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    カリントウ

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    カリントウ

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    紺碧×雪白

    ##紺碧×雪白

    真冬のツリーハウスでの出来事紺碧×雪白



    冷えた夜空に星が冴え冴えと光る、風のない夜だった。
    降り続いた雪に包まれ、森は押し黙ったように静かだ。

    ここは、草原近くの森の中にあるツリーハウス。
    その3階の一室。
    室内の灯りは落とされ、暖炉が放つ暖かい光が波のように壁に揺らめいている。

    木彫りの装飾がされた重厚感のある寝台の上で、紺碧は愛おしそうに目を細め、自分の下に組み敷いた雪白を見下ろした。

    雪白は、綺麗だ。

    紺碧の紺色の指先が、雪白の瑞々しい素肌を羽根のように軽く撫でる。
    はだけた青色の上衣から覗く、外見よりもしっかりとついた筋肉は野生の動物を彷彿とさせるしなやかさ。
    すらりとした成長途中の手足は、まだこれからも伸びるだろう。

    何度か身体を重ねたにも関わらず、あいかわらず初心(うぶ)な反応をみせる無垢な身体。

    触れれば即座に反応する感じやすさで、まるで壊れものを扱うように優しく、そっと腰から臀部まで撫でると、肌が火照って汗ばんでいるのが分かった。


    「すごい締まる」

    「もう...動かないでくださいッ」

    「ここかな?」

    「.....ッ」

    苦痛に悶えるような仕草で身を捩った雪白の下腹から、つと、透明な雫がシーツへ伝い落ちる。
    濡れた肉壁が紺碧を奥まで咥え込み、吸い付いて離れない。
    太ももを抱え上げると、雪白の入口が陰茎を受け入れているところが露わになる。
    上気して色づき、柔らかく濡れる様(さま)に、紺碧は震えるほどの興奮を覚えた。

    内部の心地よさを惜しみながらゆっくり引き抜くと、くちゅ、と微かな水音。

    「紺碧さん...」

    なんで、なんで今抜くの、と言外に言いたげな雪白は、まるで美味しくしゃぶっていた飴を取り上げられた子供のようだと思いながら、紺碧は意地悪く微笑んだ。

    「雪白くん、自分で入れてみて」

    「自分で...」

    熱に浮かされたような、ぼぅっとした顔に羞恥の色が浮かぶ。
    目の前にそそり立つ紺碧自身を見やり目が一瞬迷うように揺れるが、のろのろと身体を起こし紺碧の腰をまたぐと、ピタリと自分の入口を陰茎の先にあてがった。
    紺碧が、頑張ってと言うように雪白の胸の核に口付ける。
    丸い先端の濡れた感触がヌルヌルと滑べるので、片手を添えて静かに腰を落とす。
    太い部分が肉を押し開く感覚に、腰の奥が甘く疼く。
    根元まで埋め込むと、腹を満たされる熱い感触、脈動まで感じ取れそうな密着感、圧迫感。
    ぞくぞくと快感が背筋を這い上がる。

    「うわ...気持ちいい...」

    雪白に包まれ、うめくように紺碧が声を漏らす。
    雪白は紺碧を見下ろしながら、頬に触り、耳に触り、肩、胸と指を滑らせる。
    張りのある皮膚の下に、綺麗に浮き出た筋肉の隆起。

    触れることができて嬉しい、と思う。
    衣服に隠された、非常にプライベートな部分。

    この人が、実は他人と距離を置いていることに気が付いたのはかなり前だ。
    目があった野良さんにウインクしたり、微笑んだり、投げキスしたり、手慣れた様子とは裏腹に、紺碧は相手に深く立ち入らない、立ち入らせない。
    彼が本当に心を開くのは、ごく親しい限られた人だけなのだ。
    だからなおさら彼に触ることを許されることが、嬉しい。

    肩のタトゥーをたどり脇腹を撫で上げ...
    躊躇ったあとに、両方の胸の突起を指先でたどたどしく撫でてみる。
    嫌がる素振りはない。
    紺碧さんはどうやって自分に触れていたっけ。
    彼の指先の動きを思い出すとそれだけで身体が疼き、無意識に下腹に力が入ったようだ。

    「締め付けてくるけど、興奮しちゃった?」

    耳元で囁く低音が、心地いい。
    声にすら彼の体温を感じるようで。
    からかうように、でも優しく言われて恥ずかしい。
    紺碧の胸を愛撫するのは、もっと恥ずかしい。
    けれども彼にも気持ちよくなってもらいたいし、一方的、は嫌なのだ。


    優しく突起をつまむと、紺碧の腹や腰に緊張が走るのが分かった。

    浮ついた紺碧の反応に、雪白は蜜色の目を細めて、仕返しするようにいじわるに微笑み返す。

    2度3度と繰り返しつまみ、指の腹で撫で、手のひらで胸全体を包むように撫でる。
    紺碧の肌に鳥肌が立つのが分かり、胸の先端が硬さを増すのが分かった。

    「...雪白くん」
    「ふふ、気持ちいいですか...?」

    困ったような顔で微笑を浮かべる紺碧を、乱れさせてみたい。

    次いで腰を浮かし、それから奥まで一気に紺碧を咥え込む。
    ぱん、と肉が合わさる音。

    「は...」

    それがどちらから漏れた声だったか。

    「締まって、せまくて、とろとろ」

    冴えた青い炎のような瞳が、高まる快感にきらめいている。
    両肩に手を置き、雪白は紺碧の射精を促すように動きを早めた。

    「ふ...」
    「紺碧さん、好きなのはどこですか?ここは気持ちいい...ですか...ッ?」

    息をつめて耐える紺碧の表情を見ながら、雪白は問い詰める。
    伏せた白いまつ毛が震えている。
    潤んだ青い瞳を覗き込み、そこに燃える情欲を認めて、自分と同じ気持ちだと安堵する。

