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    nantonac64

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    nantonac64

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    漫画用シナリオ4

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    #original
    #漫画用シナリオ
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    #プロット
    plot

    【オリジナル漫画】『these stones』時計編 シナリオ4漫画用シナリオ


    [手に持った時計を見つめるマッキンリー。その目には数字盤に刻まれた『B133526』の文字が映る。]

    ???「どうかしたのか? 副隊長殿。」
    マッキンリー「グリードか。戻ってたんだな」
    グリード「今しがた帰還した。そしたら副隊長殿が立ったままになっているのに出くわした。」
    マッキンリー「ああ……すまなかった。」
    グリード「何を見ていたんだ?」
    マッキンリー「……これだ。」
    グリード「ほう、時計か。良い作りみたいだな」
    マッキンリー「………サンキュー」
    グリード「? これはもしかして副隊長殿が作ったのか?」
    マッキンリー「いや……違う。」
    グリード「では、ご身内の方か?」
    マッキンリー「ああ。」
    グリード「そうか。良い仕事をする。私も一品欲しいところだ。」
    マッキンリー「………頼めば喜んで作ってくれると思うぞ。」
    マッキンリー「なんせ、誰かに時計を使ってもらうのが好きな人なんだ。」
    グリード「素晴らしい職人ではないか。今度、ぜひ紹介してくれ。」
    マッキンリー「ああ。そうさせてくれ。顧客が増えるのは、嬉しいだろうからな。」
    マッキンリー「ところで……」
    マッキンリー「一緒に行っていたモリアナとサヴァランはどうしたんだ?」
    グリード「ああ。その二人ならいつもどおりだぞ。」
    グリード「モリアナは森の中に仕掛けてあった網に引っ掛かった後地面に落ちて、」
    グリード「サヴァランは歩いてたら落とし穴に落ちたから担いで帰ってきて医務室に放り込んだ。」
    マッキンリー「…………」
    マッキンリー「なんかすまん」
    グリード「流石に慣れたから気にするな、副隊長殿」


    These stones


    マフィー「と、いうわけで……」
    マフィー「本部から捜査の許可が下りましたー!」
    マッキンリー「ああ。サンキュー、マフィー」
    クリス「結局、イーハイさんの所でも死体の身元は分からなかったんですよね」
    マッキンリー「指紋まで取れなかったんじゃ仕方ないわな」
    クリス「でも、それなら僕たちも何から調べたら……」
    マッキンリー「そこで……これさ。」

    [マッキンリーは時計を見せる。]

    クリス「それは……」
    マフィー「それ……私のお父さんが作った時計なの」
    クリス「……………」
    クリス「えっ」
    マフィー「私もおじ……、副隊長から聞いたとき、世間は狭いなぁ〜、なんて思ったよ。」
    マフィー「でもほら、これ……ここにロゴがあるでしょ?」
    マフィー「あと……製造番号。」
    クリス「製造番号?」
    マフィー「『B133526』、って書いてあるでしょ?」
    マフィー「私のお父さん、凄く几帳面な人でね。」
    マフィー「どのお客さんにどの時計を渡したか、ちゃんと分かるようにしてたんだ。」
    クリス「じゃあ、マフィーさんのお父さんに会いに行けば……!」
    マフィー「うん。持ち主の名前がわかると思う!」
    マフィー「…………」
    マフィー「でも………」
    クリス「? どうかしたんですか?」
    マフィー「ううん、なんでもない……」
    マッキンリー「…………………」
    クリス「え、えっと、それで、」
    クリス「マフィーさんのお父さんはどこにお店を?」
    マッキンリー「………アンナ療養病院だ」
    クリス「……療養病院……?」
    マッキンリー「来れば分かるさ。向こうに着いたら教える。」
    マッキンリー「マフィー、俺は保存食を作り置きしてくる。」
    マッキンリー「外出の準備と隊員への報告を頼む」
    マフィー「うん……あ、いえ、了解です」
    クリス「……………」

    [場面変更。アンナ療養病院まで来るクリスとマフィー、マッキンリー。マフィーは何も言わず、建物の中へ入っていく。]

    マッキンリー「着いたぞ。」
    クリス「あの……マッキンリーさん、ここって……」
    マッキンリー「ああ……。」
    マッキンリー「こういう病院は、周辺だとここ以外に無いからな……」

    [一枚のポスターがクリスの目に映る。ポスターには『緩和ケア実施中!』『先生や看護士と一緒に病気と向き合いましょう!』と書かれている。]
    [マフィー、建物の扉から顔を出す。]

    マフィー「手続きが済んだよ。二人とも、入って」

    [クリス、マッキンリー、建物の中へ。廊下を歩き、205号室と書かれた病室にたどり着く。マフィー、病室の扉を叩く。]

    マフィー「お父さん、来たよ。」
    ???「その声……マフィーかい? 入っておいで。」

    [マフィー、扉を開ける。]

