ミッドナイトブルー その日はペパーと夜にレストランへ行く約束をしていた。
ペパーと付き合い始めてから、彼の料理研究とデートを兼ねて、パルデアの各地にあるレストランを訪れることが僕たちの中での決まりごとになっていた。
そういうときは普段着ている制服ではなく、互いに私服を選んで出かけた。服って凄い。衣の中の人間は同じなのに、着ているものが変わるだけでこんなにも印象が変わる。私服のペパーを見る度に、その新鮮さに当てられて僕の心臓は面白いくらいに跳ねた。
その日は少し肌寒かったので、ペパーはダークブラウンのワイシャツに薄手の黒いコートを羽織っていた。あまりの大人っぽさに思わずじっと見惚れてしまう。僕は水色のシャツに白いパーカーを着ていて、彼と比較するとどうにも子供っぽい。もっと違う服を着てくればよかったな、と反省する。
8335