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    nantonac64

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    nantonac64

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    漫画用シナリオ3

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    【オリジナル漫画】『these stones』時計編 シナリオ3漫画用シナリオ


    [差し出される書類。マッキンリーは自分の手を見ていた。書類を受け取る手。イーハイである。]


    イーハイ「……あの〜……あの死体押し付けてきたの、」
    イーハイ「キミんトコの隊長さんなんだケド」
    マッキンリー「だから委任状を出しに来たんですよ、ブチ飛ばしますよ」
    イーハイ「アレェ? えっ? キレ気味」
    マッキンリー「八つ当たりはしませんから一発殴らせてほしいんですけど、良いですよねイーハイ隊長」
    イーハイ「何もヨクナイんだケド」
    イーハイ「果てしなく八つ当たりだよねソレ」
    イーハイ「どんだけフラストレーション貯まったらそうなるの」
    マッキンリー「察してください」
    イーハイ「えっ、あっ、うん、なんかゴメン」
    ナギサ「心中お察しして余りあります」
    イーハイ「待って? このタイミングでソレ言われるとココロにクるんだケド」
    イーハイ「ナギサちゃん普段オレに何思ってたの」
    ナギサ「果てしなくウザいナンパ癖のクソです」
    イーハイ「オレの味方ドコなのこの空間?」
    イーハイ「てかオレじゃなかったらキミたち一発クビだよ?」
    ナギサ「喜んでお暇を頂きます」
    イーハイ「待って待って待って待って 分かった、ゴメン! ゴメンナサイ」
    ナギサ「……だ、そうです。マッキンリー様」
    マッキンリー「ここの隊もウチとあんま変わんねぇな」
    ナギサ「こうでもしなきゃやっていられない、……という事です。」
    ナギサ「あなたもそうなのでは? マッキンリー様」

    [ナギサの言葉を受け止めるマッキンリー。その様子をイーハイが見ている。]

    イーハイ「マッキンリー殿。」

    [イーハイを見るマッキンリー。しかしそこには普段の軽薄そうな空気を消したイーハイが映る。]

    イーハイ「キミのところの隊長殿がオレに何かを頼むときって、大体が『とてもヤッカイなこと』だったりするんだ。」
    イーハイ「あ、クジョーを言いたいとか、そんなんじゃないよ。」
    イーハイ「単に個人的な───……うん。友人の警告として受け取って欲しいから、今言っておくね」
    イーハイ「『キミがイラつくのはよく分かる』。」
    イーハイ「『ただし個人的な感情を抑えられないなら、この件はキミたちに任せることはしない』。」
    イーハイ「………わかった?」

    [イーハイはまっすぐとマッキンリーを見る。]

    マッキンリー「……………イーハイ隊長、」
    マッキンリー「あなたは、どこまで………」
    イーハイ「んーん、オレは何も知らないよ。」
    イーハイ「でも、強いて言うなら、オレもキミたちとはそれなりのツキアイだってこと」
    イーハイ「だから、うん、そう」
    イーハイ「なーんとなく分かっちゃうんだよ。」
    イーハイ「『彼』の行動パターンってやつがね。」
    イーハイ「そうだろう?」
    マッキンリー「………………」
    イーハイ「まぁ、オレも死体の検視にはクリスくんの『眼』を借りたいし」
    イーハイ「……そういうことにしておくよ。」

    [イーハイは委任状にサインし終わり、判を押してからナギサに渡す。ナギサはマッキンリーの前にゆっくりとした動作で委任状を差し出す。]

    ナギサ「お受け取りください」

    [マッキンリーは委任状を一瞥し、ゆっくりとした動作でそれに向かって腕を伸ばした。]



