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    支部にあげていた「塩嫁」のボツ話。
    千寿郎くんのコソコソ話シリーズ
    本当は支部のキャプションとかにのせようかと思ったけど、毎回書くの辛くなりそうだから、ボツになりました。
    メインストーリーとはズレてたり、違ったりしてるのは許してください。
    なんてったって、ボツだから…

    #鬼滅の夢
    DreamDemonSlayer

    千寿郎のコソコソ話シリーズ千寿郎のコソコソ話


    女性の方の容姿をどうのこうの言うのは失礼であるという事は百も承知なのですが、○○さんは、今まで兄上に来た見合い相手の方々の中ではとても普通というか…特段目立つような方では無いんですよね。 
    今までは皆さん、名家のご令嬢ばかりで驚くほど綺麗な方ばかりでしたので、なんでこんな方がという印象でした。
    着物もとても地味なものでしたし、肌も少し焼けていました。手先はあかぎれで真っ赤になっていましたし、所々に古傷らしき後まで見えるんです。初めは兄上と同じ鬼殺隊の方なのかと思う程、手先は荒れていました。でも、少しやつれた頬に、驚くほど細く肉の無い腕では到底刀など握れそうもなく、すぐに一般の方だと分かりました。
    とにかく、到底見合いに来るような状況では無いのです。
    ほとんど化粧すらしておらず、働いていた所をそのまま連れて来られたというような感じでした。
    伯母上帰宅後、無理矢理連れて来られたと説明され納得がいきました。不満そうな顔が不本意さを物語っていましたから。
    そそくさと帰ろうとする○○さんを見て、この方はこのまま闇夜に溶けてしまうのでは無いかと不安になってしまいました。
    だからだと思います。あんなに必死になって○○さんを引き止めてしまったのは…
    次の日の朝、一緒に並んで朝飯を作っていた時、土と汗と石鹸の匂いがして…何というか…母の匂いとはこんな感じなんじゃないかと思ってしまいました。
    未婚の方に母とは失礼ですよね。
    でも、あのふわりと香る匂いは、なんだか懐かしい感じがして胸の奥が暖かくなりました。
    僕があの人の事をほおっておけなかったのは、そのせいかもしれません。
    僕は○○さんを通して母を見ています。




    ***
    千寿郎のコソコソ話


    兄上はご存知ですか
    ○○さんは毎朝冷えた握り飯を食べるんです。
    いくら炊きたてのご飯があっても「これがありますから」と言って食べないんです。
    そもそも、何故冷えた握り飯を持っているのか謎でした。

    よく観察してみたら、握り飯を食べる日と食べない日があったんです。
    もっと調べたら○○さんが握り飯を食べる日は、兄上が任務で居ない日だけだという事が分かりました。
    そして、昨晩兄上が帰ってきた日は、握り飯を食べていませんでした。
    握り飯を食べたのは兄上ですよね

    ○○さんは、兄上が任務でいない間、いつお腹を空かせて帰ってきてもいいように毎晩握り飯を握っていたんです。
    本当に優しい方ですよね。

    でも、少し心配なんです。
    ○○さんは、いつも人に気配りばかりして自分の事は蔑ろなんです。
    もっと、本当にちょっとでもいいから、自分を大切にしてくれたらいいのにと思います。


    ***
    千寿郎のコソコソ話


    いつぞや、○○さんが買い物に行ったきりなかなか帰って来なかった事があったんです。
    何をしているか心配になって外に出てみれば、近所の子供達とコマ回しをしていました。
    あんな風に無邪気に笑う姿を見たことが無いものですから、とても驚きました。
    僕がいる事に気がついた時の気恥かしそうな顔もはじめて見ました。
    聞けば、○○さんには兄がいて、子供の頃は男の子がする遊びばかりしていたそうです。
    ○○さんにも兄がいる事を知って嬉しくなりました。
    ○○さんは「実家は大家族」と言ってはいましたが、それ以上の事は教えてくれませんでしたから、少しでも○○さんの事を知れて良かったです。
    あまり自分の事を多く語る方では無いので、これは大きな一歩だと思いました。
    どことなく人と距離を起きたがる人ですから…
    いつか、気兼ねなく他愛のない話ができたら良いなと思っています。


    ***

    千寿郎のコソコソ話

    ○○さんは毎日毎日休む暇もなく動くものですから「少し自分の時間を作ってはいかがですか」と言った事があるんです。
    そしたら次の日、○○さんは庭の隅に畑を作り始めました。「私の趣味は畑いじりですから」って。
    つくづく休めない人だなと苦笑してしまいました。

    畑に何を植えようかと聞かれたので、僕は軽い気持ちで兄上の好きなサツマイモをお願いしたんです。
    そしたら○○さんは何日も何日も畑を耕す事になってしまいました。
    後から知ったのですが、サツマイモのような土の中でできる野菜は、土の柔らかさがとても大切なんだそうです。
    土を耕し終えるのに数日かかってしまいました。
    兄上、知っていますか
    ○○さんの手は、刀を握る兄上のように硬く豆だらけなんです。
    聞けば小さい頃から畑仕事をしていたからなんだそうです。
    僕は○○さんに「自分の時間を持って」と言った事を後悔しました。
    僕が言わなければ、今頃○○さんは畑仕事せずにいられたのかもしれないから…

    でも○○さんは「サツマイモが出来るのが楽しみですね。」と笑うのです。
    本当に人の為に動く事を苦と思わない人なのだと思いました。
    今日から一緒にサツマイモ作りをしていこうと思います。
    出来たら大好きなサツマイモの味噌汁を作りますね。
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