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    mituguu

    @mitu_25pupu

    20↑|🔞腐向け小説を書く文字書き|アクナイ銀博♂︎中心|完成版は支部にて↓
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    mituguu

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    【銀博♂】銀灰氏に捨てられたくない博の銀灰氏側の話|博の依存と弱さを嬉しく眺めてる系な悪いオトコ|続きたいですねぇ

    #銀博♂
    #アークナイツ
    arkKnights
    #腐向け
    Rot

    「盟友」
    甲板の柵に背を預け、空中を優雅に飛ぶテンジンを見上げた間々、盟友は動かない。
    だがテンジンを熱心に観察している訳ではないようだ。
    宙を旋回する姿に目を向ける訳でもなく、ただ頭上を眺めて動かない。こういう事が盟友は時折ある。
    まるで主電源を落とした機械のように、身じろぎさえしなくなるのだ。
    他のオペレーターから注意されたと、本人からも聞いているが、何度も目にすると心配にはなる。
    今度は名前を呼んでみたが、やはり反応はない。
    そっと肩を抱いてみたら、びくっと盟友の身が飛び上がった。
    「…すまない」
    「ううん。私こそ、ごめんね。またスイッチを切ってたよ」
    盟友はコートのフードを、すっと外した。
    透けるような頬を膨らませて、息をおおきく吸い込み呼吸をしている。
    「時々ね、考えてしまうんだ。なんで、こんな事してるのかなぁって」
    返答に困った。
    だが盟友は私の答えを待たず、空を仰ぎ言葉を続ける。
    「記憶がなくなって、此処で指揮を取るのが仕事だと思って頑張ってるけど。本当に此処に居て良いのかなって…突然たまらなく不安になる時があるんだ」
    相づちさえ打たずにいる私の上着を盟友が握った。
    切羽詰まったり、困ったとき盟友は何かを握る癖がある。
    本人もこの癖には気がついているが、直せないのだろう。私が話を聞くときに、体勢を変えるのと同じことだ。
    「怖くなるんだ、急に。どうして此処にいるのか、これは正しい選択なのかって」
    見る間に盟友の目元に涙がたまる。
    空を仰ぐ顔がくしゃりと歪み、ついに泣き出してしまった。
    「君たちオペレーターは命をかけて戦ってくれてるのに、情けないなって思うんだ。でも時々とても不安で…私は…」
    抱いた肩を引き寄せる。盟友は素直に、私の胸に収まった。
    「ごめん、シルバーアッシュ」
    嗚咽を噛む声は震えている。
    「心配しなくても良い。お前の気持ちを、私は理解している」
    記憶喪失も重度といえる盟友だ、その身にかかる負荷は推察できる。
    自分が何者なのか知らぬのに、この世界はどうなのかを理解し、戦術を指揮するのは並大抵なことではない。
    「辛いときは甘えると良い。私は必ずお前の傍にいる」
    ひっひっと、しゃくりあげながら泣く盟友。私は華奢な肩を支え、身を寄せた。
    「シルバーアッシュっ―」と言いながら、強く私の上着を握りしめる。
    ロドスは盟友に、どれほどの負荷をかけているのか知らないのだろうか。それとも知っており、わざとそうしているのか。
    もしくは強靱な精神力があると過信している、それかわざと壊そうとしているのか。
    だがそこは、私の興味のある範囲ではない。

    重要なのは『追い詰められたとき、盟友は私を選択する』という事実だけだ。
    ロドス内部に助けを求めることは事実上不可能。だが内部事情に精通し、ロドス寄りではなく、頼れる人物に助けを求めてくる。
    (…それは私)
    盟友は一番先に私へ助けを求めるようになる。
    興味がない素振りを常々していたが、想像よりも盟友は、私との関係を重きに置いていると分かった。
    『飽きられると困る』
    『シルバーアッシュは何も失わないじゃないか。私は身体の外も中も、君使用に変えられてしまったのに』
    『まだもうちょっと、捨てないで。私を捨てないで』
    そう泣かれた日を私は覚えている。
    これには、かなり驚いた。
    じわりじわりと、お前の端まで私の味で染めてやろうと考えていたのに、既にそうなりつつあったという訳だな。
    こちらが手を差し出したら、喜んで私の手を取る準備は整っている。
    盟友は私が居ないと生きていけない。
    「ごめん、ごめんね。シルバーアッシュ」
    泣き続ける盟友の背を優しくさすってやった。
    「気にするな」
    弱り切った盟友は私から離れなくなる。そう遠くない日に、必ず。
    「こんな情けない姿、嫌われてしまう―」と涙声で訴える盟友を両手で抱く。
    癖のついた髪を撫でながら、私は得も言われぬ高揚感に溺れていた。
    「私がお前を嫌うはずない。心配するな」
    赤く目元が腫れた盟友が私を眺めた。
    愛らしい顔は、常より幼くみえる。
    「本当?」
    「本当だ、嫌うわけがない」
    白く透けるような盟友の肌に涙が伝う。
    「ありがと、嬉しいよ」
    私の身に額を預けた盟友を、強く抱きしめてやる。
    「あぁ、我が盟友よ」
    お前は、なんて愚かで愛らしいのだろうか。
    ロドスの優秀なる指揮官だというのに、力を込めれば壊れてしまいそうな脆さが両立している。
    (…これは私しか知らない)
    世界がお前を追い詰めるほどに、私の存在はより質量を増してゆく。助けを求めたいと願ったときに必ず、お前は私を選ぶだろう。
    盟友。
    お前は私のものだ、ずっと。
    「もう泣くな。私の前ではもっと楽しそうにしてくれ」
    空洞のお前のなかに、私が満ちてゆく。それを眺めることを愉快と言わず、何と言おうか。
    これからも柔らかく甘い餌を与え続けてやろう。
    私以外はお前のなかに侵入する隙を与えないようにしておこうではないか。
    「シルバーアッシュ」
    盟友は私の片手を取り、丁寧に包むように両手で握りしめた。そして此方を仰ぎ見る。
    「ずっと一緒に居てね」






    たくさんの方が読んでくださって感謝してます
    これはエロくない方が良いやつですかねぇ('_')
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