっさい輩は嫌いよ!」
    浅「なっ……あの舞は、貴方が確かに…!」
    吉「うっるさいわねぇ…黙りなさいよ。
    真実なんてどうっでもいいの。
    事実はただ…あなたが上様と天皇陛下の前で大失態を演じて恥を晒したってことだけ。
    本当に愚かねぇ…あなたのとこのアホ面のバカ共もそうだけど…やっぱり、上がダメダメだと下も使えないものなのかしら…?それとも、逆?
    部下がバカしかいないから、バカなあなたが担ぎ上げられたのかしら?」
    浅「っ、…取り消して、下さい。私のことはどう言って頂いても構いません。
    しかし…赤穂の皆は!阿呆でも馬鹿でもない!自慢の、最高の…本当に素晴らしい、いい部下たちなのです!」
    吉「…黙りなさいよ。ほんと、田舎者はよくしゃべるから嫌。
    取り消すわけないじゃない!…あなたの大失態、上様はどうなさるかしら?
    ふふっ、あんたら赤穂のバカどもは、
    こ・こ・で、退場で〜す〜わ〜!

    ………あぁ、この…まごころ?
    いらないから、返すわ」
    真心をぽいっと投げて踏みつける
    吉「ほんと、きったない…」
    浅「っ、吉良上野介ぇ!!!!!!!」
    浅野、刀を抜いて振りかぶる
    吉「なっ…!!?」
    もみあう

    柳「な、何をやっておられるのですか!
    殿中でございますぞ!!!」
    浅野、取り押さえられる
    浅「離せ!っ、許してはおけぬ!
    吉良上野介!」
    綱「何をやっておる!」
    浅「う、上様!」
    吉「いきなり切りつけられたのです!
    ああ、お助けください上様!」
    綱「吉良!その傷…!
    っ………元禄の儀での狼藉は、そちに重い任を任せ過ぎたかと思っておったが…
    まさか、そこまで愚かだったとは…!」
    浅「上様!お聞き入れください!」
    綱「っうるさいわ!この無礼者!
    問答無用、直ちに切腹せよ!
    赤穂は5万石の取り潰し…お家は断絶じゃ!」
    綱吉、去る
    浅「上様!」
    東「…うーん、ここまであれだと、朕もかばう気をなくしてくるぞ〜?
    ま、最初っからかばう気なんてないけどネ☆」
    柳「コホン…上様のご決定です。
    皆様、そのように。」
    柳沢、一礼して走って去る

    場転

    柳「此度の刃傷沙汰において、浅野内匠頭長矩に改易、切腹を申し渡す。」
    浅「…しかと、承りました。
    今回、打ち首獄門…如何様にも言い表せるというのに切腹として処断してくださること、誠に有り難く存じます。」
    片「殿…」
    浅「源五右衛門…こんな不甲斐ない藩主で、ごめんなぁ…」
    片「そのようなことはございません!
    …殿は最高で…とても素晴らしい、いい主君です!」
    浅「…っ…風さそう…花よりもなほ、我はまた…
    春の名残を、いかにとやせん…
    あぁ…また、みんなで…花見、したかったなァ…!」
    浅野、死ぬ
    照明赤
    片「殿…、とのぉぉぉぉぉお!!!」

    場転

    蔵「…殿が、切腹だと?」
    堀「なぜ殿が…あの人畜無害で、なんにも考えてなさそうな殿が、刃傷など!」
    原「嘘だ!何かの間違いだ!
    殿が、理由なく刀を抜くわけがない!」
    高「理由あってのことだってんなら、喧嘩両成敗のはずじゃんか!」
    片「…殿は、吉良上野介に図られたんだ!
    殿はその日に切腹したというのに…
    吉良はお咎めなし、無罪放免だ!」
    蔵「なっ…、
    おのれ、吉良…殿や我ら赤穂藩の名に傷をつけ泥を塗っただけでは飽き足らず、殿を愚弄し命まで奪うとは!」
    堀「許せない…
    っ、かくなる上は、仇討ちだ!吉良を殺そう!」
    寺「っ、それは!」
    蔵「まてまてまてまて!
    はやまるな!…殿が切腹なさったのであれば、赤穂藩は取り潰される。
    お家を再興するのが先ではないか!」
    寺「そ、そうですよ!殿には、弟君もおられますし…」
    片「何を言っているんですか!
    我らが仕えるのは、浅野家ではなく浅野内匠頭様ただおひとりでしょう!」
    堀「殿の無念を果たすのが、我ら赤穂浪士の使命ではないのですか!」
    詰め寄る
    蔵「いやさぁ…討ち入りとかさァ…物騒じゃん?法律とかも、ねぇ…
    ほら、俺には嫁さんも子供もいるしぃ…この前見っけたサチエちゃんも、キャバクラのレイコちゃんも、俺が討ち入りしちゃったらさぁ…」
    寺「っ駄目だこの昼行灯!最低すぎる!」
    原「内蔵助さんが色々アレなのは、最早いつものことなんでもう何も言うことはありませんが…
    確かに、今すぐ討ち入りをする事はできません。

