願い綺麗だった。心奪われるくらい。
私はどうしてもそれが欲しくて堪らなくて、貴女のようになりたいと願って、ようやく手に入れる事ができた。なのに、どうして、周りの人は汚い物を見るような目でじっとりと睨みつけ、蔑むのだろう。
そうやって自分を肯定しないと全てが無意味のように感じて虚しくなる。だから、涙が込み上げないように、縋るように、星屑に願いを込めた。
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パンケーキの甘い香りで目が覚めた。キッチンにはエプロンを身につけた愛らしい彼女がいる。後ろから抱きつくと、彼女は驚いた様子で振り返り、それから微笑んでくれる。
「おはよう、ヘカテ」
「おはよ!ねえ、ぜんぶ私の?食べていい?」
「もちろん。貴女とテミス、兄弟みんなの分よ」
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