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    シュガーポット🌛✨

    @sugarpot1286

    色々描いてるものを纏める為の場所的なものです、たぶん✌️

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    POIPOI 22

    絵じゃないです、過去の妖怪パロ小話詰め

    【🦊✌️と🍎と👺🦇】

    「流石ですね、メタナイトさん!僕も沢山頑張らないと!」
    「君もなかなかの強者だ、もっと自信を持ってもいい。」
    「そ、そうでしょうか…///💦」

    そんな会話が聞こえてきて思わず耳がピクリと反応する。
    庭の方で親しげに話す二人の姿に何となく面白くないような、ムッとするような気持ちになり足音を立てながら二人の側へ近づく。
    足音がして直ぐに此方へと顔を向けて微笑んだバンダナに、流石は俺様の子分だなと少しだけ気分が良くなった。

    「よお、烏天狗。あんまり俺様の子分にお痛はするなよ。」

    そう言ってバンダナを自分の方へ引き寄せた俺に、アイツは少し考えるような仕草をして…今日はお暇しようと帰っていった。
    勝手に来て勝手に帰る…自由な奴だな。自由な奴らが多すぎる気もするが。

    「…フフっ。」
    「ん、なんだよバンダナ…?」
    「いいえ、何でもありません!」(それは嫉妬だったのかなとか、どっちに向けてなんだろうとか、僕だったらな何て言ったら…貴方は怒ってしまうんだろうな。)


    【黄泉ポポ(独白)】

    僕はただ、今日を繰り返していた。

    何も変わらない今日を淡々と過ぎていく、そこに意味を持とうだなんて思ったこともなかった。

    けれど、君が僕の前に現れた。
    僕らは出会ってしまい、そして君が僕に明日と昨日を与える。
    少しだけ不安で楽しみな明日と少しだけ悲しくて懐かしい昨日。
    今日を繰り返していた僕に、価値ある未来と過去を…色付いていく世界の中で君が僕の手を取り二人で描いていった。
    これが、幸せっていうのかな?君となら何処まででも行けるんじゃないかって…そう思えさえした。
    忘れてさえいた僕の中の感情が、君と居るだけで蓋をしても溢れてしまいそうだった。

    僕と君には種族の壁なんてなくて、永遠にこの日々が続いていくんじゃないかって…そんな風に考えていたんだって君に伝えたら。

    君も同じ気持ちだったって…せめて、あの時だけでもそうだったと…言ってはくれないだろうか。



    【🐱🥚と🦊✌️】

    「だーかーらー!キミは派手にしスギ!そんなんじゃ力を活かせてナイネ!!!」

    宙に浮きながら肩越しにそう言ってやれば、相手は不満ですという顔を隠しもせず表に出す。

    「っるせぇなー!大事なのは見栄えなんだよ!愛着がより湧くだろうが!それにカッコイイし一石二鳥!これが男のロマンなんだよ!!!」
    「なーにが、男のロマンなんダヨ!さ!…あ~、やれやれ…これだから蛮族ってヤツは。」

    呆れたように、ややオーバーに首を振るような仕草をすれば思ったように彼はピキッと青筋を浮かべる。

    「………喧嘩か、喧嘩なら買ってやんぞ。」
    「ホラ直ぐそうやって、武力で解決しようとスルなんて野蛮ダネェ?」
    「~~~~~っ!!!上等じゃコラァ!!!表出ろ表!!!!!!」

    怒り狂う彼の一振りをスルリとかわし手を鳴らしながら煽ってやれば、彼の木槌の持ち手からミシリと重い音がなる…おー!コワイコワイ!

    「おーにさんコチラ!手の鳴る方へー!ホラホラ、そんなんじゃボクに追い付きも出来ないんじゃナイ?」
    愉快な愉快な鬼ごっこの始まりダヨ!


