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    azusa_n

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    azusa_n

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    モクルク。モク→ルクくらい。お酒飲んでるだけ。書こうとした話に載せられない予感がしたので供養。

    ミカグラの居酒屋。多様な地酒を置いているのが売りの店でモクマとルークは過ごしていた。
    お猪口に入った透明な液体を何口かに分けてモクマが飲み干す。
    「ルークもこれ飲んでみる?」
    飲み物の好みや酒精への耐性が違うから、つまみとちがって酒を勧められることは少ない。
    ならば特別においしい銘柄なのか、それともルークの好みに近いものだろうかと興味をそそられる。
    「じゃあ、少しだけ」
    その言葉を聞いてお猪口に少量の酒を注ぐ。
    それをルークが受け取り、恐る恐る口を付ける。
    舐める程度ではよく分からなくて、もう一度口をつける。
    眉を寄せ、それでももう一口試して、少し申しわけなさそうに口を開いた。
    「…んん、僕にはちょっと強いみたいです。」
    「はは、そっか。ごめんね。 それなら……」
    ミカグラ酒を集めたメニューを開きながら、戻ってきたお猪口へと同じ液体の残りを全て注ぎ、飲み干すモクマ。

    モクマが別の酒を店員に頼んでいるのを横目にルークはサングリアのグラスを空けた。フルーツと共にデキャンタにたっぷり入ったそれをグラスに移して飲んでいる。後グラス一杯と少々分は残っているだろうか。
    「それじゃさ、ルークのもちょっとちょーだい」
    「はい、いいですよ。 グラスは…」
    「そのままでいいよ」
    氷の入ったグラスは他にない。モクマが示したグラスに三分の一程度に合わせて注ぐ。
    「フルーツもいりますか?」
    「それはルークが食べていいよ」
    「では、どうぞ」
    白ワインに複数の果汁、ついでに缶詰めのシロップも入っているが、ルークの選ぶものの中では飲みやすい部類だろうか。
    「ありがと。あー、これ飲みやすいやつだねえ。一気にいけそう」
    「そうなんですよ。あまくて、さっぱりしてて、途中でフルーツを食べるのも楽しくて!」
    上機嫌で話すルークを肴にしながらモクマは[[rb:三口>・・]]に分けてグラスを飲み干した。
    残りのサングリアの半分をルークグラスに注いで返す。

    テーブルのつまみがほとんど片づいた状態で、フルーツをつまみ代わりにルークがグラスを空にした。

    そうこうしている内に届いたのはモクマが日頃好むものよりかなり甘さの立つ銘柄の濁り酒。
    先程より少し大きなお猪口に注いだそれを口に含む。
    「ん、これならルークも飲めるかもね」
    「ほんとですか?」
    視線が向いたところで二度に分けてお猪口の中身を空にし、お猪口の半分ほど注いで渡す。

    「…あ、たしかに。 さっきのよりすごく飲みやすいです。……これ、なんていうお酒ですか?」
    「んっとね、これ。」
    メニューのページを開いて見せる。
    ルークは銘柄を口の中で何回かつぶやいてお猪口を空にした。
    薄く笑って空のお猪口を受け取ると、また酒を注いで数度に分けて飲み干した。

    「そういやルークはさ、マイカの冠婚葬祭についてって調べたことある?」
    「歴史についてはある程度調べたんですが、そちらはまだですね」
    「そっかあ。他の国の人から見ると結構特殊なこと多いみたいだから、歴史が好きなら調べてみると面白いかもね」
    「はい、調べてみますね」
    徳利から自分には随分甘く感じる酒を注ぐ。



    三献の儀って、知ってる?

    口に出しかかった問いを甘い液体とともに今は飲み込んだ。
    自分で調べた時に今日のことを思い出したらどう思うかと考えたら直接聞くのは少し勿体なくて。
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    emotokei

    PROGRESS第9回お題「野菜」お借りしました。
    #チェズルク版ワンドロワンライ
     分厚い紙の束を取り出すと、つやつやとした様々な色合いが目に飛び込んでくる。
     グリーン、ホワイト、パープル、レッド、イエロー……派手な色が多い割に、目に優しいと思えるのは、きっとそれらが自然と調和していた色だから、なんだろうな。
     大ぶりの葉野菜に手をのばして、またよくわからない植物が入っているな、と首を傾げる。
     世界中をひっちゃかめっちゃかにかき回し続けている「ピアノの先生」から送られてくる荷物は、半分が彼の綴るうつくしい筆致の手紙で、もう半分は野菜で埋め尽くされていることがほとんどだ。時折、隙間には僕の仕事に役立ちそうなので、等と書いたメモや資料が入っていることもある。惜しげもなく呈されたそれらに目を通すと、何故か自分が追っている真っ最中、外部に漏らしているはずのない隠匿された事件にかかわりのある証拠や証言が記載されていたりする。助かる……と手放しで喜べるような状況じゃないよな、と思いながらも、見なかったフリをするには整いすぎたそれらの内容を無視するわけにもいかず、結局善意の第三者からの情報提供として処理をすることにしている。とてもありがたい反面、ちょっと困るんだよなあ。
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