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    めざしねこ

    @yakisoba13pan

    十三機兵にハマって、比治沖に転がりました。

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    めざしねこ

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    めざしねこさんには「届かないとしても伝えたい」で始まり、「今なら伝えられる」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば5ツイート(700字)以内でお願いします。

    沖野を失った直後の比治山くん。
    2023.1.13

    #比治沖
    beechcraft

    「届かないとしても伝えたい」で始まり、「今なら伝えられる」で終わる物語 届かないとしても伝えたい。
    「沖野……」
     伝えたい相手の名前は口にできるのに、伝えたい言葉が続かない。
    「沖野……」
     口を開いても言葉になるのはそこまでだ。
     認めたくなかっただけなのは自分でもわかっていた。揶揄われて、意固地になってしまったこともある。それに今伝えなくても、もっと落ち着いてから……気持ちの整理がついてから伝えたらいいと思っていた。それがこんな唐突な別れになると誰が思っただろう。
     考えないようにしようと思えば思うほど沖野と過ごした日々を思い出す。桐子であった時よりも、この時代に来て沖野として過ごした日々が次から次へと浮かんでくる。それは勿論、最近の記憶だからということもあるだろうが、それよりも自分にとって大切だったのは桐子ではなく沖野だったのだという証拠の一つだろう。
    「沖野……」
     ちゃんと自分でも理解している。認めている。今の想いを伝えたい。俺がどう思っているのか、どんな風に貴様を見ていたのか……
     けれどそれは叶わない。二度と出来ないのだ。
     悔しさと苦しさと悲しさと……それら全てが今までの自分の行動に追い打ちをかけるよう責め立てる。
    「沖野……どうして……」
     後悔しても、もう遅いのだ。
     今なら伝えられるのに。
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    めざしねこ

    DOODLE去年風の強い日に書いていた話。
    なかなか進展しない関係にヤキモキする沖野くんのお話。ちょっとだけ五百里ちゃんが出ます。

    なかなか風の強い日がなくて一年越してしまいました。
    きっと新天地の拠点は防音バッチリだと今なら思います。

    2024.2.15(初めに書いたのは2023.3.16)
    風の日 ゴウゴウと鳴る風の音は耳に入っていた。ただ作業に集中していたから気にならなかっただけだ。ふと時計に視線を向けると、深夜1時過ぎ……一般的にはもういい時間だ。けれど僕にしてはこれからが作業時というタイミングで集中力を欠いた上、随分と耳障りなこの音を無視して作業に戻ることは出来なさそうだった。
    「……眠るか」
     たまには早く眠るのもいい。ディスプレイを消すと、柔らかな光を放つ間接照明の光だけがぼんやりと室内を照らしている。その光を頼りにベッドに入り込むと照明を消した。
     暗闇の中、目を瞑る。
     唸る風がぶつかり窓を叩く……その音がやけに耳についた。
     拠点の窓は風などで壊れたりしない。石が飛んできたって銃弾が飛んできたって弾き返すだろう。それでも何故か完全防音になっていない。無視して眠ろうとするが、そう思えば思うほど耳が風の音を捉えてしまう。
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    めざしねこ

    MOURNING七夕の次の日に書き始めて、書けねぇ……書けねぇよぅ……ってなりながら七月が終わりそうになったので、こちらに供養します。
    あんまりまとまってなくて恐縮です……
    たなばたの話 沖野の部屋の前まで来ると呼び鈴を鳴らして反応を待つ。すぐにロックが解除された音がして、ドアが開いた。部屋の置くまで進むと、沖野は真剣な顔でモニターを見ていた。
    「呼び出してすまなかったね」
     こちらが見ているのに気付いたのか気付いていないのか……その口からは謝罪の言葉が出るもののこちらを見ずに画面から目を逸らさない。謝罪の態度ではないが比治山は気にならない。
    「構わん、どうせ時間はある」
     そのまま比治山は部屋においてあるソファに座る。作業部屋にソファを置いたのはこうして比治山が作業中の沖野を待つことが多いからだった。今日もいつも通り作業をこなす沖野を後ろから眺める。左のモニターの数値を見ながら、右のモニターへ入力を行っているが、それが一体何なのか比治山は知らない。一度説明してもらったこともあったが、その頃とは違う作業を行っているだろうし、何よりその時も言葉が理解できなかった。適材適所、という言葉を心に刻んだのも良く覚えている。
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