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    めざしねこ

    @yakisoba13pan

    十三機兵にハマって、比治沖に転がりました。

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    めざしねこ

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    ジェレミーのこと好きなのですが、アレイン殿下がジェレミーを仲間にした理由がわからないのでとりあえずこじつけようとした話です。
    後半進まないのでとりあず前半だけ上げておきます。
    2025.3.9

    #ジェレミー
    jeremy.
    #アレイン
    #ユニコーンオーバーロード

    Still the moonlight 久々に街の酒場へと立ち寄り、ジェレミーが一人酒を楽しんでいると、ただでさえ煩い店内が一際騒がしくなった。罵声などは聞こえないので、酒場にありがちな喧嘩ではなさそうだ。巻き込まれないのであれば構うことはない、無視を決め込んでまた酒を飲んだ。
     この店はツマミも悪くない。テーブルの上を眺めながら、次はどれを胃に入れてやろうかと悩んでいると急にそれらが陰った。誰かが目の前を通って一時的に陰っているだけなのかと思ったが、影は離れずいつまでも暗いままだ。一体誰がそんなところで立ち止まっていやがるのかと顔を上げると、そこにいたのは思わぬ人物だった。
    「あららぁ……どうしたんですかダンナ、こんなところに」
     立っていたのは随分と真面目な顔をしたアレインだった。
    「ここ、良いだろうか」
     正面の椅子に触れながらそう尋ねてきた。
     先程騒がしかったのは解放軍のリーダーであるアレインがやってきたからだろう。アレインも随分と顔が売れてきた。どこに座るのかと店内の視線を集めている。アレインだけではなく話しかけられたジェレミーにも注目が集まっているようだった。
     居心地の悪さを感じながらもさらに酒場内を見回すが、他の仲間は誰もいない。アレインは一人でこの酒場にやってきたようだ。
     ジェレミーは各地の町や村に寄ればいつも酒場に寄っていたが、そこにアレインが一人でいるところなど見たことがなかった。このおかしな状況に警戒を強めるが、自分に断る選択肢はないだろう。
    「どーぞ、ダンナ。へへ、こんなところで会うたぁ珍しいですね」
     笑いながら「ささ、座ってくださいよぉ」と着席を促す。
     アレインが一人で飲みに来たという可能性は考えづらい。それならば自分に用があるのだろうが、最近の行動を振り返っても解放軍に所属してからは大人しくしていたつもりだ。しかし他の誰かがジェレミーの行動を解放軍として相応しくないとアレインに伝えたのかもしれない……解放軍には素直で真面目な良い子ちゃんが多い。その可能性はありそうだった。
     そうなると、ついに解放軍をクビになるのかもしれない。しかし状況がわからない今、結論を出すのは早計だ。とにかく喋って場を繋ぐしかない。こちらが余計なことを喋るよりは、アレインに色々喋らせて情報を引き出す方が良い。そう考えたジェレミーは次々に質問を投げつけることにした。
    「しっかしこんな場末の酒場になんてやって来てどうしたんですかい? 市井の視察ってことですか?」
    「いや」
    「じゃぁ今日は飲みたい気分だったんすか?」
    「いや」
    「腹、減ってます?」
    「そうじゃない」
     それっぽいものを上げたつもりだが、どれも否定される。
     「じゃぁ何しに来たんだ!」と言ってやりたかったが、自分はそういう立場にはない。他に何か続く会話はないかと考えたが特に思いつかず、ならば笑わせてやれと、思いついた冗談を投げつけた。
    「そうするってえと、俺に会いに来たとかですかね、ダンナ!」
    「そうだ」
    「そうですかー! ………は?」
     笑うかはともかく、見当違いのことを言って反応を変えようと思ったのだが、こちらの問いかけは打ち返されてジェレミーの遥か頭上を越えていった。
    「……今なんて」
    「ジェレミーに会いに来たんだ」
     急に周りの時間が止まったような気がした。周りの音が聞こえず、全ての動きも止まったようだった。
     しかしそれが自分が呼吸をとめてしまっただけのだと気づいて、静かに息を吐いた。まっすぐに見つめてくるその瞳が今の言葉が聞き間違いではないことを確信させる。
    「そりゃぁ……何の用事ですかね?」
     先程も考えたが、やはりアレインがわざわざこんなところまで来て自分に会いに来る理由は思いつかない。ただ単に態度を改めろだとかこうしてほしいとかなにかあるならば、天幕まで戻った時に自分を呼びつければ良いだけだ。
    「最近はダンナに咎められるようなことは控えているつもりでしたが、なんかやっちまいましたかね?」
     罪状を言われるよりも先にゲロってしまえとこちらから尋ねる。するとアレインは「いいや」と首を振る。
    「そうじゃない。ジェレミーに聞きたいことがあって来たんだ」
     自分に聞きたいことがあるなんて、ますます心当たりのないことだ。やはり誰かが告げ口したことの真偽を確かめようとしているのか。お優しいダンナのことだ、一度認めた仲間が悪いことをしたとしてもまずは自ら確認をしよう、ということだろう。
    「はぁ……なんでしょうかね?」
     こちらが促すと、アレインは一瞬ためらうような表情をしてからそれをすぐにかき消し、覚悟を決めたように口を開いた。
    「ジェレミーは初めて人を殺した時のことを覚えているか?」
    「…………」
     完全に予想外の質問に言葉を失くす。
     自分の罪を咎められるかと思ったのに、思わぬ問いに返せる言葉がなかった。しかしその表情は真剣そのものだ。軽い気持ちで聞きに来たわけでもないことが伝わってきて、ジェレミーは何か返さねばと口を開いた。
    「あー……どうでしたかねぇ……」
     それでも出てきたのはそんな一言だった。
     まぁた重いテーマが振られたもんだ、と内心焦る。ここまでコルニアとドラケンガルドの各地をゼノイラの手から解放してきた軍のリーダーがこのタイミングで自分のような人間に尋ねる問いではないだろう。問うべき人物……いつも近くにいるジョセフやホドリック辺りに聞くのが妥当ではないか。
     そう考えていると、アレインは一言「そうか」とだけ言い、その場には沈黙が生まれてしまった。
     そこから続く言葉はないのか! と戸惑ったが、アレインの態度からその言葉に含まれた意味を察し、なるほどなと納得した。こうなると自分の勘の良さに感心してしまう。ここで恩を売っておくのは今後の自分のためにもなるはずだ。その問いに対して真摯に答えることでアレインのジェレミーの印象は変わるだろう。
     しかしアレインが店にやって来た時よりはこの席への注目度が下がったとはいえ、多くの人が集まるこの場所で話すには話しづらい話題だ。
     しかたねぇな、勝ち筋を整えるためにも一肌脱ぐか。
     ジェレミーは残っていた酒を一気に煽ると立ち上がり、笑顔でアレインを見下ろした。
    「ダンナァ、ちょっといい酒あるんで付き合ってくださいよ」
     よく見る媚びるような笑顔ではない、満面の笑みのジェレミーを見てアレインは静かに頷いた。
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    めざしねこ

