home,home,sweet home「イーグル、起きとるか?」
彼の様子を見るために、ノックをして開けた部屋全体が、真っ暗になっているのに、カルディナは驚いた。
ただ暗闇なのではない。この国にはない赤や黄色のの光が無数に、おそらくは雨に濡れているのであろう、ぼんやりとした雲の向こうで瞬いている。
他国を旅したことのあるカルディナには見覚えがあった。
イーグルはベットの上に半身を起こしながら、手元の機械の操作をしていた。仕組みは不明だが、これで部屋全体に映し出しているものらしい。
「こりゃえらい景色やな。これ、オートザムかいな?」
まだ身を起こすのがやっとの彼は、彼女ににっこりとほほ笑みかけた。
「ええ。」
「里心がついたとか?」
「まあ、そんなところです」
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