僕を変えてくれた存在 カーテンの隙間から朝陽が射し込み、ゆっくりと目を開ける。
むくりと身体を起こすと、昨夜共にベッドで眠ったはずのルカの姿が見当たらず、アンドルーは珍しく早く起きたのかと思いながらベッドから降りて着替えた。
顔を洗い、着慣れた黒いインバネスコートに袖を通し、ボタンを留めて手袋をはめ、砂時計を腰に掛ける。
イチハツのブローチを最後につけてルカは部屋に戻ったのだろうかと思いながら部屋を出て、ルカの部屋へと向かった。
「ルカ、居るか?」
ノックをするがいつも通り返事はなく、アンドルーはまた過集中かと思いながら扉を開けようとした。
しかし扉は開かず、鍵が掛けられているようで珍しくもう食堂へ向かったのだろうかと思っていると、エマが「アンドルーさん、おはようなの!」と声をかける。
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