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    ゆる抹茶風味

    @gdgdocha

    かべうちから移行。さと探/その他二次創作/オリジナル 書き掛けかR指定を置いてます。

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    ゆる抹茶風味

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    腐向け。ぼくはかの花芹。「小雪芹」と「ゲシュテーバー」、どっちに執着してるの?みたいな話の冒頭予定だった気がする。1200字。

    ##二次創作

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    ゆる抹茶風味

    DOODLE短いし習作だけど五感を意識した表現を気に入っている(自画自賛)
    しゅうまつプロローグ リビングで洋画を見終えたあとの世界には二人きりだった。落とされた明かりの中、液晶が青白く光っている。ソファに凭れ掛かり、僕と彼の肩が寄り添う。感想の一つでも口にしてしまえば、浮遊感から上手く抜けられない気がして唾を呑み込んだ。
     熱を帯びる左肩にゆるり頭を預けると、より鼓動が響く。ほのかなシャンプーの香りが鼻孔をかすめて、ちいさく息をする。同じものを使っているはずなのに、なんでこうも落ち着かなくなってしまうのだろう。匂い一つで狼狽えるのが恥ずかしくなって、慌てて背筋を正す。
     呼吸を止めた心音は秒針より早い。脈打ち流れる血液に気をとられていると、左手が暖かくなった。ゆったり重ねられた手に一度包み込まれたあと、指が徐々に肌を離れていく。残った人差し指で指の形を探られると、それだけで甘い痺れが背骨を走って、僕は目を瞑ってしまった。ふちのすれすれ、あいだ、骨、筋。すべて覚えるように、教え込まれるように何度も指は進んでいく。自由奔放のようで、毛細血管まで余すことなく伝わる熱からは執念さえ感じる。三周されたころには、軽く息が荒くなっていた。そして暗闇のなか、内側へするりと潜り込んだ指に抱きしめられる。幼子がしがみ付くように固く結ばれた掌は逃げることを許さない。
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    途綺*

    DONE🐑🔮//綺羅星の微睡み

    甘やかされてふわふわしてぼんやり眠くなる話。※実際にある睡眠導入法を軽くアレンジしています。
    「ふーふーちゃんのばか」

    足を抱えて小さく丸まった浮奇の声は、深く潜り込んだベッドの中でくぐもって響いた。ファルガーがドッゴの夜の散歩から帰ってきた直後という、浮奇にとっては有り得ないほど早い時間にベッドへ入っているのは低気圧に負けて痛みを訴える頭のせいだった。

    外の雨が強くなるにつれて突き刺すような痛みが徐々に強くなってきたこめかみをさすりながら眉根を寄せていた浮奇は、見兼ねたファルガーに鎮痛薬を飲むよう促された。当然の対応だとは分かっていたが昼前から痛んでいた頭は疲れ切って正常な思考を保てず、浮奇は鎮痛薬を差し出すファルガーの手を拒否した。ふーふーちゃんが抱きしめてくれれば治るだとか、脳みそを取り出して壁に投げたいだとか、キスして甘やかしてよだとか。とにかく悪態をついた覚えはあるが何を口走ったのか記憶にない。ただ、話を受け流しつつ浮奇の手を引いてキッチンへと向かったファルガーが唐突に顎を掴んできて、優しく重なる唇に安心したのと同時にぬるい水と薬が口内へ流れ込んできたことで浮奇はようやく正気を取り戻した。
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