    広い肩や自分より厚い胸に触れればきちんと温かく、この凍てつくような美貌の持ち主にも体温があるのだと、妙に感心してしまう。
    男性らしいのに中性的、品があるのに野生味もある不思議な人だと、紺碧を見て雪白はつくづく思うのだ。


    上下に腰を動かしながら、感じるであろう部分を重点的に刺激する。
    細筆で描いたような切長の目元にキスをして、浅い呼吸を繰り返す薄い唇に口付ける。
    粘度の高い感触がいやらしく、濡れた唇が柔らかくて心地よい。
    思うがままに唇を合わせて離れると、2人の間に唾液が糸を引いた。

    いつも余裕のある態度を崩さない紺碧が自分の行為で乱れるのが快感だ。
    下腹のナカで怒張した欲がさらに硬くなるのを感じ、自分はまだ気持ち良くなってはいけないのに、悦い場所に当たるように腰を動かすのをやめられない。

    「感じている顔も綺麗ですね。かわいい...」

    「雪白くんも...なかなか言うようになったね...ッくぅ...」

    「そのうち俺がもっと気持ちよくしてあげます」

    雪白が強気な表情で笑うと、八重歯がのぞく。
    それを見て、この恋人はなんて可愛いのだろうかと紺碧は思う。
    いつも組み敷かれ、限界まで焦らされ、泣かされているくせに、気持ちよくしてあげるだなんて。

    「僕も負けないようにしないとね」

    腰に乗せた雪白を、下から擦るように力強く突き上げる。

    「...ッ!」

    気持ちの良いところに届いて、雪白が声を上げそうになる。
    背を丸め突き抜けるような快感に耐える。
    尖った犬歯で唇を噛み、声を噛み殺す様子が健気でそそるのだ。

    「俺が...ッ気持ちよくしてあげたいのに...ッ」

    「雪白くんがいやらしすぎるから我慢できない。自分でするより届くでしょ?」

    肌が打ち合い、甲高い音が鳴る。
    雪白の短く切れた息づかいに混じる、微かな喘ぎ声。

    ベッドに横たえられた雪白は、上掛けを引き寄せて抱きしめた。
    その上掛けも、手触りの良い上質なシーツも、紺碧のにおい。

    「本人が目の前にいるんだから、こっちを抱きしめればいいのに」

    顔を隠して完全に沈黙した雪白に、紺碧が苦笑する。

    腰を両手で掴み、内部のヒダを味わうようにゆっくりと再び抽送を始める。
    雪白の傷だらけの胸から、すっと臍まで伸びるしなやかな腹部のラインをなぞり、薄い下腹に手を置く。
    指先に筋肉の硬い感触。
    ここで僕のを受け入れてるの?
    この奥?
    入り口いっぱいまで押し付け、ナカいっぱいに満たす。

    悦い場所は、大体わかった。
    でもまだ、見つけていない場所があるね。
    これから新しく拓(ひら)かれる場所もあるでしょう。

    潤んで少し焦点の合わないキミの目が好き。
    涙目になると、蜂蜜みたいな美味しそうな色になる。
    気の強いキミが、切ない表情で時には泣きながら僕に縋ってくる姿。
    清廉な雰囲気のキミが、いやらしい行為を強いられて、恥ずかしくて死にそうになりながらも従う姿。
    今も身を捩りながら、上掛けを強く強く掴んでいる。

    「あいかわらず声聞かせてくれないなぁ」

    雪白から上掛けを取り上げて、手を捉え、顎を捕まえてこちらを向かせる。
    そこには、限界を迎えそうな快感に耐える雪白の姿があった。

    「こんなになってるのに...」

    震える雪白の細い顎を舐め、唇を噛む。
    輪郭をたどり、耳の後ろ、首筋に痕を残す。

    「ッ!見えるところやめてって言いました...あっやめて...やだやだ...」

    雪白の「やだ」が本当に嫌なのか、本当は良い、なのか分かるようになってきた。
    今回は「良い」の方だ。
    雪白自身をしごき、蕩けそうに熱いなかをこすりあげ、悦い場所を執拗にいじめ抜く。

    口付け、舌を入れ、滑らかな頬の内側、舌の横腹をなぞる。
    雪白の早い呼吸に、だんだん余裕がなくなっていく。
    息の間に漏れる喘ぎ声さえ、逃したくない。
    口のなかにこぼれ落ちてくる雪白の小さな嬌声を受け止め、絡ませた舌で、愛していると優しく囁く。

    一気に絶頂へ導かれた雪白は背を弓なりにし、痙攣するように果てた。
    それに合わせ、紺碧も奥の深いところへ精を注ぐ。

    「...ッッ...は...ぁ...」

    ぶるりと身を震わせ、大きくため息をついて雪白が脱力する。
    汗にまみれて、時には精液で汚れて、疲れきって動けないキミの姿が好き。
    汗ばんだ身体を撫でてやり、指を絡ませて気持ちを確かめるようにキスをする。
    だるく火照った身体を寄せあい、シーツが汚れるのも気にせず、泥のようにそのまま眠りにつく。

    木々の微かなざわめき、風の音。
    曇る窓の外には、雪あかりの沈黙の森。
    静かなツリーハウスの一室。
    こんな風に僕たちが過ごしていることを、きっと誰も知らない。
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