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    002_tama_pk

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    二次オリっ子たちによる黄昏の森100日生活ストーリー、進捗になります

    【二次オリ】100 Days Twilight(第3話進捗)100日間生き延びることを条件に始まったサバイバル生活。黄昏の森と呼ばれるこの世界で無事に元の世界へ帰るため、強力なモンスターを倒しながらダンジョンを進むごめんね先生一行。
    先日無事にリッチタワーの"トワイライトリッチ"を討伐したごめんね先生とミスターパステル。そしてまた次のダンジョンへと向かうべく、4人は準備を整えていた…。

    「仕上げにダイヤブロックをはめて…それ!」

    巨木の一つに建てられたツリーハウス、そこが彼らの拠点だ。行き来しやすいようにと梯子をかけられた木の根本には畑が耕され、柵に囲われたそこには様々な作物が植えられている。これらは全てダンジョン内のチェストや自然の中から集められたものだ。
    その畑の中心に立つ神々しい人物─ミスターパステルは、持ち主同様に神秘的なオーラを纏う放つ"千変万化の杖"を宙に掲げる。すると……先ほどまで美しい星が見えた空はみるみる厚い雲に覆われ、やがて雫が滴りぽつりぽつりと地面を濡らし始める。

    「何度見ても本当に便利ね、パステル君の杖の力。雨も降らせることができるなんて。」

    感慨深げに言葉を漏らすごめんね先生。その視線の先ではミスターパステルが雨にはしゃいでおり、その側では抜いた雑草をかき集めていたミスターモグラがぱちぱちと拍手を送っている。

    「やっぱり骨粉撒いた方が成長早いねー。もうかぼちゃに実が付いてるよ!」

    朝早くから畑の世話をしていたミスターパステルは、拍手を受けて得意げに笑う。畑は当番を決めてローテーションで世話をしているのだが、日が経つにつれて少しずつではあるが順調に作物を増やし、今はそこそこ余裕ができるほど充実している。
    勿論作物だけでなく、食肉や革のための動物もこまめに面倒を見ていたおかげでそれなりに肉にありつけるようになっていた。作物に潤いを与えたところで、今度は動物小屋の鹿にブラッシングを始めるパステル。

    「鹿もこれだけ増えれば……今夜は鹿のステーキにでもしようかな?ミルクがあるからシチューでも良いかも。」

    ブラッシングをするパステルの横で、柵越しに小麦を鹿に与えるモグラがシチューとは何かと首を傾げる。そんなモグラにパステルがミルクのスープみたいなものだと説明する。
    まるで動物園の鹿さんに戯れる子供達みたい、と遠目で眺めていたごめんね先生が思ったのはここだけの秘密。

    「でもやっぱりなあ…ミルクは新鮮なのが飲みたいね。」

    現在先生達が飲んでいるミルクは全てトレジャーチェストから入手したものだ。元の世界にいたような鶏は見つかったものの、牛や豚は一向に見つかる気配がないのである。代わりの猪や鹿はいたものの、それらからはミルクは取れない。
    一応チェストから得たミルクは不思議な仕組みで腐らずにいるため、腹を壊す心配はない。が、やはり新鮮なものを飲みたいと言うのが各々の本音だ。

    「それにしてもこの粉…一体なんなのかしら?キラキラしてて綺麗だけど……」

    ふとごめんね先生が手にしていたそれを開く。小さな袋に詰められていたのは不思議な色をした粉で、灯りに照らされてキラキラと輝いている。
    それに気づいたのか、パステルがブラッシングをしていた手を止めてこちらに駆け寄ってくる。

    「………あ!先生、ちょっとだけ貸してくれる?」

    頭上に?を浮かべながらも、パステルに粉を差し出す。それを受け取ったパステルは一旦小屋の方へ戻る。未だに鹿と戯れていたモグラに毒がないことを確認してもらったパステルは、今度はモグラの手を引いて先生の方へ戻ってくる。
    何をするのかと尋ねれば、パステルはすうっと羽を広げて空へ浮かんだかと思うと…