    ???「やぁ、マフィー。いつもすまないね。」
    ???「仕事が忙しいって聞いたけど、大丈夫なのかい?」
    マフィー「うん……。大丈夫よ、お父さん。」
    マフィー「実は、お見舞いもそうなんだけど、今日、私……仕事でも来たの。」
    ???「仕事……?」
    ???「! 君は……、君たちは……」
    マッキンリー「ご無沙汰しております、……お義兄さん。」
    ???「マッキンリー! マッキンリーじゃないか」
    ???「久しぶりだな……! 元気だったかい?」
    マッキンリー「一ヶ月も顔を見せられず、申し訳なかった。義兄さんも……具合は、どうです?」
    ???「ああ。お陰さまで……。また、費用を送ってくれただろう? すまないな……。」
    マッキンリー「いえ。少しでも義兄さんの役に立てれば……と思って。」
    ???「………ありがとう。世話をかけて、本当にすまない…………。」
    ???「兄らしいことが少しでもできたら、良いんだけどね……」
    マッキンリー「十分ですよ、義兄さん。」
    ???「…………そうかな?」
    マフィー「お父さん、叔父さんはウソがニガテだってよく知ってるでしょ。」
    マッキンリー「マフィー、お前なぁ」
    ???「はは、そうだったね……。」
    ???「…………ところで、後ろの彼は?」
    ???「君たちの隊の人かな。」
    クリス「あ……。どうも……」
    クリス「クリス=アイラーンです。お二人には大変お世話になっています。」
    ???「クリス=アイラーン……そうか、君が……」
    クリス「え?」
    ???「ああ、いや、なんでもないよ。ごめんね」
    ???「私はマクス=アップリー。こちらこそ、娘と義弟がお世話になっています。」
    クリス「えっ、いえ、むしろ僕のほうがいつも二人に助けてもらってばかりで……」

    [クリスは、マクスの胸元から光が漏れているのに気がつき、ハッとなった表情になる。その横で、マフィーがクリスの顔を見ている。マクスは二人の様子を穏やかな表情で見つめる。]

    マクス「それで……さっき仕事だって言っていたけど……どうかしたのかい?」
    マクス「私に何か……あるのかな?」
    マッキンリー「……この時計の持ち主を知りたいんです。」
    マクス「これは……懐かしいね。」
    マクス「なんて名前のお客さんだったかな……」
    マクス「マフィー、そこの本棚の……うん、十二番めだと思うんだけど……ファイルを取ってくれるかな」
    マフィー「分かった。えーと……これね。」
    マフィー「はい、お父さん。」
    マクス「ありがとう。少し待っててくれるかい? 製造番号と照らし合わせるよ。」
    クリス「お願いします。」

    [マクスは微笑むと、ページをめくり始めた。]

    [場面転換。帰路につくトポリ。]

    トポリ「はあ……。」
    トポリ「全く、勘弁してほしいよ。」
    トポリ「賞与が出るのに、始末書も発行だなんてついてない。」
    トポリ「プラマイゼロってやつじゃないか。」
    トポリ「それもこれも、うちの隊長がムチャクチャするからだぁ。」
    トポリ「はぁ〜あ……。」
    トポリ「まあ、止められなかったボクもわる……」

    [トポリ、何かに気づいてとっさに避ける。彼がいた場所に、何者かが攻撃を加えた。]

    トポリ「うーん、今日、ボクってば神様に見放されてる?」
    トポリ「東の国で言う厄日ってやつ?」

    [佇む人影。その人物の口元が微笑みを描く。]

    トポリ「……本当に勘弁してよ。」
    トポリ「これ以上始末書が増えたら、賞与がパーじゃ済まないからさぁ。」

    [人影はゆっくりとした動作で片足を後ろに下げる。]

    トポリ「……だんまり? うそでしょ?」

    [鋭い蹴りがトポリを襲う。トポリは間一髪でそれを避け、体勢を整える。人影は片足を後ろに下げた姿勢に戻っている。]

    トポリ「人間なんだからさ、言葉使わない?」

    [再びトポリに足技での攻撃が来る。トポリはそれを己の武器で牽制し、相手の動きを止める。]

    トポリ「おっかしいなぁ、『うちのよりは』話が出来るはずだったんだけど」

    [トポリが見た先には、ササラギの顔。普段は見えない瞳がトポリを捉えている。]

    ササラギ「………これから人で無くなるものに何か必要ですか?」
    トポリ「これからの話でしょ? 今の話しない?」
    ササラギ「…………謙虚ですねぇ。」
    トポリ「ボクじゃ無理。驕る気はないよ」
    トポリ「でも」
    トポリ「だからって『あれ』と引き合わせるのはゴメンなんだよ。」
    トポリ「基本給まで削られたくないから引いてくれたりしない?」
    ササラギ「キミの言う『あれ』とやらが何を指すのか知りませんが」
    ササラギ「それは私にメリットがある話なんですか?」
    トポリ「ついて回る面倒が一個減るよ?」
    ササラギ「キミたちの存在が面倒なんですが」
    トポリ「あっ、うーん、そうか……」
    トポリ「えっとぉ……」
    トポリ「何したら許してくれる?」
    ササラギ「そうですね……」
    ササラギ「用があるとしたら一つだけです」
    ササラギ「ベルドリッチをどうしましたか?」


    【四話終了】


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