Recent Search

    あをあらし

    @05_A3OArAsh1

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 15

    あをあらし

    SPUR MEhttps://twitter.com/05_A3OArAsh1/status/1432557834282024963?t=MQY2V1RG0n2zEpN8bmEg_Q&s=19
    ↑のツイートを元に「褥に磔にされる話」として書いているものの、ちょうど磔にされている場面です。全編は書き終わりませんでした。
    書きかけの号さんパート抜粋→ https://privatter.net/p/8015866
    磔刑のち串刺し 審神者のそれよりも一回り、いや二回りは大きな両手が、目釘か杭かといった具合に左右の節を押さえ付け、褥へ磔にした。された方はたまったもんじゃない。十尺六分余を体現した器の、その重みの全てをたった二点に掛けられているのだ。手関節がみしりと嫌な音を立てたような気がした。掌も指もろくに持ち上がらない。こんな夜中にとんでもない無体を強いて一体どういうつもりだ、そう抗議するために睨み付けた日本号の顔は、予想だにしないものだった。雨に濡れた仔犬、といった愛嬌があればまだよかった。しかし目前に迫ったその表情は、今にも獲物に喰らいつかんと興奮を惜しげもなく発露させながら、その奥の戦慄をも晒していた。あの日本号が、血潮を滾らせた[[rb:眼 > まなこ]]が、欲望を湛えたまま怯え、戸惑い、震えているのだ。怯えたいのはこちらだ、などと無粋を思う余裕はなかった。なぜそんな顔をしているのか。たった一瞬で、審神者の頭はひとつの疑問に埋め尽くされた。その隙を、日の本一の槍が見逃すはずがなかった。
    5985

    あをあらし

    DONEDom/Subユニバースのにほさに。其の二。前回からちょっと進んだ。


    ―――
    こちら参考にさせて頂いた資料になります。

    Dom/Subユニバースのススメ(アドバンス編追加版)
    https://www.pixiv.net/artworks/52626061

    HOW to dom/sub ユニバース
    https://estar.jp/novels/25517129
    コマンド 寡黙な人だと思ってた。よく笑うくせに喋らないから、愛想笑いが豪快なだけかも、とも思ってた。
     そんな不本意な誤解が判明したのは、パートナーとなってから一ヶ月ほど経った頃。暖かな春の陽射しを浴びながらソファに凭れていた、とある昼下がりのことだった。やや大きめの声で伝えられる言葉を繋げていけば、会話が長続きしないだけでなく、コマンドさえも発さないものだから、声を出すこと自体が嫌いなんじゃないか、とまで思っていたらしい。どうして付き合いだしてから饒舌になったのかは疑問だけれど、本当にお喋り嫌いだったわけじゃなくて良かった、なんて言いながら、愛おしきSubはマグカップを両手にキッチンから顔を覗かせた。

     声を出すことが嫌い。それはあながち間違いではない。自惚れを抜きにしても、俺の声はそれなりに『良い声』をしているという自覚がある。ただ、そのせいで面倒事が起きることもままあった。特に一番多かったのは、出会って間もないSubからコマンドを求められることだ。あなたのSubになりたいと迫られるのはまだいい。Subにとって誰かに従いたいという欲は本能に基づくものであり、こいつはそれがとにかく強い個体なんだなと受け流せばそれで済む。しかし、あまり宜しくない手段でコマンドを引き摺り出そうとする奴も、いるにはいる。酔い潰そうだとか、自白剤や興奮剤のような薬を仕込むだとか、そういう方向へ会話を誘導しようだとか。全部未遂で終わったが、正直反吐が出そうだった。
    2375

    あをあらし

    DONEおてて本丸(爪鑢や手ックスしてる本丸)のif話。
    Ωの主と第二の性を持たない号さん。
    ヒート期間“だけ”主を独占できることに思うところがある号さん。
    つがいごと 時代の最先端、二二○○年代に生きる人間は、繁栄と引き換えに不可思議な性を獲得したのだという。異国の文字列を由来とし、階級別に名を振り分けられた第二の性は、個人の生活だけでなく社会的生活すら左右されるほどの影響力を持っているのだとか。あるふぁ。おめが。べーた。ひーと。ふぇろもん。ねすてぃんぐ。聞き慣れず舌に馴染まない言葉ばかりの説明を、俺は一つ残さず呑み干した。一等大事な主のためともなれば、物事の好き嫌いなど言ってはいられなかった。
     
     ごまんといる審神者の中にも、第二の性を持つ者がいる。その数は決して多くはないが、少なくもない。斯くいう俺たちの主もまた、特殊な性を持っていた。おめが、と呼ばれるそれは、現世においては被差別側に置かれるもので、とても生きにくい性なのだとか。幸いなことに、審神者は霊力の度合いでのみ優劣が付けられる職であり、本丸内に主以外の人間はいないため、この特徴のせいで虐げられるという事案は格段に減った。……らしいのだが、俺たちからしてみればその「格段に減った」現状ですら憤りを感じるものだったし、現世ではこれより酷い扱いを受けていたのかと思うとやるせない気持ちになった。
    3145