    DOODLEハロウィンの時期のグロジェレ。
    グロスタが自分のことを好きだと知っているけど、自分はつれない態度をするし、気持ちを告げられたとしてものらりくらり交わし続ける。
    年上に言葉巧みに振り回される攻めと、振り回してるけど最終的には押し負ける受けが好きですね。
    2024.11.4
    お菓子を配ったそのあとで「戻っていたんですか?」
     自分が一番に天幕に戻って来たと思っていたのに、中に入るとこちらに背を向けてベッドで寝転ぶジェレミーの姿があった。
    「ん? あぁお疲れさん」
     こちらを見ずにひらひらと手を振りながら背中で話す様子は随分とリラックスしており、ついさっき戻って来たと言うわけではなさそうだ。
    「ちゃんとお菓子配ったんですか?」
    「いや~誰も俺様のところには来なかったから、さっさと帰ってきちまったってわけ」
     うぅーとベッドの上で身体を伸ばす様子にちゃんとこちらの話を聞いているのか不安になる。確かにベッド横のテーブルにはお菓子が入ったままのカゴが放置されていた。
     誰が提案者かは知らないが、今日はハロウィンだからと駐留しているこの街の子供達に解放軍みんなでお菓子を配ろうという話になったのだ。お菓子はクロエが監修したというから、味は心配ない。
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    めざしねこ

    MOURNING七夕の次の日に書き始めて、書けねぇ……書けねぇよぅ……ってなりながら七月が終わりそうになったので、こちらに供養します。
    あんまりまとまってなくて恐縮です……
    たなばたの話 沖野の部屋の前まで来ると呼び鈴を鳴らして反応を待つ。すぐにロックが解除された音がして、ドアが開いた。部屋の奥まで進むと、沖野は真剣な顔でモニターを見ていた。
    「呼び出してすまなかったね」
     こちらが見ているのに気付いたのか気付いていないのか……その口からは謝罪の言葉が出るものの、こちらを見ずに画面から目を逸らさない。謝罪の態度ではないが比治山は気にならない。
    「構わん、どうせ時間はある」
     そのまま比治山は部屋においてあるソファに座る。作業部屋にソファを置いたのはこうして比治山が作業中の沖野を待つことが多いからだった。今日もいつも通り作業をこなす沖野を後ろから眺める。左のモニターの数値を見ながら、右のモニターへ入力を行っているが、それが一体何なのか比治山は知らない。一度説明してもらったこともあったが、その頃とは違う作業を行っているだろうし、何よりその時も言葉が理解できなかった。適材適所、という言葉を心に刻んだのも良く覚えている。
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