BSS少年モブバデ 昼下がりの教会は、ステンドグラスから差し込む淡い光で柔らかく照らされている。
村の子ども達はいつものようにクラボフスキを取り囲み、色んな話を聞かせてくれとせがんでいた。
「クラボフスキさ〜〜ん。怖い話して〜」
「お化けのお話して〜!」
友人達が興奮気味に司祭の腕を引っ張る姿を、少年は一歩下がって見つめていた。弱虫だと笑われてしまうから言わないけれど、少年は怖い話が苦手だった。
いやだなあ。できれば聞きたくないなあ。夜眠れなくなったらどうしよう。少年は浮かべた笑顔の裏でそう思う。
クラボフスキは眉根を下げて苦笑しながら、『こらこら』と子ども達を宥めた。
「困ったなあ。聖書の話ならいくらでもできるけれど、お化けの話は知らないよ」
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