初めてのクリスマスプレゼント👹「クリスマスプレゼントは何が欲しいんだ?」
師走に入り、数日クリスマスプレゼントを考えていたものの、初めてのクリスマスだし、🦊と迎えるクリスマスは初めてで🦊が欲しいものはどう考えても最適解が見い出せず、結局直接聞くことにした👹
一方🦊はというと、今までクリスマスプレゼントなど貰った事は無く、何が欲しいと聞かれても👹と暮らし出してからはこれまでの生活に比べれば特に何かに不自由している事もなく欲しい物が浮かばなかった。
🦊「うーん………あ!俺、ゆーえんち?ってとこに行ってみたい!!」
想定外の返しに少し驚くも、遊園地は👹が🦊に与えた絵本に出てくるメイン舞台で、🦊は瞳をキラキラさせ寝る前に毎日読んでくれとせがむほどにその絵本を大層気に入っていた。
👹は了承し、🦊とクリスマスに遊園地に行く約束をした。
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遊園地ではスタンプラリーをやっており、達成するとお宝が!?という園内イベントに🦊は興奮気味に「早く早く!」と👹を急かす。👹の「ちゃんと手を繋ぐんだ!迷子になってしまうぞ。」なんて忠告を聞きもせず🦊はスタンプラリーを終わらせてお宝をゲットしようと一目散に駆けていく。👹は足が遅い訳では無いが、沢山の人に紛れてすばしっこく走っていく🦊を追い掛けるのは容易ではなく…とうとう🦊と👹はハグれてしまう。
🦊「daddydaddyyyyyy」
大声で叫ぶも会話やアトラクションの音等で🦊の声は掻き消され、いくら人より鼻が良い🦊と言えど、👹の匂いを嗅ぎ分けるには多くの人の匂い、食べ物の匂い、化粧や香水等匂いがあり過ぎて空気を鼻いっぱいに吸い込むと頭がクラクラして分からない。寂しさと自分の愚かさに泣き出す🦊
一方👹はというと、スタンプラリーの場所を順に足早に巡りつつ五感をフルに使い🦊の痕跡を探っていた。随分距離はあるものの、👹は🦊の泣き声、匂い、気配、それら🦊に関する情報をキャッチし、人混みを掻き分け出来る限り最速で🦊の元へと急ぐ。
👹「🦊!」
声を張り上げ視界に入ってはいるが少し先の方で泣きじゃくる🦊を呼ぶ。
🦊は自分を呼ぶ👹の声がした方を振り返る。
🦊「daddy……う゛っ…ご…な、さい……俺、ひっぐ…daddyの言う事……聞かな……ぐすっ…かった、、から………。」
心底🦊が無事で、見付けられた事に安心し、👹も泣きそうになりながら「もういいよ、🦊、これで涙を拭きなさい。」と、胸ポケットから赤いハンケチーフを取り出し👹は🦊の涙を拭いてあげ、少し落ち着いた🦊が園内をグリーティングしているマスコットキャラクターを指差す。
🦊「クリスマス…プレゼント……アレと写真、撮りたい。」
👹は安堵のため息漏らし、微笑み🦊の手を引きマスコットキャラクターの方へと向かう。マスコットキャラクターに風船を貰った🦊を👹が写真に収めようとすると🦊は首を横に振り「👹も一緒に!」と言う。少し困惑の表情を浮かべるも、🦊が必死に言うので撮影クルーに声を掛けマスコットキャラクターを間に挟む形で3ショットを撮ってもらう👹と🦊
わんわん喚き泣いていたのが嘘のように上機嫌な🦊に👹は少し困ったような、それでも穏やかな表情で🦊を見る。
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いつものように👹に絵本を読んでもらい、👹が部屋を出ていった後、枕の下から遊園地で撮って貰った写真を取り出しニヤニヤする🦊
🦊(へへ、初めての👹との写真だ!)
そう、🦊はマスコットキャラクターと撮りたかったのではない。🦊は👹と自分との写真を一枚も撮ったことが無かった。🦊は👹との写真が欲しかったのだ。🦊にとってソレは人生で最高のクリスマスプレゼントであり、🦊にとって最高のお宝となった。
🦊「お宝は値段じゃないって👹が言ってた事、やっと分かったよ。Thx daddy<3」