悪戯最近気付いたけど、ピッコロさんはちょっと子供っぽいところがある。
僕に悪戯をして、にやりと笑ったり、僕が困ることをわざとしてふふんと鼻を鳴らしたり。
それはパンちゃんがちょっと大きくなってきて、おんなじように僕に悪戯するようになってから顕著になったから、きっとつられて幼児がえりでもしてるのかなって思って、適当に流してたのが仇となった。
僕が反応しないのに気を悪くしたピッコロさんは、たまに大学にくる事があれば、学生が来る間際を狙って唇を合わせるだけのキスをする。
せんせー、と間伸びした学生の声を聞きながら、唇を合わせ、さっと窓から外に出てしまう。
残された火照る僕が何度も学生に揶揄われるのを聞いて、外で面白がるように気が揺れているのを僕は知っていた。
「ピッコロさん!あれ、やめてください…」
懇願する僕に、何も言わず満足そうに笑う。
「…せ、せめて誰もいない時にしてください…」
そうやって結局僕の方が譲歩するのを、わかってるんだろうなと思った。
これはまた暫く続くなぁと思ってたある日。
ピッコロさんが僕の忘れた弁当を届けては、気が抜けてるとか、俺が持ってるくると思って、と説教をする。
まぁ、これは僕も悪いんだけど、それをへらへらと笑って誤魔化すと、ちっと舌打ちをされた。
そこにいつもみたいに学生の僕を呼ぶ声が聞こえる。
やばい、と思った瞬間、ピッコロさんは指から気を操って、ガチャリと鍵を掛けた。
え?と振り返る僕の頭を支えると、唇が触れる。
白いカーテンが舞って、僕らを隠すように包み込む。
そっと離れた後、にっ、と笑ったピッコロさんがその唇を指で拭った。
「これでいいだろう」
そう言って満足そうに笑う顔にグッとくる。
僕のお願いを聞いて譲歩された悪戯。
してやったりと言う満足そうな笑み。
全てがなんだか愛しくて、応えるようにもう一度唇を合わせる。
「よくできました」
そう言って笑う僕に目を丸くするのも面白くて、僕はへへ、と笑った。
-悪戯-