硝煙の中で エージェントの休みなんてあってないようなものだ。呼ばれれば世界中どこへでも飛んでいき、危険な任務に身を投じる。ここ最近至る所で悪い奴らが良からぬことを企んでいるようでイーサンもベンジーも本部に戻ることもなく現場から現場へと移動していた。
「なあーブラントー、なんで俺とイーサンの現場かぶんないの」
「一緒にするほどの規模の現場が今のところない」
「なんだよそれー」
「それぞれ特化能力が違うからな。一緒に一現場任せるより、新人と組ませて二現場行かせた方が、効率もいいし新人教育にもなるだろ」
「褒められているような、雑に扱われているような」
「常に人手不足だからな。頼りにしてるんだ、これでも」
次の現場への移動中、次の任務内容を聞きながらブラントに愚痴を言いつつため息をつく。言っていることの意味も頼りにしてくれていることもわかるが深刻なイーサン不足だ。任務中は連絡も取れないから声すら聞けない。
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