そして、彼は真っ当に生きるのを諦めた黒ずんだ青の髪を靡かせた目つきの悪い少年はジャームに囲まれていながら、無表情で言う。
「歪んだこの世界で俺は努力をするのを辞めた。何をやっても無駄、お前らの全ても無に帰してやる。」
前大統領 亜洲虎 紫暮の一人息子。母親に敷かれた人生を嫌い、父親と反対の道を歩んできた。オーヴァードとして覚醒してからは、母親に気付かれないようUGNチルドレンとしての生活を送っている。(執事として雇っていた男がUGN職員であった事は母親も誤算だろう)
つまり、父親と同じ道を歩みたくても歩めないのである。あぁ、なんて親不孝な。
彼は母親と喧嘩を続ける事で政治家になることをさも嫌がっているかのように振舞っていたのだ。
1768