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    書きかけ供養五夏

    診断メーカーのやつだったと思う星漿体任務が無事とは言えない終わり方で完了して数ヶ月、暦は既に夏に突入しており外では今日も元気にセミが鳴いていた。この呪術高専にも夏休みという概念はあるそうで、つい先日から一ヶ月ほどある夏休みに入っていた。夏休みに入ったからと言って任務が無くなる訳ではなく、今日も今日とて任された任務を五条とともに夏油はこなしていた。
    服従させ、手駒として飲み込む。すぐにえずきそうになりながらも、喉からは何も出てこようとはしなかった。
    「おー、そっちも終わった?」
    「ああ、終わったよ。そっちも?」
    「おう。弱すぎて相手にならなかったわ。これ二人もいる任務かぁ?」
    「仕方ないだろう、先方からのお願いなんだから。」
    夏油は立ち上がり軽く着いた砂埃をパッパッと払った。五条はいつも通り塵一つその身にはついてなかった。
    ぱかり、と携帯を開くと待機していた補助監督に連絡を取る。
    「もしもし、山野さん?任務完了しました。」
    「え、あ!夏油くん!?ごめん!別の任務の要請来ちゃってて迎えに行けない…!」
    「あー、わかりました。自力で帰ります。」
    「本当にすみません!気をつけて…!」
    それでは、と山野という補助監督は電話を切った。切羽詰まった感じであったため、言っていたことは真実だろう。自力で帰ると言ったが、今夏油たちがいるのは山の中で周りには木しかない。本来ならば、車の通る道路まで出てそこで補助監督が迎えに来るのを待つのだが、要請が来たのならば仕方がない。とりあえずはバスか電車が通るところまでは出なければ、と携帯のナビを引っ張りだす。
    「なに、補助監督来ねぇの?」
    「ああ、向こうでトラブルがあったらしい。私たちは自力で帰ろう。」
    「そんなん、傑のあの飛行呪霊だして飛んでいけばいいじゃん。俺はまだ飛べそうにねぇんだよなぁ。」
    あとちょっとなんだけどな。と五条が隣で言う。
    「…確かに、ここから人里ある場所まで歩くのは非効率かな。」
    ずず、と夏油の手のひらから黒い渦が発生し、そこからぬるりとエイのようなマンタのような見た目の呪霊が出てくる。大きさで、夏油と五条が乗ってぎりぎり、といったところだろうか。
    「さっすが傑。わかってる!!」
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