    【🍄と👺🦇と🦊✌️】

    「毎回言うが重いぞ、退け。」
    (フフ、何度でも言うけれど此処が私の特等席だからね。)
    「人の肩を勝手に特等席にすんな!手土産の一つも持ってこねぇくせしやがって!」
    (おや、手土産を持ってくれば良いのかい?これはいい話を聞いた。)
    「……いやそうじゃねぇから!!!」

    背の高い木の上、葉の影に隠れるようにして彼らのやり取りを観察しては腹を立たせるのはこれで何度目か。
    奴は分かっているのか、その肩の上にある者がどれ程の脅威として未だ語り継がれているのかを…何を話しているのかは知らないが余りにも呑気すぎる。仕方なく森の秩序を守るため、仮にも恩のある奴への恩返しも含めこうして監視をしてやってるというのに…ああも呑気な様を見せられると余計に苛立ちが募っていく。
    貴様はもう少し警戒心を持てんのか、無闇にベタベタと触らせるな身体を!
    どこへも発散できないこの怒りを、少しでも外へ出せないかと深く溜息を漏らす。
    …まあ、私が封印を解いたのだから…ある意味自業自得ではある…か。
    そう自分の中で言い聞かせ、また目をやると不意に奴と視線がかち合う。
    うっすらと細めた瞳には挑発的な色が浮かび、まるで羨ましいのかな?君は見ているだけだものね?と言われている様で気付けば剣を抜いていた


    【🦊✌️と👹🕸️】

    「ワタシは自分の中の埋まらない穴を塞ごうと大王様を利用しているのね、セクトニア様の言う通り…醜い男なのね。」

    亡き彼女の後ろ姿を、未だに追いかけ夢にも見る始末。未練がましい、そんなのは自分が一番分かっているのに…それでも追い求めてしまうのだ。
    ワタシには彼女しか居なかったから。
    彼女さえ居れば全て満たされていたから。
    普通であれば殺されても可笑しくないワタシを匿い、そして思い出のあの場所を領土にすると…守ると言ってくれたこの人を…今度は利用してしまっている。
    私は結局、逃げてばかりの狡い奴…なんて浅ましく醜いのだろう。
    どうしてこんなワタシが生きていて、彼女が此処に居ないのだろう…。
    そう思えば思うほど、目頭が熱く視界がボヤけてくるのを感じた…俯き気味になったワタシの頭に優しく何かが往復する。

    「んな事言ったら、俺様だって文句言わねぇお前に色々押し付けて利用してんだろ?お互い様ってヤツだろ?」

    な?…そう短く出した声が余りにも暖かくて、溜めていた涙がポロリと零れ落ちた。

    「ありがとうなのね…貴方はやっぱり、優しい人なのね。」


    【🍑と🦊✌️】

    「そういえば、なんでデデデは木槌なんて使ってるの?」

    今日も山奥で籠っているデデデの所に遊びに来た僕は、丁度手入れ中だと言って話し相手にもなってくれないデデデの背中に寄りかかっていた。
    数分なんだか何時間なんだか…暫く黙って作業の音を聴いていた僕は、不意に疑問に思ったことをきいてみた。
    デデデは一瞬ピクリと反応したが、何事もなかったように作業を続ける。

    「ねーねー!なんで!だってさ、他の皆は色んな術使うでしょ?メタナイトなんて神通力で沢山岩を持ち上げたりさ!」

    あれは反則だよね!って肩を揺さぶっていると、デデデは邪魔すんなよ!!!と大声を上げながら僕の方へ振り向いた…あ!やっと向いてくれた!そう思ったら怒られてるのに思わず笑みが浮かんでしまう。

    「で?なんでなの?」
    「別に…なんでも良いだろうが。俺様には俺様の戦い方ってもんがあんだよ、つーかそんな術使わなくても楽勝だっての!」
    「えー!それ僕に勝ってから言いなよ!」

    何だと!!!とまた怒る君を見ながら、今度は胸がチクリとした。僕には…話せないのかな?