    These Stones



    ???「ほー、じゃあ隊長は行方不明で、副隊長は出かけて留守なのか。」
    クリス「う、うん。ごめんね」
    ???「いや、なんでクリスが謝るんだ? 悪いのは勝手に消えたササラギ隊長だ」
    クリス「う、うん、そうなんだけど……」
    クリス「一応、僕の話聞いたあとに居なくなっちゃったから……」
    ???「隊長が勝手にいなくなるのはいつものことじゃないか。クリスが気にすることないだろ。」
    ???「グロークとラタの言うとおりだよ、クリス。気にしないでいいからね。」
    クリス「スクルトさん……」
    ???「仕方ないから、報告書は作っておくだけ作って保管しておくか。マッキンリーさんが帰ってきたら出せばいいしな」
    クリス「トスクさん達って今回どこに行ってたんでしたっけ?」
    トスク「僕たちは今回北側だったんだよ。」
    ラタ「ハズレだったんだけどね。」
    ラタ「前回はグロークのせいで酷い目にあったから、まだ良いけど。」
    トスク「何だと 何であれが僕のせいになってるんだ」
    ラタ「おまえが川沿いを歩こうとか言うからあんな目にあったんじゃないか。」
    トスク「お前が歩きたいって言ったんだろ」
    スクルト「こらこら、二人とも。一週間前のことで喧嘩しないでよ。」
    スクルト「あのときは僕の水筒の水が切れちゃったから二人に川に行こうって頼んだじゃない」
    スクルト「それで手打ちにしてよ」

    [お互いを見るラタとトスク。]

    ラタ「…ごめん、スクルト。」
    トスク「…悪かったよ、バーランス」
    スクルト「はいはい」
    クリス「仲良いよね、三人とも」
    ラタ&トスク「どこが」「何がだ」

    [笑い合うクリスとスクルト。]

    クリス「ところで……、その川でのことなんだけど」
    トスク「うん?」
    クリス「たしかその時……出てきた『心臓』持ちは行方不明者……だったんだよね?」
    ラタ「ああ。もうその時には本部から来た最新リストから外されてたけどね。」
    トスク「行方不明になってから三ヶ月くらい経過してたからな。それ以上は捜索できないって判断だったんだろ」
    スクルト「マフィーさんが資料を全部残すタイプで良かったよね。」
    スクルト「あれがなかったら分からなかったかもしれないや。」
    トスク「……もしかして、今度見つかった『心臓』持ちもそうなのか?」
    クリス「それも調べに行こうと思って。」
    ラタ「クリスは死体を見ていなかったのか?」
    クリス「あのときはササラギさんに引っ張られて帰ってきちゃったからさ……」
    クリス「あと……たぶん今回の『心臓』持ちが最近出没していたやつらの本体……だったんだと思うんだ」
    スクルト「『心臓』のオーラ……だっけ。徘徊してたやつと同じだったの?」
    クリス「うん……。そう『視えた』。」
    ラタ「ふーん……。」
    ラタ「本体、か。だから今までのやつらは『心臓』を取り出しても小さかったりしたんだね。」
    トスク「でも、なんでそんなことになってるんだろうな。」
    トスク「行方不明者にまでそんな『心臓』の被害が出てる。なら……」
    スクルト「これは偶然じゃなくて、人為的に誰かがやっていること、ってことだよね。」
    ラタ「人拐いってことか?」
    ラタ「しかも、そしたら、人拐いの中に『心臓』を移植するようなやつがいるってことになるじゃないか。」
    スクルト「………だとしたら、………ちょっと、」
    スクルト「僕たちが考えるよりも大きなことが後ろにあることになっちゃうけど……」
    トスク「………大丈夫なのか? この話。」
    クリス「…………………」

    [クリスは目を瞑る。ジーニアスの言葉を思い出す。]

    ジーニアス「世の中というのは思っているよりもずぅーっと複雑ってことだ、……少年。」
    ジーニアス「だが、どんな優しい嘘でもいつか暴かれる必要が来るときがある。」
    ジーニアス「それを忘れないでやってくれ。」
    ジーニアス「君がこれを追おうとするならな。」

    [クリスは目を開く。]

    クリス「大丈夫……だと、思う。」
    クリス「今回のことは、僕がこの『眼』で見なくちゃいけないことなんだと思うんだ。」
    クリス「じゃなくちゃ、僕がここにいる意味がなくなっちゃうもんね」
    トスク「………そっか。」
    トスク「でも、絶対無理はしないでくれよ。」
    トスク「僕たちもなるべく今までより細かく見ていくことになるが……」
    スクルト「行方不明者が何者かに『心臓』持ちにされてて……、」
    スクルト「それが回収されてるとなると、犯人は慎重になるはず……だね。」
    ラタ「明らかに一人じゃ無理な規模の話だね。」
    ラタ「他のみんなにも話して注意を呼びかけたほうがいいんじゃないのか?」
    スクルト「うん、そのほうがいいね」
    クリス「三人とも……ありがとう。」
    トスク「『心臓』関係はクリスがいなきゃ始まらないってのもあるからな。」
    トスク「………それにしても、」
    トスク「どうして『心臓』をこんなふうに扱うんだろうな……?」


