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    紫遊(Shiyuu)

    @Vtuber_2434fan

    2434EN二次創作小説。日本語のみ。たまにイラスト(アナログ)

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    紫遊(Shiyuu)

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    オフコラボ前から書いていたものですが、オフコラボ後に設定や内容を加筆修正をしました。オフコラボの日の朝から始まる浮奇が恋に落ちるお話です。

    #shuuki

    おまじない「置いて行かないで…捨てないで……待って…。」

    ♢♢♢♢♢

    ハッ……夢、か。目覚め悪いな…。
    額にかいた汗を片手で拭いながらベッドを出て水でも飲もうかとキッチンの方へと向かう。途中先程見た夢を思い出し表情が曇る。嫌な朝だな…、朝からこんな調子だとその日一日が良い日じゃないような気がして気持ちが沈む。
    「おはよう浮奇、顔色が良くないね。どこか具合悪いの?」
    ダイニングに入ったところで黄色い前髪が特徴的な黒ベースで紫のインナーカラー、両サイドにピンクのメッシュが入った襟足の長いウルフヘアーの青年に声を掛けられた。
    「おはよう、シュウ…そんなんじゃないよ……少し夢見が悪かっただけ。」
    本当は少しどころかかなり夢見が悪かったのだが、あまり心配を掛けたくなくて少し噓をついた。
    「あー、そうなんだ。」
    特に気にも留めていないような返事が返ってきた事で“嘘ついたのバレてなさそう”と、少し安心する。キッチンで水を飲みダイニングにいるシュウに朝食について尋ねると先に済ませたらしいので朝食に一人分の簡単な軽食を準備をする。コーヒーを淹れ、朝食を持ってダイニングへと向かい“折角今朝はシュウがいるのだから夢の事はさっさと忘れよう。”と自分に言い聞かせ、ダイニングの椅子に座る。朝食を口に運びながら“#shuuki”のFAを巡回し、気に入ったファンアートをリツイートしているうちにだいぶ気持ちが穏やかになった。“素敵なイラストを有り難う。本当にこういうのに癒されたりモチベーションが上がったりしてとても救われているよ”と、心から感謝しつつにやけていると視線を感じ、顔を上げる。
    「……何?俺の顔に何か、ついてる?」
    シュウは困ったように眉をハの字にして好悪どちらとも判定しにくい様子で見つめ一言
    「本人の前で、しかも僕のようなタイプの人の前でよくそういうの見れるね。」
    と言った。
    「こういうの見た時のシュウのリアルな反応を見てみたいんだよね。」
    首を傾げ上目遣いで見つめ顔の横にスマートフォンを掲げ自分がシュウに抱きついて彼の頬にキスをしているFAをわざとらしく見せつける。想定してはいたが、案の定顔を逸らしコーヒーを啜り、「これがリアルな反応だよ。」と返された。
    「昨日の夜中はあんなに可愛かったのに…。」
    「昨日の夜中?何の話?」
    “昨日の夜中喉が渇いて目が覚めたらシュウが俺にひっついててすごく可愛かったんだけど今は言わないでおこう。機会があれば配信で言うかもしれないけど。”
    「…なーんでもないよ。」
    「…そう?まあいいけど…さてと、まだ少し早いけど僕はそろそろ配信の準備をしに行こうかな。」
    立ち上がりマグカップを持ってキッチンに向かおうと二、三歩進んだシュウが「あ…そうだ。」と何かを思い出したように戻ってきてマグカップを置く。
    「浮奇、ちょっとこっち向いて。」
    なんだろうと思いつつも言われるがまま椅子を少し動かし、座ったまま体ごとシュウの方を向く。シュウの掌が頭に翳され聞き取れなかったが彼は何かをボソボソと呟き不思議に思っていると優しく頭を撫でられた。
    「もう、大丈夫だよ。」
    「…?」
    「悪い夢を見なくなるおまじない。」
    ハッとしてシュウを見る。彼はただ「んははっ。」と少年のように笑った。
    「シュウ…!」
    反射的に立ち上がりシュウを抱きしめた。
    「えっ?!ちょっ、浮奇?!」
    面食らっているシュウの胸に顔を埋め感謝の意を伝える。
    「有り難う…。」
    「あははっ、どういたしまして。…大したことはしてないけどね。今夜はぐっすり眠れるといいね。」
    名残惜しかったが、離れようとするシュウに嫌われたくはないので腕の力を緩め、ハグから解放された彼は「じゃあ先に行くからまた後で…。」と言い残して行ってしまった。

    ♢♢♢♢♢

    その日の晩は文字通り“憑き物“が取れたように悪夢を見ることなくぐっすりと眠れた。朝日の眩しさに目を眇め少しひんやりする空気を吸って身震いをしながら“『おまじない(お呪い)』か。流石呪術師だね。それと…スマートに撃ち抜くのはゲームの中だけじゃないね。もっとも、撃ち抜かれたのはヘッドじゃなくてハートの方だけど。”なんて思いつつ昨日の事を色々思い出しながら余韻に浸りまた“#shuuki”の巡回をしては朝食を頬張り、“いつかこのFAを現実にしたいよ。“と心からそう思っていいねを押した。

    - Fin. ー
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