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    ゆる抹茶風味

    @gdgdocha

    かべうちから移行。さと探/その他二次創作/オリジナル 書き掛けかR指定を置いてます。

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    ゆる抹茶風味

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    ポッキーの日ネタ。アヤタがモブギャルに話し掛けられているだけ。9割捏造。高校生時空で、灯影院の交友関係がそこそこ広くて、あだ名を付けられている。
    蛇足メモ: このモブの家はスナックをやっている設定。

    #ほかあや
    ##二次創作

    アヤタがクラスメイトからポッキー貰った話「ねー、ささたなコンビにポッキーあげる」
     ホームルームが終わり、教室はざわついている。読み掛けの本を開いて、トイレに行った灯影院を待っていると、目の前に派手な恰好をした女子が立つ。机を挟んでふわりと化粧の香りがする。普段教室の対角線上にいるタイプで、僕は思わず身構えた。
    「……えっと、ごめん、どういう風の吹き回し?」
    「風の吹き回しって言い方すご。ウケる」
     その言い様は馬鹿にしているのか、それとも本当にツボに入ったのだろうか。どちらにせよ、意味もわからず笑われるのは気分が悪い。固くなる僕を前に、彼女はひとしきり笑ってから話を続けた。
    「んーとね、うちにいっぱいあったから持って来たんだけど、配ろうとしたらみんなノリよくて、最終的に九箱ぐらいダブったんだよね。手当たり次第あげても余ってたところで、ささたながいたからちょうどいいやって。あ、ポッキー好きじゃない感じ?」
    「いや、ポッキーは嫌いじゃないけど。……もしかして、『ささたな』って灯影院と僕のこと? それに、そんなにお菓子が被ることってある?」
     聞き慣れない言葉に釣られ、僕はいつものように突っ込んでしまった。ほぼ交流のない女子に対して、馴々しすぎたと冷や汗が流れる。この場にカナがいたら鋭い蹴りが飛んでくるだろう。しかし、彼女は気にした様子もなくケラケラと笑った。
    「そーだよ、いつも一緒にいるから。苗字くっつけてわかりやすいっしょ。で、今日ポッキーの日じゃん。11月11日。知らない? ほら、ガッキーがCMで踊ってたやつ」
    「いや、それは知ってるけど……」
     少し前のCM曲を口ずさみながら、軽く身振りをする彼女に何を言えばいいかわからず困惑する。接点もないのに、菓子がここまで回ってくる理由は納得した。しかし、勝手に名前を付けられて二人一組として認識されるのは変な気分だ。実際、僕が灯影院と一緒にいる時間は長いが、灯影院は他の人とも絡んでいることが多い。それでも、周囲からそんなふうに見えているのだろうか。
    「まー、どうせ持って帰ってももったいないから貰ってよ。だいじょーぶ、他の子にはすでに渡してるから」
     彼女は滑らせるようにアルミ袋を机に置いた。何が大丈夫なのかはわからないが、ここまでされて突き返すほどの理由もない。大人しくポッキーを手に取った。
    「ありがとう。でも僕、返せる物とか持ってないよ」
    「いーよ、バレンタインじゃないし。全然気にしないでいーから。じゃ、ささっきーにもよろしくー」
    「わかった、ありがとう」
     彼女はカラッとした笑みを浮かべた後、席を離れていった。振り返ることもなくひらひらと手を振るクラスメイトに、僕はまた明日と小さく呟いた。
     ……灯影院、あいつ、女子からあだ名で呼ばれてるのかよ! それも苗字の方で! 
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    ゆる抹茶風味

    DONEポッキーの日ネタ。アヤタがモブギャルに話し掛けられているだけ。9割捏造。高校生時空で、灯影院の交友関係がそこそこ広くて、あだ名を付けられている。
    蛇足メモ: このモブの家はスナックをやっている設定。
    アヤタがクラスメイトからポッキー貰った話「ねー、ささたなコンビにポッキーあげる」
     ホームルームが終わり、教室はざわついている。読み掛けの本を開いて、トイレに行った灯影院を待っていると、目の前に派手な恰好をした女子が立つ。机を挟んでふわりと化粧の香りがする。普段教室の対角線上にいるタイプで、僕は思わず身構えた。
    「……えっと、ごめん、どういう風の吹き回し?」
    「風の吹き回しって言い方すご。ウケる」
     その言い様は馬鹿にしているのか、それとも本当にツボに入ったのだろうか。どちらにせよ、意味もわからず笑われるのは気分が悪い。固くなる僕を前に、彼女はひとしきり笑ってから話を続けた。
    「んーとね、うちにいっぱいあったから持って来たんだけど、配ろうとしたらみんなノリよくて、最終的に九箱ぐらいダブったんだよね。手当たり次第あげても余ってたところで、ささたながいたからちょうどいいやって。あ、ポッキー好きじゃない感じ?」
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    ゆる抹茶風味

    DOODLE短いし習作だけど五感を意識した表現を気に入っている(自画自賛)
    しゅうまつプロローグ リビングで洋画を見終えたあとの世界には二人きりだった。落とされた明かりの中、液晶が青白く光っている。ソファに凭れ掛かり、僕と彼の肩が寄り添う。感想の一つでも口にしてしまえば、浮遊感から上手く抜けられない気がして唾を呑み込んだ。
     熱を帯びる左肩にゆるり頭を預けると、より鼓動が響く。ほのかなシャンプーの香りが鼻孔をかすめて、ちいさく息をする。同じものを使っているはずなのに、なんでこうも落ち着かなくなってしまうのだろう。匂い一つで狼狽えるのが恥ずかしくなって、慌てて背筋を正す。
     呼吸を止めた心音は秒針より早い。脈打ち流れる血液に気をとられていると、左手が暖かくなった。ゆったり重ねられた手に一度包み込まれたあと、指が徐々に肌を離れていく。残った人差し指で指の形を探られると、それだけで甘い痺れが背骨を走って、僕は目を瞑ってしまった。ふちのすれすれ、あいだ、骨、筋。すべて覚えるように、教え込まれるように何度も指は進んでいく。自由奔放のようで、毛細血管まで余すことなく伝わる熱からは執念さえ感じる。三周されたころには、軽く息が荒くなっていた。そして暗闇のなか、内側へするりと潜り込んだ指に抱きしめられる。幼子がしがみ付くように固く結ばれた掌は逃げることを許さない。
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