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    alcoholpower100

    @alcoholpower100

    アルコールパワーで生きてる

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    alcoholpower100

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    現パロ✳️🦌の4月1日SS。✳️目線のお話。続きは二人だけの秘密ということで。

    ゆめうつつ 寝ても寝ても寝足りない土曜日の朝。
    春は何故こんなにも睡眠に貪欲になってしまうのか。
    もぞもぞと隣で寝ているはずの恋人を抱き寄せようと手で探る。
    だが、どこを触っても暖かい人肌に触れることは無かった。
    パタパタとシーツを叩いていると
    「ん、もう起きたのか」
    少し離れたところから求めていた恋人の声がした。
    「ん……」
    寝返りを打ち、まだぼんやりとする視界を凝らす。
    上は黒いTシャツ、下は黒のボクサーパンツ。
    片膝を着く格好でタンスの一番下を開けて何かを探している様に見えた。
    どうやら今日一日を共にするズボンを探していたらしい。
    まだ声帯が寝ているため、ポンポンとシーツを叩いて愛しの恋人を呼ぶ。
    「なんだ、二度寝のお誘いか?」
    タンスを閉めると膝に手を置き立ち上がった。
    どうやらズボンを選ぶ事は諦めたらしい。
    また睡魔がやって来てまぶたが重たくなる。
    素足でフローリングを歩く音、ベットが軋み沈み込む感覚。
    「まだ眠いだろ?」
    幼子を寝かしつける手つきで頭を撫でられる。
    なんともむず痒い感覚に唸り声を上げ、体を縮こませた。
    「今日は土曜日だ。まだ寝てろ」
    頭から手がふわりと離れる。
    ああ、まだ、まだ行かないで欲しい。
    咄嗟に離れた腕を掴む。
    「どうした?」
    慌てること無く、反対側の手で掴んだ手を包み込まれた。
    「……添い寝、して」
    酷く掠れた声が出てしまった。
    掴んだ腕をグイッと引く。
    寝起きの力なので弱々しいが、布団へ誘う意思だけ伝われば良い。
    「添い寝だけで終わらせる気ないだろ」
    少し呆れたような声色。
    「ううん……なんも、しねえ……」
    もう一度腕を引く。
    「はぁ、全く寂しがり屋なジジイだな」
    大きなため息の割に怒っているとは思えなかった。
    寧ろ悪戯した子どもを叱った後に結局許してしまう母親みたいな愛情を感じ取った。
    簡単に握った手は解かれ、被っていた布団が少し捲られ、またベッドが沈み込む。
    体同士は触れていないが、キラウㇱの匂いと温もりが布団に加わったことを感じた。
    「ほら、これで満足か?」
    肩をポンポンと叩かれる。
    子守唄さえあれば完全に子どもを寝かしつける感覚なのだろう。
    「んん……」
    もぞもぞと近づき、抱き寄せた。
    求めていた温もりに安心する。
    「今日の門倉は何だか子どもみたいだな」
    また頭を撫でられた。
    既にはっきり見える様になった目に柔らかで優しい笑顔が映る。
    なんだか余裕があり隙だらけの恋人にむくむくと邪な思いが芽生えた。
    脚を絡ませて、ボクサーパンツの中でお休み中の箇所を太腿でグリグリと刺激する。
    「お、おい」
    急な事に慌てて撫でていた手を頭から離した。
    その手を掴み、ゴロンと覆い被さる。
    油断しきった男を組み敷くなど、だいぶ覚醒してきた門倉にとって造作もないことだった。
    「何もしないって言った」
    普段隠れている眉を寄せ、眉間に皺が刻まれる。
    「ん、あれだ。エイプリルフール」
    空いている手で前髪を掻きあげて、おでこに口付ける。
    「……門倉なんか嫌いだ」
    口を離すと頬をほんのり桃色に染めた顔。
    「お前さんも嘘つきだね」
    今度は唇に軽い口付け。
    太腿をグリグリと動かし刺激を与えると、先程より硬さが出てきたのを感じた。
    誘い込んだ獲物をどうしてやろうか。
    既に熱に浮かされた獲物を見下ろす。
    今日はまだ始まったばかり、焦ることは無い。
    舌なめずりをして、次の一手を考える。
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    recommended works

    eringi5507

    MAIKINGすごろくのスタート時点のお話をかきました。
    まだまだ未完成ですが収まらぬ興奮を消化させたくかいてます。
    青春病ずきん。薄暗い部屋にカーテンの隙間から朝日と一緒に通りを歩く学生たちの声や車のエンジンの音が細長く差し込む。わざわざ体を起こすのも面倒だ。キラウシは小さく舌打ちをする。温い布団の裾から凍える空気を切り裂くようにつま先を延ばし、藍色のカーテンを少しずらす。窓の外は葉を落とした立木が寒そうに震えている。天気は重く灰色に曇っているが、晴れ。
    部屋の中はとても静かだ。向かいの壁に掛かっている時計の秒針の音だけが響く。まだ仕込みを始める時間でもないが、二度寝するほど気抜けた気分でもない。
    キラウシはのそりと半身を起し、腕を大きく上げて伸びをした。ついでに「ふぁあ~~」と情けない声と一緒に白い息が上がる。覆いかぶさってくる冷気にぶるっと体を震わせ急いで布団の上の半纏を羽織る。毛羽立った布団を押し入れに押し込むように片付けると、日に焼けた畳の自室からひんやりとした廊下をぺたぺたと歩き、つきあたりにある洗面台で顔を洗う。疼く傷跡を伸びきった前髪をかき上げて見る。向かって右側の髪の生え際から眉間に向かってナメクジがうねった跡のような白い傷跡がある。こんな寒い日は思い出したように存在を主張してくる。くっそ。以前ほど目立たないが人から何となく視線を感じるのが嫌なので北海道のフチが送って寄越すマタンプシを巻く。
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