    うちの藩には、お金がないんですから!」
    高「…まじ?」
    原「マジです。大マジです。まじヤバいです。」
    蔵「…まぁ、うん…、」
    寺「…どうすれば…」
    蔵「とりあえず…」

    赤い羽根募金みたいな格好
    蔵「署名、募金、集めてまーす!」
    寺「お家再興のため、どうかご協力下さ〜い!」
    片「皆さんの一筆一銭が、我々赤穂藩を救いまーす!」
    原「ご協力くださった方には、赤穂の塩を贈呈しま〜す!」
    堀「い、いまならキティちゃん赤穂バージョンのストラップまでプレゼント〜!」

    走り回る

    蔵「どうだ!」
    寺「ま、まだ半分しか…」
    高「そっちはどうっすか!?」
    片「こっちはあらかた集まった!」
    「…よし!」
    堀「…ほんとこの猫、仕事選ばないことに定評ありますよね…」
    蔵「おまっ、キティさんになんてこというんだ!」
    片「キティ様だぞ!??」

    走り回る

    蔵「駄目だ!!」
    堀「署名は、受け入れられないって…!」
    片「殿に恩義を受けておきながら、手のひら返して冷遇するなんて…」
    原「仕方ないのかもしれない。将軍の下した沙汰に表立って反対できる人なんていないし…」
    片「だとしても!あまりに軽薄だ!最低だ!武士の風上にも置けない!」
    原「げ、源五右衛門…そのへんに…」

    寺「…幕府の要求通り、城を明け渡すことは…」
    片「できるわけ無いだろ!」
    高「籠城するか…?」
    蔵「城にこもって抗議しよう!」
    寺「ストライキだぁ〜!」
    原「だけど、お金がない!」

    高「城の前で、皆で切腹するのはどうだ!?」
    原「切腹するときに訴えれば、幕府も吉良を処断してくれるかも…」
    片「いや、あの犬将軍のことだ!
    僕らが切腹したってなーんにもしないに決まってる!」
    堀「上様命の柳沢吉保は聞き入れないだろうし…」
    寺「う〜ん…切腹したい人〜!」
    高「はい!」
    原「はい!」
    片「はい!」
    堀「はい!」
    蔵「えっ、…あ、はい!」
    「「どうぞどうぞ」」
    蔵「いや、いやいや…
    おい!!」
    皆をしばく

    わちゃわちゃ→暗くする
    (スポット?)
    寺坂
    寺「…上様は…吉良をお助けになった。
    俺は、どうすれば、いいのだろうか…
    俺はただ…」

    明るくする

    蔵「…文治政治を謳う綱吉公は、我らの殉死をただの罪として断じるだろう。
    だが、主君の名誉を守らずして。主君の意志に殉じずしてなにが武士と言えようか、!」
    堀「…討ち入ろう!」
    高「江戸城に、出発だぁ〜!」
    (寺坂以外)
    「「お〜!!!」」
    蔵「いや、まてまてまて!」
    原「…え?」
    蔵「いやいや、いきなり将軍のとこに突っ込むのは、まずいでしょ〜」
    高「綱吉公の名前を出したの、内蔵助さんじゃないっすか!」
    片「…じゃあ、どこに討ち入るんですか〜?」
    蔵「…どこだろ…」
    堀「吉良邸でしょ!普通に考えて!」
    原「あ、そっか〜!」
    堀「駄目だ!ばかしかいねぇ!」
    高「酷いっすよ安兵衛さん!」

