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    monarda07

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    monarda07

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    青エク×FGOクロスオーバーの話(※魔法少年シリーズの話を含みます)青エク本誌の話ががっつり絡むので注意。

    イミテーション・パンドラピトス①【プロローグ】

    これは、もしかしたらあったかもしれない残像。
    ありえたかもしれない、ひとつの手違い。

    空間が断裂するのを防ぐ寸前、メフィストはあるひとつの可能性を見てしまった。
    それは遠い世界で棄却されたはずの獣の兆し。番外編の再演。
    虚数事象として無かったことになったはずのビーストXが、2年後の世界に再度の顕現を果たした瞬間の光景だった。
    「いったい、どういうことだ」と焦ったのも束の間。空間は完全に閉じ、辺りは静寂に包まれる。
    だが、先ほど見た可能性は無かったことにはできない。2年後の世界にビーストXが顕現するのは、避けようの無い決定事項と化したのだ。
    信じられない光景だった。いいや、信じたくない最悪の展開だった。特定の条件下でしか顕れないはずのビーストXがいたのもそうだが、メフィストにとっては「決してありえない」人物がビーストXの側に立っていたのが致命的だった。

    「なぜ、貴方がビーストXの配下にいるのですか──」

    震える声で、なんとか絞り出した声。それを使ってその人物の名を読み上げようとした瞬間、メフィストの視界の端に何かが高速で落下して行くのが見えた。
    流星のように虚空(ソラ)を駆け抜けるそれは、メフィストが閉じた空間の断裂を突き抜けて、あっという間に消えて行ったが……
    見覚えの無い衣装を身に纏ったその人影が飲み込まれる寸前に、胸元に光っていたあの紋章は。

    「すみません、フェレス卿。たいへん申し訳がないのですが、少々ばかり緊急事態が発生しまして……」

    と、そのとき。唖然とするメフィストの背後から声をかけてきた人物がいた。それはメフィストにとって、嫌になるほど聞き覚えのある声であり……現時点で、ある意味もっとも会いたかった人物。
    いったい、何がどうなっているのか。魔神の肚の中、メフィストはその人物と対峙して説明を求めるのだった。

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    monarda07

    MAIKINGぐだキャストリア大正パロの出会い編前編
    契約結婚2(前編)────二年前、倫敦。


    (わあ……綺麗だなぁ……)

    高い塀で囲まれた大きな建物の中で、煌びやかな光がくるくると踊っている。それを遠目に見ながら、少女は──アルトリアは目を輝かせた。
    それは本当に偶然だった。今日の寝床を探すために倫敦の暗い影を歩いていたら、たまたま迷い込んでしまった人間の縄張り。聞きなれた言葉の中でも目立つ、聞きなれない独特な言葉。島国の宿命としていまだ濃い神秘が飛び交う大英帝国付近の国の言葉ではない。意味が分からないが、辛うじて言語だとわかる声が飛び交っているのに気付いて「そういえば」と思い出した。
    アルトリアが迷い込んだのは、遥か東の果てにある「二ホン」とかいう小国の「タイシカン」とやらだ。ほんの数十年前まで外国との親交をほとんど絶っていたからか、神秘がいまだに色濃く残っているらしいその国は。アルトリアたちのような人ならざる者──”隣人”にとって、とても居心地の良い場所に違いないだろう。あまりにも遠すぎるため、容易に移住できないのがなんとも残念だね、などと。彼女を遠巻きにしながら、これみよがしに仲間と楽しくおしゃべりしていた妖精たちの会話を思い出す。
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