推し活する彼女にじぇらる萩原「最近構ってくんないけど、誰に浮気してんの?」
明らかに不貞腐れていますという顔をした萩原は、ソファで雑誌を読んでいた私の隣に座るなりそう口にした。萩原以外の男に浮気をした記憶はない。ただ、ここのところ悪の組織の顔が良いお兄さんたちや、殺陣がかっこいいと話題の新人イケメン俳優にうつつを抜かして萩原との時間があまり取れなくなっていた。誤魔化す気は無いけれど、うまく伝わるのかは分からない。話してみないと分からないか、と私はどう伝えようか頭を悩ませながら雑誌を置いて口を開いた。
「浮気は絶対してない。ただ、推し活……? フィクションの世界に夢中になってたというか……」
「お前の一番の推しは俺じゃねぇの?」
「研二は推しとは違うかなぁ」
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