    蔵「大丈夫か?寺坂」
    寺「…大丈夫です。
    ありがとうございます、内蔵助さん」

    着替える
    ●首級(しるし)を下さい

    蔵「狙うは、吉良上野介の首一つ!
    逃げるものは捨て置き、向かってくるもののみ討ち果たせ!」
    堀「行くぞー!」

    場転
    吉良邸
    se.破壊音とか

    吉「あぁ、どうして、どうしてこうなるのよ!
    私が何をしたって言うの!?んもうっ!」
    吉良、逃げる

    原「わぁ〜、
    割と簡単に入れちゃった、!」
    片「吉良は何処か!」
    高「ここか!」
    堀「あそこか、!?」

    吉「っ、人んちに勝手に入って荒らさないでよ!礼儀とか以前に、住居侵入!不法侵入じゃない!もう!本当に田舎者は嫌いよ!
    あー!その壺!高かったんだから!
    その掛け軸も!そんなとこに隠れるわけないじゃない!」

    片「どこだー、!」
    堀「出てこーい!」
    キラの目の前を通るが気づかない。
    吉「やっぱり、バカね、あいつら。
    絶対馬鹿よ。私、めちゃくちゃ目の前にいるんだけど?なんでさっきから掛け軸の裏しか探さないのよ。てか、
    …壺の中に人が入れるわけないじゃない!」

    吉良、逃げようとして走り、フラフラしてた寺坂にぶつかる

    原「いた!!」
    高「あそこだ!!!」
    蔵「吉良上野介義央(よしなか)、覚悟!!!」
    寺「っ、待ってください!」
    原「寺坂!?」
    高「何してるんだ!」
    堀「危ないだろ!」
    寺「…駄目だ。これでは、だめなんだ。
    ごめん、皆…
    俺は…浅野内匠頭様に仕えているけれど…水より濃い血縁の兄弟を殺すことは、できないんです…!」
    高「な、なんだって!??」
    堀「兄弟!?」
    原「それは、本当なの!??」
    寺「………俺の本当の名は、吉良よしひさ。
    そこのよしなかと同じ腹から、片割れとして共に生まれた双子の兄なのです。」
    片「っ、どうしてもっと早く言わなかったんだよ!」
    寺「言えなかったんです!
    …それを言ったら…言ってしまったら、俺は…」
    スポット

    吉「兄上!」
    寺「よしなか!まったく…」
    吉「兄上!今日は、隠れ鬼をしましょう!!兄上が鬼ですよ?」
    寺「わかったわかった、じゃあ、俺が数えるうちに早くお逃げ」
    吉良、はける
    「ひと〜つ
    ふた〜つ
    み〜っつ」

    照明
    ライティング


    綱「…兄さん…ねぇ、死なないで、兄さん!
    僕を、一人にしないで!」
    家「綱吉。俺は、もうすぐ死ぬ。
    曾お祖父様…家康公が開き秀忠公家光公と続く徳川幕府の次の将軍は、綱吉。お前だ。
    大丈夫。お前は優しい子だ。名ばかりの将軍として周りに流されるだけだった俺とは違って、誰かのために自分の道を進める子だ。
    きっと、いい将軍になるよ」
    綱「そんなこと言わないで!
    ね…僕じゃ、だめだよ。僕じゃ、駄目なんだ…」

    柳沢、出てきて綱吉の横に立つ
    柳「…将軍家綱公が、逝去されました。
    次の将軍は、貴方です。」
    綱「柳沢…僕は、どうすればいい…
    将軍は、僕じゃない!
    ち、父上…家光公が昔つくった子がいただろう!あれに任せればいいんだよ!」
    柳「貴方ほど将軍にふさわしいお方は日の本におりません。
    貴方は徳川家の『正当な』後継者」
    綱「では、あの子はどうなる!僕の弟は!」
    柳「家光公のお子は、吉良家に…確か、双子だったはず。双子は忌み子として厭われるもの。
    であれば、上は当主となりましょう。下は…」
    綱「殺されるのか」
    柳「…(目を逸らす)」
    綱「なら…ならば、どこぞの家に!」
    柳「日の本は今赤子で溢れております!
    貧しいものは、赤子を売り橋の下に捨てる始末!!どうなさるおつもりですか!」
    綱「っそれはお前が考えろ!
    僕がなんのためにお前を…!!

