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    eikokurobin

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    レニ/右爆/轟爆
    眠れぬ夜の小さな図書館

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    轟爆/ハロパロ/ショタおに

    #轟爆
    bombardment

    婚約指輪 深々と雪の降る夜、こんな骨の髄まで冷え切ってしまうような寒い夜はきっとアレがやってくる。どんなに戸締りをしっかりしていても、魔除けの類を山程飾ってもアレは何処からともなく侵入して、気が付けば俺の懐の中に入り込んでいるのだ。

    『カツキ、俺の湯たんぽになって』

     ほら、こんな風に。

    +++

    『また出やがったな、クソガキめ!』

     俺の苦情なんてひとつも気にせず赤子のように俺の胸に吸い付くド派手な紅白頭のガキの首根っこを掴んで引き剥がそうとするけど、コレが大層な馬鹿力で大人の俺でも骨が折れる。オマケにコイツの魔性を前に俺は無力、なにせクソガキは吸血鬼で俺は人狼、最初からコイツが望めば俺はコイツの眷属になると決まっている関係なのだ、

    『大丈夫、カツキにそんなことしねぇから、それにそんなんじゃつまらないだろ』

     だから思考を勝手に読むなって!それに、

    『そもそもテメェには湯たんぽなんて必要ねぇだろーが、もとから体温ねェくせに。この寒空の中俺からなけなしの熱を奪いやがって、俺を凍死させる気かよ』

     すると早速俺の首筋に小さな口を寄せて、

    『そうなる前にカツキを俺のお嫁さんにしてやるから大丈夫、俺は今すぐにでもお嫁さんにしてもいいんだけどな』

     と鋭い牙で物色を始め、もう片手を俺の性器の上に置く。立ってねぇの?って、バーカ誰がこんなガキとヤるかよ、まだ毛も生えていねぇガキがよォと可愛らしい鼻先を軽く弾いてやると、頬を膨らませて怒り出した。こういうところは可愛くて俺の中の警戒心も溶けていく。わーったわ、湯たんぽぐらいしてやるわと初めて俺から抱き締めると、赤ん坊みてぇにギュッと引っ付いてくる癖に、

    『早くカツキを抱きてぇ』

     一生おっぱい吸ってろ!今の所俺の乳を弄くり回すことしか出来ないマセガキは、確かに芯から冷たくて、寧ろ温めたら腐敗が進むんじゃね?って位に生きている感じがしなくて、でもスゲェ何かを欲しがっている。

    (吸血鬼の生い立ちなんて知らねーけど、多分母親の愛情みてェなモンを欲しがっているんだ)

    +++

     カツキはちょろくて甘い。ガキのなりした俺にすっかり絆されやがって、こんなんじゃすぐに悪い虫がついちまう。だから俺は時期尚早にも関わらずカツキの前に姿を現し、カツキを花嫁にする宣言をした。本当は性行為をしなくても血の交換で結婚は成立するけれど、吸血鬼たるもの様式美にはこだわりたいし、まだカツキから良い返事を貰っていない。会う度に口説いているのにどうやら本気とはとってくれねぇ。大きくなったら考えてやるって言ってキスひとつくれねえってのはあんまりだ。

     だから今夜はカツキの本気を確認する為に婚約指輪を用意した、後はどのタイミングで嵌めてやろう?

     俺に精気を吸い取られて深い眠りに堕ちたカツキの顔を改めてじっくりと眺める。出会った瞬間に凍りついた俺の心にヒビを入れ、俺の心をも奪った美しい獣はどこもかしこも美味しそうで、一度口を付ければとても一口だけでは終われない。だから俺は物色するだけ、何処がカツキの善いところか、何処を攻めたらカツキを堕とせるか。もっとも快楽を拾える場所を覗き込む。カツキの性器は16歳にしては幼い、一度も性行為をしたことがないからだ。カツキは俺に毛も生えていないと言ったけれど、カツキだって柔らかい産毛みてぇなのがちょろっとあるだけ、

    (俺に下着の中を見られているなんてカツキは知らねえもんな)

     一通り身体を撫で回し、どこもかしこも純潔なことを確かめてからカツキの手を取り婚約指輪を嵌める。この指輪は純潔なものにしか嵌められず、持ち主の純潔を穢すモノを直ちに死に至らしめる。カツキに悪さをする虫ケラも、カツキが他の誰かを好きになったならその相手をも、

     もちろんカツキが俺に惚れた場合は俺をも死に至らしめるだろう。さてどうなるか、カツキの白い薬指の根本まで指輪を嵌め込んだ瞬間、

     視界が断絶され俺は一度死んで、そして蘇る。嗚呼やっぱり!

    『もう身も心も俺のモノになってくれていたんだな、愛しいカツキ、カツキを喜ばしてやれるような身体になるまであと数年だ、それまで待ってくれ、愛しい愛しい俺の花嫁』

     一度俺を殺した指輪は、殺し終わった者は悪い虫としてカウントしない。やがて目を覚ましたカツキに晴れて婚約したことを告げると何やら悪態をついてみせるが、カツキが既に俺に純潔を捧げると心に決めていることを知った今俺はすっかりご機嫌になり、改めてカツキに抱き締めてもらいながらカツキの熱に身を委ねた。




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