    「それーっ!妖精の魔法の粉!」
    「きゃあっ!ちょっとパステル君ったら!」

    袋の粉を少し摘み、ごめんね先生目掛けて振りかけ始めた。ほんのりと神秘的な光を放ちながらキラキラと光る粉を注がせるパステルの姿はまさに妖精である。

    「何してんだ、あいつ…」
    「ほいウィングも!」
    「うわっ!何するんだ!」

    呆れたようにジト目でぼやくウィングにも振りかけるパステル。隣で見上げるモグラも目を少しだけ細めながら、口に手を当ててくすくすと笑い声をあげている。
    するとここでごめんね先生が反撃とばかりにパステルに飛びかかり、粉を取り上げる。

    「お返しよ、ごめんねーっ!」

    取り上げた粉を今度はパステル目掛けて振りかける。盛大に粉を浴びたパステルは、ぶわっ!と素っ頓狂な声をあげて地面に降りる。そしてそのまま2人の粉合戦が始まってしまった。ウィングはこれ以上巻き込まれまいと後ろに下がるが、モグラは楽しそうに2人を眺めている。
    拠点の敷地を駆け回りながら粉をかけ合う2人。だがその粉が偶然にも小屋内の鹿に降りかかってしまった瞬間、ボン!と音を立てて煙に包まれてしまう。

    「……え?うわあっ!鹿から煙が…!」
    「うそ!?もしかしてこれかけちゃまずいやつだったのかな…?」

    予想外の事態に避難していたウィングと座って眺めていたモグラも、鹿小屋へ駆け寄る。不安げな表情のまま煙に包まれた鹿の様子を伺う先生とパステル。
    やがて少しずつ煙が晴れていき、ようやく鹿の姿が見えた…と思いきや、そこにいたはずの鹿の姿はなく、代わりにいたものは…

    「………あれ。牛?」
    「…………もしかしてこれって、動物の姿を変える粉だったりする?」
    「けどこれで新鮮なミルクが取れるようになるよ!わぁーケーキが食べれる!」

    どうやらあの不思議な粉は動物の姿を変える粉のようだ。思いがけない出来事だったが、牛を迎えられたことで抱えていた問題…ミルク不足が解決できそうだ。牛から取れるミルクがあればケーキが作れる上、毒や鈍化などのステータス異常を治すのにミルクは欠かせないのだ。
    早速ケーキが食べたいとはしゃぐパステル達だが、ウィングが待ったをかける。

    「それより、そろそろ行くんじゃなかったのか?ラビリンス。」
    「ああそうだった!……って言っても僕お留守番だけど。にしても珍しいね、ウィングがあの2人について行きたい、なんて言うの。」

    次のラビリンス攻略は、ミスターパステルとウィング何待機で、ダンジョンにはごめんね先生とモグラで乗り込む予定だったが、意外なことに2人についていくと言ったのがウィングである。戦闘を通じて強さを求めるウィングらしいといえばらしいが。

    「………別に、協力するわけじゃないが…ヒドラに繋がるなら、な。」

    ウィングの言葉になるほどと頷くパステル。ラビリンスのミノッシュルームを倒せば、次はヒドラの討伐が待っている。そこでウィングはヒドラ攻略の手がかりを求めているのだろう。
    そういうわけでパステルは今回1人だけで待機となってしまったが…どうやら特定のバイオーム以外ではモンスターが湧かないようで、拠点の範囲内であれば単独でも行動できるようになったのだ。それでも万が一にと周囲に防衛用のトラップを仕掛けているが。

    「魔法の地図を作ったから、これでもう道に迷うことはないわ。それと…道具もバッチリね。それじゃあ行きましょう!」

    行ってらっしゃい!と元気よく手を振るパステルに、手を振りかえしながら歩き出すごめんね先生。ウィングとモグラも先生の後に続き、3人はラビリンスへと向かうのだった…。
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