    っ、ちがう!…ちがう…ちがうんだ…

    …柳沢。僕は、兄を亡くした。
    弟まで…っ弟まで失うのは、耐えられないんだよ…」

    照明
    寺「よ〜っつ
    いつ〜つ
    む〜っつ
    なな〜つ
    や〜っつ
    ここの〜つ
    と〜
    あれ…?どこだ〜」

    吉「兄上ったら、いつも僕のこと見つけられないんだから。」
    柳沢、袖から出る
    柳「…吉良よしなか、だな?」
    吉「誰!?」
    吉良を連れて行こうとする
    吉「嫌!!いや!!離して!!助けて!
    兄上!!あにうえ!」
    寺坂、気づいて止めようとする
    寺「よしなかを離せ!!」
    柳「っあなたたちのためでもあるのですよ、よしひさ様!
    これは、綱吉様の…この国の将軍様のご命令です。
    あなたが吉良家の当主となれば、あなたの安全は保証されるでしょう。
    …ですが、弟君は違う。
    信頼できるものに預けます。どうか…」

    寺「よしなかは…これから、どうなるの。
    弟が大変なときに兄が安全な場所にいるなんて…そんなの、俺は耐えられない!」

    ライティング

    寺「その時とっさに、身代わりになろうと、思ったのです。
    俺は…よしなかに、幸せになって欲しかった。
    当主になれば、よしなかが危険な目にあうことはないと、信じ込んでいたのです。
    当主の座がどれほどつらく苦しいものなのか、知っていたはずなのに…
    …俺が、一番わかっていたはずなのに…」

    スポット入れ替え

    吉「…ずっと、わからなかった。
    わからないまま…ただ外見を、外面だけを取り繕っていたけれど。
    ハリボテをつくって虚勢を張ろうにも、兎にも角にもお金がなかった…
    だから、どんなことだってした。
    少しずつ、本当に少しずつお金を集めて縁を結び力をつけていったわ。
    自分の手腕が他人にどう思われているかなんて、心っ底どうでも良かった!
    所詮は、負け犬の遠吠えでしかないんだから!
    正しく生きる必要なんてない。
    正しさなんて、生きていく上で邪魔にしかならないものよ。
    …そう、でしょう?」

    ●一年目の討ち入り

    寺「っ、お前は…
    お前には、そんな生き方をしてほしくなかった…俺は、そのために…」
    吉「(叫ぶ)仕方ないじゃない!
    …私には、この道しかなかったんだもの。
    だから。
    江戸城であんたたちを見たとき、怒りが湧いたの。
    赤穂五万石。ド田舎の貧乏侍でしかないあんたたちがニコニコと楽しそうに話している様子を見て、ゆるせなかった。
    私よりも惨めに生きていなくては、いけないはずなのに。
    そんなの、おかしいじゃない!

    …あんたたちが惨めになる姿が見たかった。
    だから、わざと浅野が失敗するような助言をしたの。
    松の廊下で斬りつけられたとき、傷の痛みよりも先に歓喜の感情が浮かんだわ。
    これで、あの田舎侍共はおしまいだ、って。
    被害者である自分は何もせず、浅野はゴロゴロと落ちていく。…それでいて、軽症の刀傷はすぐに治るんだから、これを喜劇といわずになんというのか、ってね!」
    寺「っ、よしなか……!」
    吉「…どうして、庇ったのよ。
    私は、あんたなんかしらないわ!

    …私は、
    私(ここからわたし)は、あんたたちに、殺されたってよかった。
    この地獄を、終わらせてほしかったのに…」

    ●三日月

    寺「…やっぱり、俺は…間違えたのか…
    ごめんなぁ…こんな兄ちゃんで。」

    寺坂、内蔵助に向き直る
    寺「…もはや俺には、こんな選択しかできぬのです。どうか、赦されよ」
    蔵「っ、なにを!?」
    寺「あなた方が求めるのは、吉良の首一つ。そして…
    …俺こそが、あなた方の求める吉良家当主、吉良上野介だ。」
    原「っ、待って!!」
    ぐさっとじゃきっと
    一瞬照明赤
    寺「よしなか…幸せに…身分に、家に縛られず、今度こそ…」
    吉「どうして…だって、私は!!!」

    寺「馬鹿だなぁ…どんなに時が経っても、お前は俺の大切な弟なんだ。
    …ごめんな…こんなことしか、してやれなくて…
    でも…最後に、お前に兄としてしてやれることがあって、本当によかった!」

