Stay lucky 撃墜された身でよく生きてくれていたと、そう思った。
道端で拾い上げ、自分と同じ道を歩むようにと育てた愛弟子が空から落ちたあの日。地上で指揮を取りながら聞いた愛弟子を乞う男の叫び声ではじめてオルトゥスが撃墜されたことに私は気がついた。
何度も繰り返される男の声へ応えるように絞り出されたラスティの囁きは戦場の中だと言うのに脳内に響く。墜落ポイントがダイレクトに送信されてきたのはその数秒後。そうして、それが地へ墜ちる2人から送られた最後の通信だった。
少しだけガタつく車の中からのどかな村や畑の様子が見て取れる。ルビコンの中でも温暖な気候だと言えるこの土地にようやく立てるようになったばかりのラスティを追いやった。自由を手にしたルビコニアンが次に石を投げるのが誰かだなんて火を見るより明らかだったからだ。
1731