長期不在 ピピピとスマホから電子音が流れ、目も開けず枕元を手のひらでなぞる。やっとの思いで掴んだ鉄塊を握りしめ、画面をタップすれば騒がしかった音は鳴り止む。無意識に隣に手を伸ばすもそこには寝起きの体温には冷たすぎるシーツの感触しかなかった。
まだ夜が明けて間もない空を見上げる。今日も朝から仕事があるのを忘れてはいない。もう一度瞼を閉じようとしたがどうにか気力でこじ開け床に足をつけ、洗面所へ向かう。
フラフラしながらも洗面所で顔を洗えばスイッチが入る。
今日も完璧にこなすのだ。
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「んもう!燐音先輩うるさいね!ぼくが快眠してるところにアラームでHiMERUくんのセンター曲を大きな音で流さなくていいね!」
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