    吉「あ、…あにうえ……
    あにうええええええぇ!!!!」

    場転
    江戸城

    柳「赤穂浪士四十七名、揃って江戸城に出頭して、上様の下される沙汰を待っております!」

    綱「…どうして、こうなる…
    いつもそうだ!
    余は、何も間違ったことはしておらぬのに…
    お犬様は可愛いし、動物は大切に愛でるべきじゃし、赤子はすくすくと育つべきじゃ。
    故、生類憐るみの令で弱きものを救おうとしたのに…
    皆、厳しいだの、意味分かんないだの、文句しか言わぬ。」
    柳「上様…
    この柳沢には、上様の温かいお心遣い、しかと伝わっておりまする!」
    綱「…柳沢…
    余は、どうすればいい…
    赤穂浪士は主君への忠義のために吉良を討った。
    …正しいとは言えぬ。だが…忠義…
    義は、余が最も大切にする儒学で、最も重要なこと。それを否定すれば、余はいままでの余自身を否定することになる。
    それでも!余は…余は、弟を殺した者たちを許せぬのだ。」
    柳「…上様………
    …何も、心配することなどありませぬ。
    あなたのお心を暗くするようなものなど、この世にありましょうか。
    …確かに、赤穂の者達には義があるのでしょう。
    しかし、彼らの行いは上様の下した沙汰に沿わぬもの。日の本の主は上様なれば、上様の沙汰に反する彼らこそ、義に反するのです。
    義ではあるが、公儀に反す。そう沙汰を下せばよいのです。」

    綱「………余には、 わからぬ…
    いまも、むかしも…
    なにも、わからぬのだ…」

    場転

    吉「…大石殿…っ申し訳ありません!
    私は…っ、私が、間違っていたのです。
    私には、謝ることしかできません。
    ですが、!あなた方が死ぬ必要は…」
    蔵「…吉良殿。
    此度の件、我々は貴方をゆるすことは到底できません。
    …これは、我々のけじめなのです。どうか、お察しください。」
    吉「それ、は、…」
    蔵「…我々の忠義を、見届けてください。そして…できることなら、語り継いでください。」
    堀「っ生きて、生きて生きて生き抜いて!たとえ苦しみ汚泥(おでい)を啜(すす)っても、それでも生きて!…寺坂の…あいつのためにも、幸せになってくれよ。
    ………それが、あんたへの禊(みそぎ)になるだろ」
    吉「……大石殿…堀部殿…」
    高「どんなに貧しくて、貧乏だって、俺たちは幸せだった!」
    片「殿の意志を引き継いで、精一杯、全力で生きたんだから!」
    原「僕らは、先に殿と寺坂のもとへと逝くけれど…君に、残せるものはあったでしょう?
    ね、だから、……だから、さ。
    君も、幸せになっていいんだよ」
    寺「大高殿、片岡殿、原殿…
    っ!私は…私が、間違えていた!すべて、私が!
    あぁ兄上、貴方は、素晴らしい仲間を持ったのですね!
    …今は、貴方が羨ましい。」

    吉良、走り去る

    堀「吉良殿には…、悪いことをしちまったな…」
    高「数日前までは、あの人にこんなことを思うなんて、思っても見なかったっすね…」
    原「殿も、僕たちも、…そして、吉良さんも。…きっと、誰も、悪くなんてなかったんだ。
    ただ、どうしょうもなく…間違えて、しまったんだね…」
    片「『間違いは、正さねばならない』。
    多分、殿ならそう言ったと思う。そして、その責はきっと…、
    いや、僕らは僕らに出来ることをするのみだ。
    だって…、僕らはただ忠義の為に吉良邸へ討ち入って、吉良の首級を取ったんだから。」
    蔵「なればこそ、吉良が我らによって裁かれたように、我らもまたそのお咎めを受けねばならぬのだ。」

    【ひだまりの約束】

    並んで座る

    蔵「では…
    我ら播州赤穂浪士四十七士、
    死して誉れを上げ、殿の御前に参り侍らん!!!
    いざ!!!!!」
    「「いざ!」

    場転

    吉「桜に、三日月。夜桜もなかなか粋なものでしょう、兄上。
    …この美しい景色を、あなたと見たかった。」
    綱「期待に添えず余ですまんな、吉良よ」
    吉「っ、」
    綱「冗談じゃ。よい。楽にせよ。
    …お主は、生き残ったのじゃな…
    はは、この世、生き延びたとて地獄じゃろうに…」
    吉「…それで、いいのですよ。私のこの先の生は、今まで踏みにじってきたすべてへの贖罪(しょくざい)…
    私の命は、彼らを後世に伝え残すためにあるのですから。」
    綱「浅野らは英雄となり、余は最も邪悪な将軍として名を残す、か…