    【👁️と🦊✌️】

    「お前さ、俺様の身体を毎度要求してくる割には一日とかそこらで直ぐ返すよな。」

    ジトーっとした目で大王に見つめられ、私も真似て彼を見つめ返す。
    暫く沈黙が続いた後、大王の方から視線を逸らし居心地悪そうに声を出した。

    「…いや、何か喋れよ!返事くらい出来んだろ!?」
    「ああ、すまない…どう言うべきかと思ってな。」
    「な、何だよ…そんな考えるような理由か?」

    少し恐怖の滲んだ瞳に、何故か胸の辺りがモヤっとした気がしたが構わず先程の問いに答える。

    「そうだな…お前は何故か我々をとても受け入れやすい体質だ、だから中に入り込むのはすんなり出来るが…暫くすると私を拒む何かが現れる。まるで逆光の中に居るようで、姿も声も分かりはしないが…確かに私を追い出そうとするのだ。」

    そうして私はその光に耐えかね、出てきてしまう…という訳だ。まるで、お前を誰かが守ろうと必死に私を拒むようだった…そう伝えれば、大王は遠くくを見るようにボンヤリとしてしまっていた…心ここにあらず、そういった様子だった。



    【👺🦇(独白)】

    君に特別、何かを与えられたいと思ったつもりはなかった。

    そもそも、彼らにとってそういった者との交流はあの頃は私だけだったのだから。必然的に私は特別を得ていたのだ。
    だからそれ以上等、考えたこともなかった…このまま君と彼らと私と…時々騒がしく、だが穏やかな日々を送るのだろうと信じて。

    だが運命とは突然訪れるものだ。

    旅人が現れた、彼を映した君の瞳はこの時を待っていたかのように煌めく…あの時の光景を私は忘れたことはない。
    彼と過ごすようになり、君は生を謳歌するようにイキイキとした姿を見せていくようになった。
    変わりゆく君を見る度に、君は私では満たされていなかった事を突きつけられる。
    妬ましいと思った、羨ましいとも思った、恨みさえ覚えそうだった…何一つ、かなわない癖をして。

    いっそ君をどうにかしてしまいたいとさえ考えた、けれどそれをした所でどうにもならないと思い止まる日々。
    君を例え殺めたとて、結局は君の中での一番は彼のままになる…それも永遠に。
    ならせめて、まだこの世での可能性を潰さないようにと…私は今日も鳴かぬ鳥として君を想う。


    【👺🦇🦊✌️】

    これはやらかした、久しぶりに感じる鈍痛に自然と眉間へ皺が寄る。
    地肌に感じる汗の温さがどうにも気持ちが悪くて余計に苛立ちを増幅させた。
    足も震えだしたのかフラフラと意識を揺さぶられる感覚に、いっそこのまま地面に寝転んでしまおうかと思った時だ。

    「何をしている。」

    この世で今もっとも聞きたくない男の声がする、バサリと広げた翼の音さえ忌々しい。
    カッカッ…と徐々に近づく下駄の音を耳にしながら、短く息を吐き出し気合いだけで平然を装う。
    空気を取り込んだ肺に痛みを感じて一瞬顔が歪めてしまった気もするが、気にするのはやめた。

    「さぁな。」
    「もう一度問う、何をしている。」
    「別に、何もしちゃいねーよ。」

    事実だ、今は何もしていない。
    どちらかと言えばした後だ、もう全てが終わっている。
    …なのだから、どうか放って置いてくれという俺様の願いはやはり届かなかったらしい。
    重々しく溜め息を出して奴は人の姿に化け俺様を持ち上げた、そこまでして嫌がらせでもしたいのかと文句を言いたい所だがそんな気力も湧かなくなっていた。
    やはり無理をし過ぎたらしい、自分の誤算に内心で舌打ちをうつ。

