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    紫遊(Shiyuu)

    @Vtuber_2434fan

    2434EN二次創作小説。日本語のみ。たまにイラスト(アナログ)

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    紫遊(Shiyuu)

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    🖋👹🧧 2022.8.26のサシコラボ後の二人のお話。🖋視点。朝起きたら隣でVoxが寝ている所から始まる馴れ初めのお話。(二次創作処女作です)

    #voxike
    #Ikevox

    君の隣に居てあげる隣で天使のような寝顔で(まあ彼は“テンシ“ではなく”アクマ“なのだが)静かに寝息を立てて寝る彼の赤混じりの黒髪をサラリと撫で、事実は小説より奇なり…なんて思いながら軽くストレッチをして二度寝をするかベッドから出るかどちらにしようか考える。二度寝をしたら寝顔を撮られかねないし(いや、彼なら間違いなく撮るだろう)起きて朝食を用意しよう。そう決めて彼を起こさぬようそっとベッドから抜け出す。軽い頭痛がする…昨日は少し飲み過ぎたかな…。ホント何でこんな事になったんだか……。思い出そうにも寝起きの頭では思考力もおぼつかず記憶を掘り起こすにはまだ早かった。とりあえず用を足して顔を洗おう。それから水を飲んで…状況の整理をしながら…いや、先に今日のスケジュールの確認をした方がいいかな。今何時だっけ?時計を見るとAM:8:17。朝食をのんびり食べる余裕くらいはありそうだ。昨晩の事は追々思い出そう。そう思いながら廊下へ出てトイレへ向かった。

    ♢♢♢♢♢

    - Under the Tableでのコラボ後 -

    「アイク、今日は有り難う。次のコラボも宜しくな。」
    「…うん、こちらこそ有り難う楽しかったよ。」
    帰ろうと席を立つと視界が揺らいだ。すかさずヴォックスが支える。「大丈夫か?送るよ。」と言うヴォックスに「大丈夫だよ、ちょっとふらついただけ。」と返すも、彼の支えから離れた足は千鳥足で歩みを進め、再び支えられる羽目になった。
    「お願いだアイク、送らせてくれ。このまま君を一人では帰せないよ。それか、明日午前中に予定が無いなら俺の家に泊まっていかないか?今日は酔ってるから良くないが、明日帰る前にでも少しゆっくりバスタブに浸かっていくと良い。酔いも覚めてスッキリすると思うぞ。」
    そう言うヴォックスの申し出を「本当に大丈夫だから」と断っても良かったのだが折角楽しく呑んだのに心配をかけては申し訳ないのでお言葉に甘える事にし、ヴォックスに支えられながら彼の住処へと連れて行かれた。

    どうやらヴォックスの家に向かう途中でウトウトしてしまったらしい。気が付けばふかふかのベッドで天井をぼんやりと眺めていた。少し遠くの方でシャワーの音がする。なんとなく起き上がる気になれずそのままぼーっと横たわっていると程なくしてシャワーの音が消えそれからドライヤーの音がして、いつもより少し高めの鼻歌が聞こえたかと思うと此方へと足音が近づいてきた。
    「アイク、目が覚めたのか。シャワー浴びるかい?まだ酔いが回っているなら明日起きてからでも構わないが…。」
    「少し寝ていたみたいだから大丈夫だよ。汗もかいたし、シャワーを借りてもいいかな?」
    「勿論。そんな事もあろうかと脱衣所にバスタオルと部屋着を用意しておいたよ。俺のだからアイクには少し大きいかもしれないけどな。」
    “用意周到だな“なんて思いながらも、そういうさりげない気遣いが出来るからモテるんだろうなと感心し、シャワーを浴びるべくその場を後にする。服を脱ぎスマートフォンを片手に浴室へ入る。お気に入りの曲をかけシャワーを浴び、シャワーのお湯を口で受けては吐き出したりなんかして今日のコラボを振り返る…とは言っても断片的にしか思い出せなかったが。そうしてシャワーを済ませ髪を乾かし、寝室へ戻るとヴォックスは片手にグラスを持ちまた少し呑み直しているようだった。少し寝たのとシャワーを浴びたので酔いも覚めたせいか、直ぐには眠れそうになくヴォックスの隣に腰掛ける。
    「僕も一杯貰っても良いかな?」
    「俺と一緒で眠気が遠のいたのか?良いだろう、二次会といこうか。」
    一杯、なんてのは方便で結局その後も二、三杯吞んだ。何について語ったのか覚えていないが気付けばベッドの上でヴォックスと共に背中合わせで横になっていた。あれだけ吞んでもまだ気遣いの心があるのか、自制心なのか、それともヴォックス自身も流石に向かい合わせは気恥ずかしいのか分からないが…。もう睡魔がすぐ傍まで近づいている中、ヴォックスがポツリと呟く。
    「なあアイク、“必ずしも女の子じゃなくて良いんだけど……誰かが居てくれたらなって、一人ぼっちじゃなかったらな”って言っていたよな?」
    「…ん?…うん。それがどうかした?」
    「…俺じゃ…ダメか?」
    「え?」
    「アイクの隣の空っぽの枕を埋めるのが俺じゃダメか?」
    夢の扉を開きそうになっているうつらうつらとした意識が一瞬にして現実へと引き戻される。僅かな沈黙が訪れるも、もうどれくらいだか分らないほど久々に寂しさを感じる日々から解放され、温もりを感じるベッドでヴォックスの眠気混じりの声が甘い囁きのように心地よく耳に響き考えるよりも先に返しの言葉が口をついて出る。
    「…いいよ、ヴォックス。君の隣に居てあげる。」
    背中越しにヴォックスの体がピクっとなったのが伝わる。
    「…あ、え…あ、、アイク?…あ…そ、それって……??」
    もういつでも睡魔に連れ去られそうな状態なのににわかには信じられないといった様子で動揺する彼にもどかしさすら感じて体を捩じらせ後ろからハグをする。
    「恋人になるって事…でしょ。」
    ヴォックスは感嘆のため息をつき、何かを言った後(恐らく感動の言葉を述べたのだろうが覚えていない)此方へと振り返り抱き返してきた。今までの僕なら突き返すか殴ってやろうかってところだが今は居心地が良い。その後も少し何かを言っていたような気がするが最後に覚えている記憶は「おやすみ、アイク。」という言葉と温かい彼の手で前髪をかき分けられ額に唇が寄せられた事だ。