    [場面変更。とある部屋。トポリに連れられて、部屋の中にレンカが入る。]

    レンカ「こ……これは」
    トポリ「うん。どうかなぁ? 博士。」
    トポリ「気に入ってもらえたかな?」
    レンカ「………あなた達がやったの?」
    トポリ「まさか。」
    トポリ「博士ったらあんな狂犬病の擬人化みたいな人がそんなことできると思うの?」
    レンカ「……あなたは?」
    トポリ「ごあいにくさま、ボクは宗教上の理由でこの手の勉強はしてないんだ。」
    トポリ「全く頭の硬い国だよね。科学も推奨されない国家なんていまどき弱小なはずなんだけど。」
    レンカ「………すでにロストされた技術なんて科学とは言わないのよ。」
    トポリ「あれ? そうなんだ。一つ賢くなったよ。」
    レンカ「……………。」
    レンカ「………あなたがいった通り、確かに私はあなた達が私を狙った理由を理解しているつもりよ。」
    レンカ「でも、こんなものを見せられるとは思っていなかったわ。」
    トポリ「……そう。じゃあ、これはレンカ博士じゃないってことだね。」
    レンカ「期待とアテは外れてくれたかしら。」
    トポリ「それは無理があるんじゃないかな。」
    レンカ「……どういう意味?」
    トポリ「いいかい。ボクたちは先人の知恵の上にあぐらを掻くだけの存在なんだよ。」
    トポリ「ありとあらゆる実験と検証の追記がすでにされている状態でスタートするのが今の人生と科学なんだ。」
    トポリ「だとしたら、今の研究者が行っているのは実験や検証に値するか? という疑問が残るじゃない?」
    レンカ「………つまり、あなた達が求めているのはさらなる『追記』。」
    レンカ「先人の知恵の炙り出しというわけね。」
    レンカ「それなら適任がいくらでもいると思うのだけれど。」
    トポリ「未来のないものは必要がないってことさ。」
    トポリ「重要なのは積み重ねってね。」
    レンカ「………でも、その知恵は必要ということ。」
    レンカ「気持ちの悪い思想ね。」
    トポリ「考えたのはボクじゃないよ。そういう人がいるってだけさ。」
    レンカ「理解の範疇を超えるわ。」
    レンカ「そうまでして危なくても便利なものを残そうとするのは何故?」
    レンカ「あなた達には十分な知恵があるはずよ。」
    トポリ「ははっ。博士、本当に研究者?」
    トポリ「そんなの簡単じゃないか。便利なものを捨てられない人なんてこの世界に何百万人もいるよ。」
    トポリ「それを無くそうとするやつは許されない。」
    トポリ「それが群れればそういう『意志』なんだ。」
    トポリ「ボクは無知を罪だとは思わないけど、」
    トポリ「意志に惑わされてしか自分の意見を主張できない奴は罪だと思うけどね。」
    トポリ「そして、自分にとって余計なことは知る必要のない事だと思っている人たちが最後にはバカを見る。」
    トポリ「そうなってもそのバカは反省しないし、何なら作ったやつのせいにして、新しい楽な状態に胡座をかくのさ。」
    レンカ「知識が必ずしも望む形で未来に受け継がれることはない……」
    レンカ「結果は作られたものの形に集約され、意志は度外視される……」
    レンカ「一部の国が極端に科学を嫌う理由ね」
    レンカ「でも、大衆がその利便性を捨てられないなら……」
    レンカ「それを理由として技術は残り続ける……」
    トポリ「そして、それをどう使うかを伝授するには博士のような『知識人』が求められる。」
    トポリ「……………どう? すごく合理的だと思わない?」
    レンカ「………………………」
    トポリ「博士。」
    トポリ「はっきり言うけど、博士に選択権は二つしかないよ。」
    トポリ「『あれ』、いくら狂犬病で弱い生物に興味がなくても、妙な合理は通すんだ。」
    トポリ「死にたくないなら、『あれ』がしびれを切らす前に決めてほしいな。」
    トポリ「『博士を生かしておけば、より強いやつに会える』って名目で止めてあげてるんだからさ。」
    レンカ「………………」
    レンカ「くわしい目的を一言で教えて。それで考えるわ。」
    レンカ「人生の最後になるかもしれない選択くらいさせてくれるでしょう?」

    [笑うトポリ。]

    トポリ「そうこなくっちゃ♪」


    【三話終了】


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