    ハハッ…余が今死んだところで、悲しむようなものなど…民草はようやく、と涙を流して喜び、余の死を嘆くものなどおらぬだろう」
    吉「上様…!」
    綱「そう呼んでくれるな!
    自分がどう思われているのか、など……痛いほどにわかっておる…
    余は、何故生きておるのだろうな」

    吉「…私は、自分より幸せなものが許せなかった。今までの不幸を誰かのせいにして、いつも弱いものを踏みつけ誰かを傷つけてきました。
    それでも。
    それでも私は、幸せにならねばならないのです。

    …私の地獄は、とうに終わった。
    素晴らしい兄をもったこと。その兄に生かされていたのだということ。
    その事実だけで、私は生きてゆけるのです。
    …そしてそれは、貴方もですよ、

    …兄上。」
    綱「なん、と…
    知って、おったか…」
    吉「…えぇ。
    貴方はいつも、優しく私を見守ってくださった。
    松の廊下の一件で、裁かれるべきは浅野ではなく私だった。
    …貴方が、私を守ってくださった…」

    綱「だが…。その結果が、これだ。
    余は、いつも間違える…

    余には最早、何が正しいのかわからぬのだ。
    余はまた間違えるであろう。…誤った道に進むやもしれぬ。
    柳沢は…余のために道を敷いてくれる。余が将軍であれるよう力を尽くしてくれる。
    しかし、それでは駄目なのだ。
    余では、だめ、なのだ…

    …吉良よ…此度の件でそちは名を失い、死人となったが…そちには、余よりも将軍となるに相応しい血が流れておる。
    徳川家宣を名乗り、余のあとを継ぐ気はあるか?
    母は許さぬだろうが…今のそちなら、きっとよい治世を敷くだろう。
    …余の後(のち)、余の間違いを正し、この日の本が良い国になるよう尽くしてほしいのじゃ。

    …すまぬな。お主にばかり重いものを背負わせてしまう」
    吉「…喜んで、お言葉に従いましょう。
    私を気遣う必要などありません。
    私は、今度こそ兄に胸を張れるような…そんな人間になりたい。

    人生で、ただ一度くらい…
    正しいことを。誇れることを、したいのです。

    あなたの後を継ぎ、江戸を、100年…100年続く都にしてみせます!
    江戸に住む人は皆、毎日幸せで、春には満開の桜を見て、笑顔になる。
    今はまだ、夢物語でしかないけれど…私はそのためなら。
    この夢のためなら、どんなことだってできるのです」
    綱「ふ、はは…
    それは……それは、頼もしいの

    スポット
    吉良、はける

    綱「兄の気持ちとは、このようなものか…
    兄さん…貴方も、こんな気持ちで僕に託したの…?
    僕は、最後に一つくらい…正しいことが、できたかな…兄さんが、自慢の弟だって胸を張れるようなことが…、」

    柳沢、出てくる

    綱「…柳沢よ…苦労をかけたな」
    柳「いえ。…上様との40年余り…今でも、初めてお会いした日が昨日のことのように思い起こされます。
    …力及ばず、申し訳ありません…」
    綱「…よい。はじめから、余は器ではなかった、と…
    そういう話じゃ。
    そちは、余をよく支えてくれた。
    余の後、あれを支えておくれ。」
    柳「申し訳ありません、上様。その御命令には従えません。
    …私の主君は、上様お一人。
    上様がおられぬのでしたら、私が徳川に仕える道理もありますまい」
    綱「ふ、はは!
    いやはや、余を諫めたあれの言葉もあながち間違いではなかったか…



    (綱吉、泣く…泣き笑い?)
    あぁ、僕の人生には…確かに、意味があった!
    良き弟を持ち、良き部下を持った。それで、充分ではないか!」

    綱「では…参ろうか」
    綱吉、手を差し出す
    二人、手を繋いで後ろに下がる



    ナレ
    寺「この6年後、徳川綱吉は死に、母桂昌院の抵抗虚しく徳川家宣が六代将軍となって多くの政治改革を行った。
    柳沢吉保は、綱吉の死後その絶大な権力に執着することなく表舞台を去った。
    家宣とその息子家継の治世は正徳の治と称され、家宣は徳川十五代の中で最も素晴らしい将軍として今に名を残している。」

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