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    tenjiku_mol

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    tenjiku_mol

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    🌸先生のクリスマスイラストから

    トナカイと七面鳥「ちゅんたぁ!ちゅんたぁ!」
     夜中、隣で寝ていた人が突然喚いた。
    「どうしました?」
     うなされて、泣いている。俺を呼んでいる?探している?
    「ちゅん、ちゅんた…」
     ぐす。嗚咽が漏れる。
    「高人さん。俺はここです。大丈夫。もう大丈夫だから。」
     薄目を開けてこちらを認識したのを確認し、抱き起こした。背中をさすってあげると、両手で背中を掴んで、胸に顔を埋めた。
    「よかった。ちゅんた。よかった。」


    「怖い夢を見た」
     漸く泣き止んだ人に、人肌に温めたホットミルクを手渡すと、両手でカップを包み持ちミルクの波をじっと眺めてから、ゆっくりと口に運んだ。一口飲んで、ほぅと息をつく。
    「七面鳥だったんだ」
    はい?
    「俺とお前は、七面鳥で、お前は先に売られていった」
    はあ。
    「俺は『待ってろよ俺が必ず買い戻してやるからな』って言って」
    うん。
    「街頭で、モノマネとかやって日銭を稼いで」
    はい。
    「目標達成したんだけど、もうお前はオーブンの中にいて…」
    じわ。思い出したのかまた涙が滲んだ。
     大きな瞳からポロポロ、宝石みたいな雫が溢れる。
     俺を思って泣いてくれているのが、この人を悲しみから救いたいとは思うけれど、ずっと見ていたい程には嬉しかった。
    「大丈夫です。俺はここにいますから」
     溢れた涙を舐め取った。潤んだ瞳が、まだ不安げに見上げてくる。
    「じゃあ、こうしましょう」
    『別の動物になって、俺と楽しい思い出を作りませんか?』
     高人さんは、きょとんとした表情で、こくと頷いた。


    「で、ナンダコレは?」
    「高人さん!なんですか!その可愛さは!」
     自作のトナカイパーカーを身に着けた高人さんの予想以上の可愛さに、思わず叫んでしまった。太腿が半分程露出した裾が気になるらしくらしく、両足を擦り合わせ、手で引っ張っている。
    「フードちゃんとかぶって!写真、いいですよね⁉ ツリーの前でお願い致します。あ、後ろ姿!尻尾を撮りたいので、見返りお願いできますか⁉」
     俺はサンタになった。お揃いのトナカイも作ってあるのだが、二人同じ動物じゃあ、また嫌な夢になるかもしれないから。
     気分を変えたかったのか、高人さんはいつになく素直に撮影に付き合ってくれて、コレクションが沢山増えた。我ながら良く撮れたツーショット写真は、リビングに飾ったら怒られるだろうか?
    「次は、四つん這いになって…」
     そこで遂に、
    「いい加減にしろ」
    はたかれた。元気は戻ったようだ。よかった。
    「もう着替える」
     ぷんすか拗ねる愛しい人の手首を掴んで引き寄せた。
    「待って」
     腰に手を回し、ぐっと抱き締める。
    「脱ぐのは一緒に…」
     赤い顔で見上げてくるその眼にOKのサインを見た。

     明日のディナーに用意したターキーは、焼いてもいいだろうか?

    End.
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    Replies from the creator

    tenjiku_mol

    ArtSummary2022きのかさんのイラストからの妄想SSです。
    寝顔盗み見高人さん いつもより少し早く目が覚めた。頭に添えられた手は優しくて甘ったるくて。でもその太い腕はぎゅっと俺を抱き寄せて動けないほど。決して逃がさないと。そっと目だけを動かして盗み見たその顔は、なんて満たされているんだろう。逃げないし逃がさない。そっと指先を握りこんだ。
     恋人に抱きしめられて眠っていた、冬の早朝。

     眠る天使に出逢える日は少ない。天使はほら、警戒心が強いから。安らかに閉じられた瞳を守る長い睫毛。結ばれた唇は口角をあげて、静かに寝息を漏らしている。そんな無防備な様がとても可愛くて愛しい。安心して眠ってほしい。俺の前では気を抜いていいから。どんなお前も好きだから。

     この腕の中はいつも温かい。いや、暑い。のぼせそうだ。身動ぎもできず、でもそれすら心地よくて、数ミリの隙間を詰めて喉元に鼻を埋めて吸い込んだ。なんでこんなに体温が違うんだろうな?同じ男なのに。熱で少し蒸れた匂いも嫌いじゃない。こんな温もりに包まれて眠ることが当たり前になるなんて、昔の俺に教えてやったら驚くだろうな。怒るかもしれない。分からないだろうな。これは俺だけの特権だから。掴んだ手に力がこもる。その時、
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