    ♢♢♢♢♢

    朝食を用意するといっても勝手に冷蔵庫の中の食材を使っていいものか悩み結局ピザを頼む事にした。ヴォックスが起きるのが先か、ピザが届くのが先か…なんて待ちながらスマートフォンで仕事の連絡を返したり、SNSをチェックしてるとドアが開き寝癖のついたヴォックスが顔を見せた。
    「おはよう、アイク。」
    「おはよう、ヴォックス。」
    今までと何ら変わらない挨拶をする。
    「あー…アイク?あの…昨晩の事なんだが……夢じゃなけりゃ…。」

    ⦅ ピンポーーン ⦆

    ヴォックスが最後まで言いきらないうちにインターホンが鳴った。ピザだろうなと察して受け取りに行く。案の定その通りでピザの香ばしい匂いがダイニングに満ちる。
    「ごめん、ヴォックス。お腹空くだろうなと思って君が起きるのを待つ間にピザを頼んでおいたんだ。それで、言いかけてたことは何?」
    ピザの箱を開けながら問いかける。
    「あー、いや、その…昨晩の事なんだが…。」
    と言いながらコップと飲み物を取りに行ったようで話が止まる。何の話か察して
    「昨日のコラボで話した事や此処に来てからの事、全てを覚えているわけではないけれど…。」と前置きした上で話を進める。ヴォックスはコーラと水をコップに注ぎ着席した。向かいの椅子に座りピザを手に取り出来るだけ冷静に何食わぬ顔で話を続ける。
    「僕達の関係が変わった事は確かだね。」
    ヴォックスが雄叫びを上げ、ガッツポーズをする。
    「夢じゃなかった!!」
    「ヴォックス、二日酔いの頭に響くよ…。それに、ピザ冷めないうちに食べよう?君の恋人が一緒に朝食を食べたくて頼んだんだからさ。」
    サラッとそう言いピザを食べ始める。内心はヴォックスの方から昨晩の事について聞こうとしてきた事でアレが夢じゃなかったんだという実感が湧き、胸が高鳴っていたわけだけれど。

    朝食を二人で済ませるとヴォックスがにまにまとあからさまに上機嫌な様子で話しかけてきた。
    「アイク、これからバスタブに浸からないか?昨日もそう提案しただろう?」
    「下心見え見えだよヴォックス…。今日はこの後コラボの打ち合わせがあるからね、僕はこれで帰るよ。」
    ため息をつき寂し気に擦り寄る彼を半ば無視して帰り支度をする。
    「ア~イク、もう帰るのか?」
    「もう十分長い時間時を共にしたでしょ。それにまた今度コラボするし、根性の別れじゃないんだから…またね。」
    まだ帰ってほしくなさそうなヴォックスに一時の別れを告げる。名残惜しそうな彼を見ては少しばかり胸が痛み名前を呼ぶ。目の前に来た彼に向かってほんの少し背伸びをし、頬に触れる程度の口付けをし、恥ずかしさで真っ赤になった顔を見られまいとすぐさま踵を返す。
    急な事でまたもや動揺したのであろう、少しの間があった後に「愛してるよアーーイク!!」という声とおまけにリップ音を背中に受け、家路に着いた。
    「もう…あんな大声でそんなこと言ったらご近所さんにバレバレになっちゃうじゃん…。ヴォックスのおバカ……。」
    なんてボヤきながら…

    - Fin. -
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