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    nekosuki1230cat

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    銀博
    足浴シーンを書きたかった……。

    #銀博
    silverberg

    「君にこんなことをさせたら怒られそうなんだけども」
     ベッドの端に腰掛けたドクターは申し訳なさそうに足元にいるシルバーアッシュに呟いた。
     元より痩せている体は今は微風でも吹き飛ばれそうに細くなっている。
     イェラグへと訪れたドクターは運悪く風土病にかかってしまい数日間、寝込む羽目になってしまったのが原因だ。高熱を出したドクターを飛行装置でロドスへと運搬する話も出たのだが、まるで閉じ込めるかのような悪天候も重なりイェラグのシルバーアッシュ邸で看病を受けることとなった。シルバーアッシュとしても盟友であり客人であるドクターを体調不良のまま帰すなどできようもなく、現状で整えられる最良の環境を用意し看病に当たった。幸いなことに後遺症もなく熱が下がったドクターは体を起こすことができる程度には体力が回復した。
     僅かとはいえ体力が回復すれば、数日間、入浴出来なかった不衛生な己が気になるというもの。恐る恐るシャワーを浴びたいと告げたドクターにシルバーアッシュは首を横に振った。体力的にまだ身体を拭う程度にしておいた方が良いと言われていると医師からの指示を口にする。元より体臭の薄いドクターからの汗の匂いは本人が気にするほど臭うものではない。むしろシルバーアッシュとっては番の香りとして好ましいものであったが、口にはしなかった。
     悄然とするドクターに、それならばと用意したのは足浴である。
     床に防水シーツが敷かれ木製の桶が置かれ、側には掛け湯用や足し湯用のピッチャー、タオル、ボディソープなどさえ当主本人が運んできた。
     湯気をたてる桶へ小瓶からとろりとした液体を一滴。ふわりと優しい甘さと仄かな苦みが含んだウッディな香りが寝室に広がった。
     冷えないようブランケットで上半身を包んだドクターは小首を傾げた。
    「精油かい?」
    「ああ、効能も期待できる」
     跪いたシルバーアッシュの指先がむき出しの白い足先を湯の中へと誘導する。
    「ローズマリーも勧められたが、お前を食べてしまいそうになるからな」
     わざとらしく牙をみせるシルバーアッシュにドクターは笑い返す。
    「食い出がないだろうに、酔狂だ」
    「お前なら骨の髄まで美味だろう」
     爪先がじわじわとピンク色に染まっていくのを確認したシルバーアッシュはドクターの左足を持ち上げた。片手で器用にボディソープをつけガーゼを泡立て、そっと足先から擦りあげる。爪から足の指の間へと布地を滑らせると小さな笑いが起こる。
    「くすぐったい」
     思わずといった態で逃げる足首はシルバーアッシュの手では二周してしまうのではないかと思えるほど細い。
    「それは良いことだ」
     しっかりと捕まえて足裏から甲も洗い上げ、ざあっと掛け湯で泡を流していく。
    「……君は、もう」
     含まれる意味に、顔を赤らめたドクターは視線を逸らした。
     顔を覗き込みながらシルバーアッシュはガーゼを桶の中へと落とした。掴んだままの足の甲へ口づける。
    「ばっ、何して」
     爪先に歯を立てられ身体を震わせ足を引こうとするが、非力なドクターでは微塵も動かせない。
     伏せた瞼の睫毛の長さがひどく目を惹き、無意識に唾液を飲み込む。雪空の目には、きっと暁が浮かんでいる。
     シルバーアッシュの指先が足の裏をなぞり、形の良い唇が足首に赤い花を咲かせる。
    「冷えてしまうな」
     顔を上げたシルバーアッシュが口を開いた。名残惜し気に手を離す。温くなり始めた桶に足し湯をし、右足へと手を伸ばす。
     水面が小さく揺れたのを見て取った雪豹は唇の端を持ち上げた。
    「期待には応えるとも、お前の体調が万全になればな」
    「君の方こそ、ローズマリーをまぶさなくても食べる気満々じゃないか」
    「当然だろう」
     間髪いれず、むしろ食い気味に答えが返る。
    「……君は、もう」
     ドクターは身を屈めた。常であれば届かない距離だが、今なら届く。
     両手で滑らかな頬を包み唇を触れ合わせた。
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    DOODLE自分の独占欲の強さに振り回されかける銀灰さんと、そんな彼をかわいいなあと思ってる博の話。
    最後の一呼吸までも「お前に、私が作る影の下だけで呼吸してほしいと思うことがある」


    「ずいぶんと君には似合わない言葉だね、エンシオディス。まるでロマンス映画の悪役のようじゃないか」
    「悪い人間だろう、私は。なにせ国家転覆をほぼ完遂した希代の悪人だ」
    「今日の君は甘えん坊だな。ほら、おいで。ハグしてあげるから」
     背中に回された太い腕にはギリギリこちらをつぶさない程度の力が込められ、もはやどちらがハグしているのかという状況になってしまってはいるのだが、あれ今のこれはまさしく彼が望んだ姿そのものじゃあないか?
    「結論からいってしまうと、かなり悪くないねこれは。君はいい匂いがするし」
    「お前の薫香にはかなうまい」
    「ふふ、そうかな」
     ふすん、と首筋に彼の高い鼻梁が這うのはくすぐったかったけれど、彼の声が幾分元気を取り戻していたから我慢することにする。背中に感じるもふもふとした暖かい感触は、おそらく先ほどまでぺしょんと床に垂れてしまっていた彼の尻尾だろう。広いはずの彼の背をゆっくりと撫でながら、のんびりと私は口を開く。
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    nbsk_pk

    DOODLE銀博未来捏造、ナチュラルに結婚してる銀博がいちゃついてるだけの話
     旦那様が長年の猛アタックの末にようやく迎えられた奥様は、今までずっとロドスという企業の陸上艦でテラ全土を飛び回る生活をなさっていたらしい。そんな方ですから心配になってしまうのです。イェラグの長い冬、家から出ることすら難しい雪と氷しかない長い冬に退屈してしまわれるのではないかと。

    「まさか仕事が忙しすぎて執務室にこもってたら、退屈すぎて仕事に逃避した人間だと思われていたとはね……」
    「彼女たちも悪気があったわけではないのですが」
    「うん、純粋に心配してくれただけなのはわかってるよ」
     ただ因果関係が逆なだけで。苦笑するマッターホルンから受け取ったカップにほっと一息をついて、私は朝から座りっぱなしだった椅子の上でうーんと伸びをした。ぱきぱきと鳴る背骨にさすがに根を詰めすぎただろうか、いやいやロドスではこのくらいは日常茶飯事だったしと首を振っていると、すかさず追加のお茶請けが並べられる。昔は一部の神殿関係者や巫女しか口にすることができなかったという伝統菓子は、舌が痺れるほどの甘さなのに花の上品な香りが鼻に抜ける。これが必要だったってことは昔から彼女たちも激務だったのだろう。なら大丈夫。問題ない。マッターホルンのため息を無視しながら二つ目に手を伸ばしつつ、目下の心配事について話を続ける。
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