その日のためにヘラクレスと恋人同士になったジャックはとても幸せでした。ヘラクレスの側にいられるなら他には何も望みません。愛する彼のために彼の求めることをしてあげたいと思っていました。
ある日、仕事が早く終わったヘラクレスが帰宅すると声を掛けてもジャックの返事がありません。家の中にはいるはずなのに。風呂場の方から声が聞こえます。
「ジャック、いるのか?」
ヘラクレスが風呂場を覗くと裸のジャックが自らの尻に何かを入れて喘いでいました。
「ジャック、何をしてるんだ!」
「 sir!こ、これは…」
「すまん、お前の気持ちに気づいてやれなくて」
ヘラクレスは自分があまりに手を出さないものだから、痺れを切らしたジャックが自慰行為に走ったと思っているのです。
「違います、そうではないのです」
ジャックは言いにくそうにしていましたが、意を決して。
「私は、sirの恋人だと思っています。ですから、もしsirがそういったことを求めてきたらその時は応えたいと思って。それで…」
「それで、準備をしていたのか」
「求められなければそれはそれでいいのです。でも、もしそういう状況になった時に。出来ませんではsirに愛想を尽かされてしまうのではと怖かったのです」
「俺がジャックを嫌いになるわけがないだろう」
俺の色を見ろと言わんばかりに真っ直ぐに見つめてくるヘラクレス。ジャックの表情が少し和らいだ。
「そうですね。でも、sirを残念な気持ちにさせたくなかったのです。sirと私とでは体格があまりにも違いますから、その差を埋めるためにはこの方法しかないと思っていました」
ヘラクレスを受け入れるためにジャックは自らの開発に勤しんでいたのです。
「…俺も、いつかはそういうことも出来たらと思っていた。でもこれはジャックの体にも相当な負担が掛かるし、お前がそういう行為を望んでいないならそれでいいと勝手に思っていた」
ヘラクレスの手がジャックの髪を優しく撫でました。
「もしするなら、俺がやってやりたかった」
ヘラクレスの目線が未だジャックの尻に入ったままになっている玩具に向きました。
「これ、どうしたんだ?」
「アンに頼んで手に入れてもらいました」
「どうやって使うんだ?」
「え、ええっと…」
「見たい」
彼の望みは、なんだって叶えてあげたい。ジャックはそう思いました。
ここまで書いて、開発のための玩具って…?となり途中だったもの。ジャックちゃんの中にヘラさんのものを入れるには相当な訓練が必要