契約結婚────わたしは、彼の罪悪感に付け入っている。
この国の夏は、とにかく不快だ。
溜め息を吐く。頬を伝い落ちた汗の粒が、地面に小さな染みを作って消える。
「あつい……」
[[rb:故郷>西の島国]]にいた頃には考えられないような暑さ。肌がジリジリと静かに焼かれていくような痛みでさえ伴う陽光。
初めて目にした時には感動さえ覚えた青い空が、今はなんだか恨めしかった。夕方なので若干赤いが、それでも青空の範囲に十分入る。
汗が滴り落ちるほどの暑さだが、これでも習志野は東京より涼しい方であるらしい。アルトリアとしてはどう考えても[[rb:団栗>どんぐり]]の背比べとしか思えないが。
「わたし……なにしてたっけ……?」
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