Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    hh_ss_0404

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 4

    hh_ss_0404

    ☆quiet follow

    前の続き。マレレオ

    #マレレオ
    maleLeo

    学園で再会しちゃったけど、あれれ?レオナさんの様子がおっかしいぞ〜?「お主、それをどこで貰った?」
    「あぁ?」

     鏡の間。そこには、新しく学園に通うこととなった新入生たちを迎え入れるために、学園の全生徒が揃っていた。ひとりひとり、闇の鏡へと名前を告げふさわしき寮へと割り振られる。それを、三桁は超える生徒全員にするのだ、かったるいったらありゃしない。しかも、残念な事だが事実である寮長のレオナがサボる、なんてことはできない。サバナクローのやつらは、レオナを崇拝はしてはいるものの右腕となって動く者はいない。まあ、副寮長がいないのだ。だから、適当にしとけ、と押し付けれる人間もいない。仕方なく、レオナはこの選別に顔を出さなければならなかった。
     ようやく終わった鏡の選別にはぁ、とため息をついて、サバナクローに所属になった新一年生に着いてくるように号令をかけようとしたところで、レオナは己を引き止める声に足を引き止めた。
     振り返った先には、小柄な生徒。式典服のフードを深く被っていたため、顔ははっきりとわからなかった。
    「んだよ、俺になんか用か?」
    「お主が纏っているその"祝福"を誰から貰ったと聞いておるんじゃ。」
    「しゅくふくだぁ……?」
     そう言われ、己を見渡してまるものの、そこにはいつも通りの自分がいるだけで、他に別の魔力などが感知など出来なかった。
     祝福、といったら有名なのは妖精から贈られるものだろう。レオナとて、一ミリも興味は無いものの知識としてその頭にはあった。そういえば、と今年はあの茨の谷の次期国王となる妖精が学園に来ると言っていたが、そのような気配はなにもなかった。はて、と思ったものの噂でしか学園内に伝わってなかったため、ただの噂でだった、というだけだろう。そうレオナは思っていた。
     バタン、と鏡の間の扉が音を立てて開かれる。そこまで大きな音ではなかったというのな、レオナと新入生のやり取りのせいでいやに静寂だった鏡の間内には響き渡った。その中にいる人間が全員そちらを向くほどには。
    「おや、入学式はとうに終わっていたか……」
    「マレウス!ようやっと来たか!」
     お主ときたら〜……とレオナの目の前にいた小柄な新入生は扉を開けた人間…頭に大きな角があるため人間と呼んでいいものかわからないが、今の段階で分かることがないので人間と呼ぶ…に駆け寄って行った。しかも、その人物に対して"マレウス"と呼んだのだ。静寂だった鏡の間は水滴を落とされた水面のようにざわざわと騒ぎ始める。
    「え、あいつマレウスって言ったか…?」
    「マレウスってあの茨の谷の…!」
    「入学するって話は嘘じゃなかったんだ…」
     口々に話す生徒たちを横目に、マレウスは学園長のクロウリーとなにかしら話している。おそらく、闇の鏡による選別やら、入学式への招待状が送られてなかったことなどの話だろう。闇の鏡に問いかけるまでもなく、マレウスがどこの寮に行くかなどこの場にいる全員が分かっているだろうが、一応学園が築き上げた伝統のため闇の鏡へと問いかける。
     ざわつきが収まらない中、レオナは誰と話すことも無くマレウスを見ていた。己が渇望しても、いくら手を伸ばしても手が届かないもの全てを持った男が目の前にいるのだ。腹の奥底になにか、気持ちの悪いものが流されたような心地だった。
     視線を外そうとしたところで、ばちっ、と雷が通ったようにレオナはマレウスと目線を合わせてしまった。ただ目線があっただけで、レオナはマレウスから目を離すことが出来なくなった。マレウスはレオナと目線を合わせたまま、ずんずんとレオナへ向かって歩いてくる。その気迫のせいか、レオナの前には何十人と人がいたはずなのに、マレウスが通るため、みたく道を開けていく。
    「これ、マレウス…!」
     後ろで呼びかける者の声さえ無視をして、レオナへ向かってくるマレウスに、レオナは逃げることが出来たはずなのになぜか出来なかった。
     会ったことは無かったはずなのに、目が離せなかった。マレウスは、レオナの前に来ると自然に片膝をついてレオナの手を取った。びくり、と跳ねる手を握られレオナは困惑でしか無かった。
     誰もが、呆けて見守るしかない中、マレウスは静かに口をあける。
    「レオナ、ようやっと会えた。約束を果たしに来た。」
     そう言って、手にしていたレオナの手の甲に口付けを落とした。
     その瞬間、レオナは反射的にその手を振り払った。ぱちんっ、とかわいた音が鏡の間に響く。レオナは口付けられた手の甲に己のユニーク魔法である乾きの魔法をかける。まだ、男の体温が残っていて泥にでも浸かされた気分だった。
    「…はっ、茨の谷の坊ちゃんは見知らぬ人間相手に求婚するほど欲求不満らしいな?仮にも王族だぜ?」
     人を馬鹿にし、嘲笑うかのような笑みを口元に浮かべる。目の前の男は、突き放されたことに驚いているのか目を見開いていた。
     マレウスを置いて、レオナは自身の寮生になった生徒たちへと着いてくるように言う。もう闇の鏡の選別は終わったのだ、さっさと新入生たちを寮へ案内し休ませるのが基本だろう。クロウリーも止める気は無いようで、レオナたちサバナクローが寮へ行くために鏡舎へ向かってもこえをかけてくることはなかった。
     レオナの呼び掛けに慌ててついてくる寮生を引き連れて、レオナはさっさと鏡の間を後にした。



    まとめる時には添削とかちゃんとしたい。
    尻叩きのためにあげる。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works