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    azusa_n

    @azusa_n

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    azusa_n

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    モクルク。モク→ルクか。モクマの過去の女を一人捏造したなんでもない1シーン。別の甘いもの食べにいくところ。

    「懐かしい声が聞こえた」で始まり、「理由なんてないよ」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば6ツイート(840字程度)でお願いします。

    「いや、なんか懐かしい声が聞こえた気がしてさ」
    恐らく隣のカフェのテラスにいるが、細かい席の特定はしていない。どうして足なんて止めてしまったのか。ルークが気にするから応える必要ができてしまった。

    昔、同じ職場で働いていた女性の声だった。
    同僚たちが俺と彼女の事をくっつけようとしていた気がして、適当な理由を付けて辞めた店。
    ブロッサムなんて観光地なんだから、知人に会う可能性はゼロじゃないのは当然だが。
    「お知り合いの方がいたんですか?」
    「んー、多分ね」
    「探してみますか?」
    「いんや、俺が考えた人だったとしても、もう覚えてないだろうし」
    足を進めようとしたのにルークが止まったままなので、仕方なく3歩進んだところで立ち止まった。
    顎に指をかけて『捜査』していたルークが顔を上げた。

    「そうですかね。……モクマさんは色々な土地を回ったと聞いていますし、たくさんの人と出会ったと思います。その中で、一瞬声を聞いただけで思い出す相手って、かなり特別なのではないでしょうか」
    「ルークはまっすぐで気持ちいいねぇ」
    一度縁を結んだ相手とは会いたいものに違いない、会いに行くべきだと純粋な善意で言ってくれてるのはわかる。しかし、話しかけたところで起こるのは面倒ごとだけだろう。そう思う程度には、もう情が湧かない相手だ。
    「ま、こんなおじさんで記憶を上書きするより思い出は若いクールな俺のままのがいいよ」
    「僕は昔のモクマさんを知りませんが、今のモクマさんだってとっても素敵ですよ」
    「はは、ありがと」
    まだなにか言いたそうなルークの口に人差し指を当て、言葉を止める。
    「でもせっかくのルークとのランデブー、邪魔されたくないじゃない」
    冗談交じりに言って、極軽くデコピンをして。
    ルークははたと気付いたように声をひそめた。
    「……もしかして声をかけられない理由でもありました?」
    「うんにゃ、大層な理由なんてないけど」
    お前さんに勘違いされたくないだけで、と心の中で続けた。

    通り過ぎる途中、こちらを見ている気配を感じてひやりとしたが、元気な子供の声が聞こえたタイミングで視線が逸れた。幸せそうで何よりだ。
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    ポンタタの萼

    SPOILERネタバレは無いと思いますが、本編終了後時空のため念の為ネタバレ注意です。
    make magic聴きながら書いてたらめちゃくちゃ時間経ってて草
    キメ細かな肌チェリーなリップとろけるようなキュートな瞳!
    近頃、同僚のルーク・ウィリアムズの様子がおかしい。……と、思う。
    その変化に気づいているのは俺だけではないらしく、署内の視線はちらちらとあいつに向けられてはいるものの、どうやら肝心のウィリアムズ本人はその視線には気が付いていないようだ。
    そして、同じ部屋にいる同僚たち──特に女性職員たちからは、際立って熱い視線を向けられている。だが、それには恋慕の情は混じっていないだろう。
    彼女たちの視線に込められているのは、そう。興味と羨望だ。

    ルーク・ウィリアムズは、最近綺麗になった。


    ◇◇◇


    休職から復帰したウィリアムズは、パッと見では以前とそう変わりない。だが、ある時、特に目ざとい一人の後輩署員が気が付いたのだ。

    『……ウィリアムズさん、最近肌が綺麗じゃありませんか?』
    『そうかな? ありがとう』
    『何か変わったことしてるんですか?』
    『いや? ……ああ、でも。近頃貰い物のいい野菜を食べているし、……その、友人から貰ったスキンケア用品を使っているんだ。駄目にしてしまったら悪いからね』

    その短い会話は人の多く行き交いする室内で行われており、さして隠すように話された訳でも 3847