Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    tooko1050

    透子
    @tooko1050
    兼さん最推し。(字書き/成人済/書くCPは兼さん右固定。本はCP無しもあり)
    むついず、hjkn他
    ■連絡用Wavebox https://wavebox.me/wave/91vqg0alk30tloy9/
    アイコン:れれれめいかあ様(Picrew)

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 🐾 👏 🌸
    POIPOI 20

    tooko1050

    ☆quiet follow

    11/11の例のゲームにまつわる話し。
    謎時空のあたまからっぽなむついずです。

    ##むついず

    無題「は?」
    「やき、ポッキーゲーム」
    「菓子がどうした。カボチャ祭りは終わったしケーキ争奪戦は受付前だしチョコレート大戦争は来年だろ?」
     カボチャ祭り…… ハロウィン? 争奪戦? チョコレート大戦争…… バレンタインかな。
     えぇ…… そんな認識だったのか。
    「……陸奥守吉行」
    「おん」
    「よく解ったから表出やがれ!」

     (しばらくお待ちください)

    「で? それ、楽しいのか?」
     おもいっっっきり。容赦も配慮も好奇心もなんもない!
     我がつま(変換は好きな文字でよろしく)の興味ゼロの顔に尻尾がしおしおしそうだ。尻尾じゃないけども。
    「楽しいかどうかち言われると悩むのう……」
     ゲームそのものが楽しいのかはちょっと疑問が残る。要するにキッカケとか口実とか戯れとかそこから生まれるドキドキとか…… 特に出来上がった関係で求めるのは多分に下心。そういう盛り上げ効果がメインのヤツだと思うからだ。
    「要はキャッキャウフフしたくてイチャイチャできりゃ良いんだろ?」
    「ええまあ、はい……」
    「あ。解ったあれだ、現代のお座敷遊び!」
    「いやそこまで真面目に考えんでえいわ!」
     もーやだこの子、時々とんでもなく情緒……で良いのか? とりあえずなんかズレてる。おとーさん(?)おかーさん(??)達甘やかし過ぎでは? うちの元主探してた時のギラギラ感どこ行った。全然マイルドじゃない系ヤンキーめ。血に飢えた狼とかカッコ良さげな呼ばれ方してるくせに!
     しくしくしていたらガサガサ音がした。
    「ほれ、付き合ってやるからさっさとしよーぜ」
     ニヤリ、指に挟んだポッキーを揺らして誘う姿は何に例えるべきか。否、そう言うの今どうでも良いです。ワンワン!

     結局咥えた菓子を噛み進めるはずが、これでもかと色気を含んだ視線に惑わされ、一戦目は早々にポッキーが折れた。二戦目は甘いチョコレート味のキスまで到達して、三戦目はもはやただの戯れ。
     めでたく「待ての効かねえワンコロめ」と言葉はお叱り、声音は甘い、その本質は「ヨシ」を頂いて余すところなく頂いた。

    「ところでケーキ争奪戦ちゅうのはなんじゃ?」
     ぽわぽわに火照った頬に口付けて問うたら、掠れた声が答えた。
    「全本丸のいち兄と、保護者刀と主による、聖夜と書いて朝までにプレゼント配り終わるか選手権…… 夢壊さねえようにオレ達…… たまにオレも守られる側かぁ。とにかく外野もヒヤヒヤするあれ」
    「ああー……」
     はふ、と息を吐いた和泉守に陸奥守は言った。
    「おんしはケーキより他のもんがえいろう?」
    「お前がくれるもんなら何でも良いよ」
     水、と言われて水筒の口を開ける。びば文明、こういう時は竹筒より便利。
     冷たいそれを美味そうに飲む喉が動くのにさえ煽られそうになるのを、流石にこれ以上はガチのお叱りがくるやも。と見なかったことにする。
    「その前に」
    「おん」
    「非番争奪戦が先じゃねえか?」
     それが一番のプレゼントなところもあるやつ。
     チラチラ、期待に満ちた視線を受けたらそれはもう。
    「おし! ほいたら非番勝ち取っておんしのしたいことしょう!」
    「へぇ、期待しといてやるよ」
     で、お前は何が欲しい?
     一応聞いてやる、と言わんばかりの唇に甘く噛み付いて一通り味わった。
    「おんしと居れたらそれが一番じゃ」
     合格、と微笑まれるとそれだけで嬉しくなってしまうのだから現金なものだ。

     文机の上に置き去りだった残りのポッキーはそのまま冷蔵庫にしまわれて、翌日「すげえ塊になってんぞ……」と溶けかけたチョコがくっ付きあって若干罪深い姿になっていた。
     キッチリ消費した上で誓ったものだ。
     来年ゲームを仕掛ける時は、ちゃんと必要な数だけ持ってこようと。

     そしてその「来年」、ポッキーが二箱に増えていたのは果たしてどちらの責任か。
     サクサク、耳に届く音が消えれば、今年も甘いチョコレート味の唇が柔らかく触れたのだった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺☺☺☺☺👏☺💕☺💞💖💖☺💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works