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    tenjiku_mol

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    tenjiku_mol

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    ワンライ
    お題、ネクタイでtwitter投稿したもの。
    加筆しようかと思ってましたが、進まないのでとりあえず投げとく。

    ネクタイ ジュンティケ きらびやかな光と音の洪水。艶やかなドレスを纏ったご婦人に囲まれて、もっとも目立っている薄藤色のスーツ。ジュンターヌは主人を見つけると、すっと斜め後ろに身を寄せた。
    「お時間です。」
    「わかった。」
    ティケトはその整った微笑みを、本日のホストであるマダムに向ける。
    「名残惜しいのですが、商談がありまして、失礼しなければなりません。お招き頂き感謝致します。」
    わずかに腰を折った挨拶も様になり、ほうっとご婦人達からため息が漏れた。

     会場を後にして、車に乗り込む。商談場所は普段訪れた事のない郊外にあった。
    「止めてくれ。」
    ぼんやりと外を眺めていたティケトが声をあげた。
    ジュンターヌが車を止める。ティケトは、外に出て、少し来た方向に戻り、草むらから何かを拾い上げた。
    「ネコですか?」
    「ああ、弱ってるな。」
    「車に毛布があります。お待ち下さい。」
     車に戻ろうとしたその僅かな隙だった。
     一人の男が、ティケト目掛けて突っ込んで来た。突然の事で、バランスを崩し、倒れるティケト。しかし彼は見ていた。向かってきた刺客が足元から崩れ落ちるのを。その太ももにはナイフが刺さっている。ジュンターヌが投げたものだ。ネコは逃げた。あの弱りようだ。長くは生きられまい。
     踵を返し、男を取り押さえるジュンターヌ。右腕をねじりあげ、頭を地面に押さえつけた。ナイフを持ち直し、首もとに掲げた瞬間、
    「待て!」
    制止の声があがった。ピタリ、掲げられた腕が寸前で止まる。
    「なぜ止めるんです?」
    不満そうに溢すが、刺客を取り押さえた手は緩めない。
    「おかしいと思わないか?」
    「おかしい?」
    「おい。お前はブルボン家の刺客か?」
    片膝をついて問いかけると、男は、何を言っているのかわからないとでも言うように首を降った。押さえつけられているため、僅かしか動かない。声も出せない状況に、ティケトは手を緩めるよう促した。しぶしぶ、頭を離すが両手は拘束したままだ。
    「弱すぎる。間抜け過ぎる。殺気がない。刺客としては無能過ぎるだろう?」
    「訳のわからない事を!」
     男は唾を吐き掛けた。それすらもジュンターヌによって未遂に終わる。
    「俺たちは毎日食うのにも困ってるんだ。坊っちゃんは、そんないいベベ来て、自動車なんか乗って、その上着一枚あれば、家族が一ヶ月食べていけるのに。」
    「だから金で雇われたのか?」
    取り押さえている男の低い声の冷たさに、びくり、身震いする。
     自分がそうだった。生きていくために何でもした。金で雇われて、この人を襲った。

    「もういい。わかった。」
     ティケトは自身の首から藤色のネクタイを引き抜いて、男の鼠径部に巻いた。ぎゅっと締め付け、止血する。
    「応急措置だ。医者に行けるなら行け。」
    上着を脱いで、男に手渡す。
    「解放してやれ」
    命じると、ジュンターヌは大人しく手を離した。

    「信用できませんよ。あんな言葉。」
     去ってゆく背中を眺めて忌々しく吐き捨てる。
    「いいさ。その時はお前が守るだろう?」
    「もちろんです。」

    「この格好では商談にならないな。帰るか。」
     ティケトは立ち上がり、呟いた。
    「それは構いませんが…」
     ジュンターヌは不機嫌そうにティケトの手をとった。
    「あんな男の足をこの手が触れたなんて。」
    その目の奥には獣のような光が灯っていた。            End.






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    tenjiku_mol

    ArtSummary2022きのかさんのイラストからの妄想SSです。
    寝顔盗み見高人さん いつもより少し早く目が覚めた。頭に添えられた手は優しくて甘ったるくて。でもその太い腕はぎゅっと俺を抱き寄せて動けないほど。決して逃がさないと。そっと目だけを動かして盗み見たその顔は、なんて満たされているんだろう。逃げないし逃がさない。そっと指先を握りこんだ。
     恋人に抱きしめられて眠っていた、冬の早朝。

     眠る天使に出逢える日は少ない。天使はほら、警戒心が強いから。安らかに閉じられた瞳を守る長い睫毛。結ばれた唇は口角をあげて、静かに寝息を漏らしている。そんな無防備な様がとても可愛くて愛しい。安心して眠ってほしい。俺の前では気を抜いていいから。どんなお前も好きだから。

     この腕の中はいつも温かい。いや、暑い。のぼせそうだ。身動ぎもできず、でもそれすら心地よくて、数ミリの隙間を詰めて喉元に鼻を埋めて吸い込んだ。なんでこんなに体温が違うんだろうな?同じ男なのに。熱で少し蒸れた匂いも嫌いじゃない。こんな温もりに包まれて眠ることが当たり前になるなんて、昔の俺に教えてやったら驚くだろうな。怒るかもしれない。分からないだろうな。これは俺だけの特権だから。掴んだ手に力がこもる。その時、
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