未定 温かい布団の中、もぞもぞと目を覚ます。顔を両手でくしくしと擦り少し顔を振る。いつもは自分より先に起きることの多い恋人からは「本当に猫みたいだ」と笑われる。けれども先日より何かしらの研究で研究室に入り浸り、おそらく三徹程したようで死んだように眠っていた。
「徹夜、身体に悪いのになぁ…」
瞼にかかる前髪をそっと払うと静かな寝息が聞こえてくる。普通ならば朝ごはんを用意して起こす所なのだけれど、今日は存分に寝かせておこう。今日はお互いに休日なのだから。とりあえず身体に掛ける毛布を直してあげようと布団をぺらりと捲った時にそれは彼女の目に入ってしまった。
「ん?!」
目に入ったのはつまるところ、恋人の股間が膨らんでいるところ、だ。おそらくかなり疲れていてやっと得た睡眠で力が抜けたのだろう。彼のそこはかなり張り詰めているようだった。
「え、えぇ〜……」
もちろん彼とは同棲をする程の仲なので既に何度も致している。だから生娘のように恥ずかしがっているという訳ではなく、どちらかと言うととっても疲れてたんだなぁ、お疲れ様という気持ちだ。しかしながら、コレーは少し考えて彼のそこに奉仕する練習をさせて貰おうと考えたのだ。
「熟睡してるし、ちょっとならバレない、かな」
なぜ練習?というと彼は中々彼女にはそこを触れさせてはくれないからだ。以前一度口でした事があるのだがそれ以降「君を汚したくない」などと言ってそこに触れさせてくれない。自分が下手くそだから嫌なのかもしれない、と思っているのだがそれならば尚更上手くなるために練習をしたい。しかしながら玩具のようなものを買って練習など恥ずかしくてできるわけもなく、ましてや浮気なんか絶対にしたくもない。なのでバレないようにそこを借りよう、と。
「怒られるかなぁ…でも熟睡してるし…うん、ごめんね、ヘルメス」