いつもの炎の夢から飛び起きた。
天井がいつものものじゃなくて困惑する。僕の、ルーク・ウィリアムズが住む家だと分かるまで暫くかかった。
時計を見れば、日付が変わってすぐ。布団に入ってずいぶん経つのに肌寒い。汗をかいたせいかもしれない。
タオルケットで乱雑に汗を拭って、そのまま膝を抱えて体を縮めて、ぎゅっと目を閉じて。
息が落ち着いても眠気はこなくて、寝返りを何度か繰り返した後、仕方なくベッドから降りた。
「……と、父さん。まだ起きてたんだ」
そっとリビングの扉を開くと、うすぼんやりとノートパソコンの明かりを受けていた父が見えた。
「どうした?ルーク。怖い夢でも見たか?」
いつもと異なり難しい顔をしていた父は、顔を上げると画面を閉じて置き、僕の前まで来てしゃがんで目線を合わせてくれた。
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