    黙りとする俺様に抱き上げたアイツも暫く無言のまま歩き続けたが、痺れでも切らしたのかうっすらと唇を開き話し出す。

    「近頃、狸狩りをする人間がまた現れたとバンダナから聞いた。」
    「へー、そうかい。」

    気のない返事にも無視するように淡々とアイツは続けた。

    「彼は自分の仲間の事だからと君を頼らず解決しようとしたらしいが、何故か城から出れなくなっていたという。幸いな事に仲間は誰一人として欠けていなかったらしいが。」
    「そりゃ良かったじゃねーか。」
    「だが、君が野暮用があると書き置きを残し姿を消してから随分経っていると私に言ってきた。とても心配をしていたぞ。」

    少し、咎めるような目線に流石の俺様もばつが悪くなって逃れるように顔を背けた。

    「まあ、帰りが遅くなっちまったのは悪いとは思ってるぜ?でも心配し過ぎだっての!」
    「そうだな、君は子供じゃない…彼らや私の目を掻い潜ってまで何をしていたのかを咎めるのもお門違いだろう。」

    別に悪いことをしている訳でもないのに、何故こんなにも責められているような雰囲気にさせられるのか。
    理不尽な気がして一度引っ込んでいた苛立ちがまた顔を覗かせようとした瞬間、不意に襲ってきた痛みに顔をしかめる。
    何なんだと思えば抱き上げていた奴の手にグッと力が込められたらしい、やっぱ咎めんじゃねーかよ…何をそんな怒ってんだかと背けていた顔を上に向けた俺様はハッと息を飲んだ。

    「だが…隠されるのはいい気分ではない。」

    それは冷たいというよりも、どこか悲しげで寂しそうな声色だった。
    仮面越しにでも分かる伏せられた瞳が俺様に何か訴えるように揺れた気がする。

    「私はこれでも武術の腕には自信がある、彼らだって守られてばかりの非力な存在ではもうない。…だから、君にだけ何かを背負わせたり傷付くような真似はさせたくない。」
    「大袈裟だろ…生きてんだし。」

    言いたいこともアイツらやコイツの優しさだって理解している、だがそれを素直に受け入れられるほど自分は器用ではない。
    逆に言えばこっちこそ、そんな風にお前らを巻き込みたくはないと口が避けても言えないが。

    「君は生きていれば、どれだけ傷付こうと構わないのか。彼らや私が傷付いたとしても。」
    「それは話がちげぇだろ…。」
    「同じだ、君が傷付いたり辛い思いを選択する度に彼らも私も心が痛む。…頼られない自分に悔しさが募る。」

    嘘偽りではない、悔しくて堪らない…そう言葉を漏らしながらアイツはグッと目を瞑り額を合わせてきた。
    もう痛みだとかいう感覚も忘れて、額から伝わる少し冷えた奴の体温を感じて俺様も額を擦り寄せる。
    確かに体温が低い方ではあるが、何時もより冷たく感じたのはきっと自分を探して無我夢中で飛び回ったのだろう…コイツの不器用な所は良く知っている。
    額を擦り寄せられた事に少しビクリと肩を揺らしたアイツは、掻き抱くように更に腕へ力を込めた。
    正直苦しいが、それよりもこうしていたいと思う気持ちが不思議と滲んでくる。
    普段の自分からしたらきっと理解不能な思考も、きっと痛覚も鈍ってくる位感覚が麻痺してるからに違いないと己を言い聞かせる。

    「頼むから、無茶をしないでくれ…君を失いたくないのは…。」

    絞り出すように言ったアイツの顔を覆うように俺様は腕を回す。

    「メタナイト、ごめん。」

    それは何に対しての謝罪なのか、自分でもまだ確かではなかったがきっとコイツの望みを結局は聞いてやれないのだろう…という現実へなのかも知れない。
    或いはこんなにも自分を慕っている彼らへの純粋な申し訳なさか。
    それとも、その謝罪で掻き消されるよう被さった彼の本音に応えられない事にだろうか。

    君を失いたくないのは、私もなのだと…そう告げた奴の想いに。
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